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2025.11.01イベント・キャンペーン

「中村勘九郎 中村七之助 春暁歌舞伎特別公演 2026」全国11か所で開催!

左から 中村七之助さん、中村勘九郎さん

 

2026年 3月 7日(土)~25日(水)に、全国11か所で「中村勘九郎 中村七之助 春暁歌舞伎特別 公演 2026」が開催されます。

中村勘九郎さん、中村七之助さんを中心に、中村屋一門が毎年行う全国巡業公演、それが春暁歌舞伎特別公演 です。
時期によっては「新緑」、「陽春」、「錦秋」とタイトルを変更していますが、2005年から毎年のように各地に伺っています。
2022年には、ついに全国 47都道府県すべてでの開催を達成しました。
歌舞伎を初めてご覧になる方にも、歌舞伎や伝統芸能に日頃から親しまれている方にも、どちらにも楽しんでいただけるよう趣向を凝らした公演です。
公演に先駆けて、中村勘九郎さん、中村七之助さんへの合同取材会が実施されましたので、参加してきました。

 

■「中村勘九郎 中村七之助 春暁歌舞伎特別公演 2026」公演日程

 

3月 7日(土) 東京 府中の森芸術劇場
3月 8日(日) 東京 練馬文化センター
3月 10日(火) 静岡 アクトシティ浜松 大ホール
3月 11日(水) 愛知 刈谷市総合文化センター アイリス
3月 13日(金) 東京 大田区民ホール・アプリコ
3月 14日(土) 茨城 水戸市民会館
3月 15日(日) 神奈川 相模女子大学グリーンホール
3月 20日(金・祝) 大阪 高槻城公園芸術文化劇場
3月 21日(土) 福岡 J:COM 北九州芸術劇場
3月 22日(日) 佐賀 鳥栖市民文化会館
3月 25日(水) 青森 リンクステーションホール青森

 

中村勘九郎中村七之助 春秋全国巡業: https://nakamuraya-tour.srptokyo.com/shungyo2026/

 

 

勘九郎さん:
この「春暁歌舞伎特別講公演2026」、2026年もこうやって全国を回ることができます。
私たちがこの特別講公演を初めてもう22年目になりますね。
こうやって長く続けられるのも、取材するメディアの皆さんが書いてくれて、それを見てお客様が詰めかけてくれるおかげでございます。
この公演をきっかけに歌舞伎座、名古屋御園座、大阪松竹座、博多座にはちょっと遠いけれども、近くで歌舞伎をやってるならと、観に来て足を運んでくれるお客様が大変多くいらしゃって、歌舞伎初心者の方たちにも、受け入れやすい公演になっていることが、こうやって続けてきた意味ではないかと思います。
2026年は、墨塗女(すみぬりおんな)という歌舞伎役者が務めたのは 77年ぶり(昭和 17年以来)ぐらいそうです。
この特別公演では初めて猿若流の振り付けでやらさせていただくのも私たちにとって所縁のあるものなので、全国にお届けするのが今から楽しみです。

 

 

七之助さん:
22年目を迎えるこの巡業ですが、本当にやってる意味が毎年あるなと感じております。
まだまだ続くように一生懸命努めます。

 

 

- 巡業について

勘九郎さん:
元々は子供の頃から父と親子会という形で全国を回ってました。
それで父が離れて、私たちだけの公演ってなったんでですけども、きっかけは浅草公会堂です。
浅草公会堂に出ていたときに獅童さんのところに地方の学生さんから「行きたいけれどその行く電車代も昼夜の芝居を見ると終電がなくなって泊らなきゃいけない、行きたいけど行けない」という手紙が来ました。
じゃあ僕たちで(地方に)行きましょうよ、という形で最初は獅童さんもご一緒に、全国をまわったのがこの巡業のきっかけです。

 

 

- 毎年恒例なっているトークコーナーについて

勘九郎さん:
思考錯誤してトークコーナーを1番最初に行うようにしました。
トークコーナーは、こんなスーツ姿で出ます。
初めて歌舞伎をご覧になるお客様には、歌舞伎ってどうしても敷居が高かったり難しいんじゃないか、江戸時代にできた演劇ですし、理解できないんじゃないかと思ってる方が多いので、こうやってスーツ姿で登壇して、普通のおじさんたち(笑)だよ、というのを伝えてあげると、その後にご覧なってくださる演目にすんなり入っていけるので、トークコーナーを行うのは1番いいなと思いました。

 

