気象予報士ランキング2016で、見事、総合第1位に輝いた 手塚悠介さんにインタビューをしてきました。今回は その後編です。番組出演と受賞について話していただきました。
現在ご出演されている番組について、教えていただけますか?
「まるごと」という夕方放送の情報番組と、そのあとに放送される「news every.(ニュース エブリー)」の静岡版のニュース番組、そして、「マルシェア」という朝の番組を担当しています。1日3つの生放送の番組を担当するということで、最初はハードでした(笑)
夕方放送している「まるごと」は、観てくださる方も多く、視聴率もトップになっている情報番組です。千原せいじさん、ずんの飯尾さん、やすさん、しゅくはじめさんなどタレントさんも多く出演されて、若い世代向けの楽しくて笑える番組です。ツイッターでも「#まるごとツイート」というハッシュタグが毎日のようにトレンド上位に入って、静岡内では盛り上がっている番組です。県外の方にも観てほしいと思ってます。ずんの飯尾さんのペコリーノというコーナーは、huluでも配信されるようになったんです。
「まるごと」のあとの時間に「news every. しずおか」を放送しています。今までニュースというと堅いイメージがありましたが、もちろんニュースはきっちり伝えるのですが、街の魅力を紹介したり、ぶらり旅をしたりといった、若い人向けにおしゃれでポップな情報を伝えるようなこともして、今までにないようなニュース番組になってきています。
朝に放送している「マルシェア」は、「まるごと」の朝バージョンのような番組です。この4月からは新人のアナウンサー3人が入ってリフレッシュして、若さがウリのさわやかな番組となっています。私がこの中で一番年上なので、気持ちは20代のつもりで天気予報を伝えていければと思ってます。
生放送の番組でハプニングなどはありましたか?
お天気を伝えることでは特になかったと思います。番組で、食レポとか、アナウンサーと一緒に あるモノを紹介したり、レポーターのようなことをやらせてもらっていますが、その中で、アナウンサーからムチャぶりされてモノマネをさせられたり、ハロウィンの季節に着ぐるみを着させられたリとか、そういう恥ずかしい思いをしたことはたくさんあります。最近は、バラエティー番組のタレントさんのような扱いになってきていますね(笑)
セノバという新静岡駅の商業施設から中継を行うようになってから、お天気の他にもいろいろなものを紹介するようになりました。半年前からは、街をぶらり旅するコーナーにも出るようになりました。徐々に仕事の幅が拡大している感じです。
番組をやって良かったことはありますか?
天気予報は、説明する順序が大切だと思っています。
営業のプレゼンテーションと同じで、構成をしっかり考えないと伝わるものも伝わらないと思いますので、順序立てて説明をする必要があります。
天気予報の原稿をあらかじめ用意しているわけではなく、その場でしゃべっているので、自分が伝えたかったニュアンスをうまく言葉で表せなかったという失敗があります。
その反面、うまくいったとき、ツイッターなどで「今日の手塚さんの説明、すごくわかりやすかったです。」とか「すごく勉強になりました。」「こんなの初めて知りました。」といった実際の視聴者のみなさんから生の声を聞けたときは、一番嬉しく、幸せを感じるときです。
自分でうまくしゃべれたと思っていても、うまく伝わったかどうかがわからないので、生の声が聞けたときに、今日の説明は成功だったと実感をもてる瞬間です。

最初からポンと答えを出してから説明を加えるというパターンと、徐々に説明をしていって、実はこういう答えですという、引き寄せてから答えを出すパターンのどちらかで、伝えるように心がけています。
コーナーの構成については、テレビ局ごとで違う雨や風の予想の情報と、自分が持っている材料をどうまとめ上げていくかという葛藤を毎日しています。
今回の気象予報士ランキングで総合第1位を獲得されてどう思われましたか?