七之助さん:
質問コーナーでは、その土地の方々と交流もできるようになりました。
「おすめのお店は?」とか逆質問をしてみたり、そして中夜(ちゅうや)の間にそこのお店に行ってみたりと、とてもアットホームなトークコーナーです。

 

勘九郎さん:
コロナ禍の時には、それができなかったことを経験して、地元の方たちとお話ができるってのはいいなと思います。
先日もお子さんから「今、幸せですか?」という不思議な質問がありました(笑)
挙手制なのですが、お国柄が出るというか、積極的にバンバン上げていく土地もあれば、おとなしめなところもあったり、この地域の方はこういう感じなんだなというのを見られるのも楽しみですね。

 

 

- 演目 艶紅曙接拙(いろもみじつづきのふつつか) 紅翫(べにかん)の見どころについて

勘九郎さん:
紅翫という人は実際にいた方で、商人で多趣味な方で、お面をつけて三味線をひいて太鼓を叩いて街を練り歩いてたという、今では「あの人、見ちゃだめだよ」っていうような人なんですが、その人をモチーフにした作品です。
色々と物売りが出てくる、この物売りっていうのも今ではもちろん見かけないですし、虫売りがいたり、蝶々売りがいたり。蝶々売りと虫売りは、別なのかよとか(笑)
あとは朝顔売りとか、そういういろいろなものを売ってる人たちが出てくるのも面白さのひとつなんじゃないかなというのがあります。

 

 

- 演目 墨塗女は、大変貴重な演目ということですが…

七之助さん:
僕も生で観たことは もちろんございません。色々な流派がありますが、今回は猿若流でお見せします。
鶴松と3人でこうやって巡業で、舞踊だけではなくセリフもあってというのは、もしかすると初めてなんじゃないかと思います。
最後の締めにはぴったりの演目だと思いますし、初めて歌舞伎をご覧いただくお客様にもとても観やすく分かりやすいお話しです。
女のしたたかさや滑稽さを描くような至ってシンプルな作品で、気楽に肩の力を抜いて観ていただける作品となっております。

 

 

- この演目を選ばれた理由は?

勘九郎さん:
これはうちのマネージャーの宮川君が持ってきたんですよ。
(メディアのみなさんが一斉に後ろにいる宮川さんを見る)
今日の殊勲賞ですね(笑)
分かりやすい演目で、今までの工業でなかなかやらない演目という両方を兼ね備えていて面白いんじゃないかと思いました。

 

七之助さん:
前半に紅翫をもってくるっていうのも今 考えれば墨塗女は、初めて見る作品なので多分ワクワクして観てくださると思います。
紅翫はいつも歌舞伎好きで見てくださるお客様にはとても楽しい踊りで、いろんな演目の名場面みたいなところが出てきますから、通な方でも楽しめてすごくバランスは取れてる演目かもしれませんね。

 

- 墨塗女は元々ご存じでしたか?

勘九郎さん:
知りませんでした。キャラクターがしっかりしているというのが第一印象です。
狂言の墨塗からもってきたもので、しっかりキャラクターができていて、かつシンプルで短くて面白く、構成がすごくよくできていると思いました。
特に今回は花野という女性がしたたかで、綺麗な人で腹黒いキャラクターで、腹黒い七之助さんにはぴったりかなと(笑)

 

七之助さん:
やりがいはありますよね。この人はあまり深く掘り下げてなく漠然としてただ単に面白く、動きとかそういうところでコミカルに見せなくちゃいけない。
脚本には、深く人間性が描かれてなく、本当に好きなのか好きじゃないのかも描かれてませんし、帰って欲しいのか帰って欲しくないのかも分からないの状況のまま進んでいきます。
そのあたりをしっかりと自分たちの中でも固めてやってかないと難しいのかなと思います。
今回のキャラクターはみんな掴みどがない、それが面白いところだと思います。

 

勘九郎さん:
当たるか当たらないかは鶴松です(笑)

 

 

- 巡業で楽しみなことがあれば教えてください(楽しいニュース オリジナルの質問です)

勘九郎さん:
私たちにそれを聞くともうサウナしか出てこないんです(笑)
最近の楽しみは、各地各地のサウナ施設に寄るというのが楽しみひとつですね。
北九州・小倉は、中村座でもお邪魔している都市ですし、お友達もたくさんいるところなので、違う形で芝居を持っていけるのも楽しみの1つでもあります。

 

七之助さん:
まさしく同じで、サウナを楽しみにしています。
各地の美味しいご飯であったり、中夜の間で色々なところに散歩に出かけたりするので、それも楽しみです。

 

- ありがとうございました!

 

 

(取材: 森川 創)