単純に驚きました。え?まさか?自分が1位?と。全国のみなさんは、「誰だ、こいつは?」と思われたんじゃないでしょうか(笑)
静岡でしか番組は放送されていませんから、ランキング上位に食い込むことさえ思っていませんでした。上位は、在京キー局の方が占めていて、12、3番目あたりに地方局の方がランクインして、地方局の中で一番になれればいいかな~、ぐらいに考えていました。
1月下旬ぐらいに気象予報士ランキングをやっているという話はウェザーマップの情報網経由で聞いて知っていましたが、自薦エントリーはしていませんでした。その後、インフォビジョンさんのサイトを見つけた番組スタッフが推薦してくれたんです。その子のおかげです。
せっかくエントリーされたのだから、がんばろうと、ツイッターで視聴者のみなさんに呼びかけました。そうしたら、静岡で火がつきまして、2月13日の中間発表では、比連崎実さんや浅田麻実さんも上位に入っていて、静岡勢がすごいことになっていて、SNSのすごさを実感しました(笑)
番組を観てくださっている方々に、こんなに応援してもらえていることに、本当に感謝です。
普段もツイッターや中継先に来てくださる方に「いつも観てるよ。」と声をかけてもらい嬉しいですが、これだけ応援されていることを改めて実感しました。
これも静岡第一テレビのおかげです。きちんとした天気予報だけでなく、いろいろなことをやらせてもらうということで、私を面白くしてくれて、みなさんが親しみをもってみてくれるんじゃないかと思います。
今回の第1位受賞で、東京キー局から出演オファーがあったらどうされますか?
正直なところ、やってみたいです。気象予報士をやろうと決めたときに、そういう夢をもっていました。子供の頃、夕方の森田さんの天気予報を観ていましたので、東京の放送局で、できたらやりたいですね。キー局だから、というよりも家族や友達が関東にいるので、がんばっている姿を観てほしいなと思います。
母が、昨年、他界してしまい、残念ながら自分が天気予報を伝えている姿を見せることが叶わなくなってしまいましたが、できれば、父に私が仕事をしている姿を見せたいと思っています。
でも、静岡でもすごく良くしてもらっていますし、すごく応援してもらっていますので、心が揺れますね。実際、ランキングの発表以降、ツイッターでも、中継先に来てくださる方にも「東京、行かないで!」とよく言われるようになりました(笑)
もしそんな機会があるのなら、静岡の方が見られる番組であってほしいです。でも私はまだまだ未熟なので、今は目の前にある仕事を一生懸命やり、日々の天気予報を丁寧に伝えていきたいです。

最後に、今後の夢は何ですか?
夕方、天気を伝えているのをご覧いただいて、「今日もまた1日が終わるんだ」と視聴者の方に安心感をもってもらえるような存在になりたいです。天気に関わらず、いつも変わらない安心感というのが、あると思いませんか。
私が小さい頃は、森田さんの天気予報を見て、時間を感じるというか、「ああ~、今日も一日が終わっていくんだな」という感覚を持っていました。自分にとっての当たり前が当たり前に過ぎていく感覚です。だから私も、いつもそこにいる安心感を持ってもらえる人。そして天気が気になるときは、「手塚の天気予報を見よう」と思ってもらえる気象予報士になりたいです。
プライベートでは、自然が豊かな静岡の風景や、花や鳥を見たり、写真を撮ったり、最近、身体の衰えを感じているので、身体を復活させて、またサッカーをやりたいと思ってます(笑)
あらためて総合第1位受賞、おめでとうございました!
(撮影・編集: 森川 創)
関連リンク:
手塚悠介(てづかゆうすけ)さんプロフィール
http://www.weathermap.co.jp/caster/tezuka-yusuke/
静岡第一テレビ まるごと
https://www.tv-sdt.co.jp/marugoto/
静岡第一テレビ マルシェア
http://www.tv-sdt.co.jp/bangumi/index.php?mode=show_article&seq=52109
静岡第一テレビ news every. しずおか
http://www.tv-sdt.co.jp/nnn/area.html
ウェザーマップ
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