気象予報士ランキング2016で、総合第2位に輝いた 依田司さんにインタビューをしてきました。
今回は その後編です。気象予報士人気ランキング受賞や今後のことについて語っていただきました。
—– 続いて、気象予報士ランキング受賞について教えていただけますか。
最初にファンの人から「おめでとうございます!」という第一報を聞いて知り、投票結果を見てみたら、投票数が 3633票で「エーッ!すごいな~!」とびっくりしました。
投票してくれた人に ただただ感謝ですね。
私の出演する「グッド!モーニング」は、視聴者の年齢層が比較的高めで、あまりPCやスマホで投票してくれる人は少ないだろうなぁと思っていました(笑) それなのにこの投票数に本当にびっくりしました。
ランキング順位を見ましたが、私以外の1位から4位は 静岡勢なんですよね。
私も静岡には ゆかりがあって、大学4年間、静岡でしたし、「とびっきり!しずおか」という夕方の番組に予報士というよりもコメンテーターというかたちで、年に2,3回出演させてもらっていました。気象予報士ランキング第3位になった浅田麻実さんが出演されるようになってからは、一度も呼ばれなくなりましたけどね(笑)
地方局にとって、天気予報というのは自分たちが出せる強力なコンテンツのひとつなんです。キー局で放送するよりも長い時間、天気予報に時間を充てています。先日、ある地方に行ったとき、天気予報の時間を長くすればするほど、視聴率がとれるとテレビ局の人が言っていて、7,8分間のお天気を放送していました。

私の場合、関東地方中心に全国各地から中継していますので、他のキー局のお天気番組よりも地方局に近い親近感のある放送ができているかなと思っています。今朝も5時台の1回目の中継を観て、近所の方がたくさん集まってきていました。けっこうご高齢の方が多いんですが、みなさんフットワークいいです(笑)
番組が終わって、テレビ朝日に戻って、「グッド!モーニング」の次の番組「モーニングショー」の羽鳥慎一キャスターに会うと、「依田さん、今日の中継、面白かったですよ。」と言われることが多いです。天気が当たる、とかじゃなくって(笑) でも、私にとって、これは誉め言葉だと思っています。テレビは面白くなくてはいけないと。もちろん、台風や大雨の時などは真摯に伝えなくてはいけないですが、そうでないときは、テレビはエンターテインメントだと思うんです。まず、顔と名前を視聴者のみなさんに認知してもらって、次に、この人、ちょっと面白いって思ってもらえることで、「依田さん」の天気予報を観よう!につながると思います。番組プロデューサーさんが ある程度自由にやらせてくれて、本当にありがたいです。
—– ここでちょっと、インタビューに同席している番組プロデューサーさんにもご意見を聞いてみましょう(笑)
朝の番組の爽やかで楽しい雰囲気にぴったりと合っていると思います。依田さんは、朝の顔として欠かせないです。内容に関しては、ディレクターよりも頼りになる感じです(笑)
(※以上、番組プロデューサーさんのコメントでした。)
—– 放送を観ていると、メモも見ずに軽やかに話されていてすごいですね。
お天気部分については、まったく原稿がなくて、話す内容は全部、頭の中に入っています。
基本的には、間断なく変化して続いていく1週間分の天気が頭に入っています。
当日とその先の1週間の天気を、今入ってきた最新情報と付け合わせて、変わった部分を修正します。その日の放送では、修正した最新情報をお伝えしています。
頭の中にある天気図の映像を観ながら、しゃべる、という感じです。
このやり方は、古舘伊知郎さんから教わりました。古舘さんは、単語を50個ぐらい並べて覚えてしまいます。言葉ではなく、映像で覚えて、それをつなげていくそうです。
原稿を読むと、視聴者のみなさんには伝わりません。人と話してるように天気予報を伝えるようにしています。

—– それで噛まないんですね。
いえ、噛みますよ(笑) 先日、小学校の出前授業で、「本番中に噛んだらどうするんですか?」と小学生に生意気に質問されました(笑) そのときは、「きみね、噛むなんて、小さいことなんだよ。噛むことよりも伝えるということが大切なんだよ。」とピシッと答えました(笑)
アナウサーではないので、噛むのはしかたがないかなと思っています。それよりも、伝えるということに重きを置いています。
—– 噛む以外の失敗談は何かありますか。
話す内容を起承転結のようにひとつのストーリーとして考えているのですが、第3パートと第4パートの話の順序が逆になってうまく伝わらなかったと思ったことがあります。
あとは、中継現場に到着が間に合わなかったことがあります。大雪で通行止めになって、目的地にたどり着けずに、途中にあった駅前から中継したことが何回かあります。
中継車から衛星経由で電波を送信するのですが、大雨やあまりにも厚い積乱雲があると電波障害が発生して、電波が届かないというトラブルも3,4回ありました。

—– 番組をやっていて良かったことは何ですか。
スタジオを飛び出して、中継をするというスタイルは非常に良いと思います。
私がしゃべって伝えなくても、空の色や風が強く吹いているといった状況が映像として伝わるのが良いですね。視聴者の皆さんに会えるのもありがたいです。実際に観てくれている人がこんなにいるんだということがわかりますし、一方通行の放送ではなく、観てくれている人たちに向かって放送をしなくては、ということを身をもって感じさせてくれます。いま会える気象予報士「依田色クローバーZ」を目指しています(笑)
—– この春から放送開始の新番組「サタデーステーション」について教えていただけますか。
高島彩さんをMCに迎え、ディーンフジオカさんとともに、土曜日の夜に毎週放送しています。人が動いている時間帯の放送ということもあり、「土曜日の夜の人の流れを見せたい」という中継コンセプトで、人が多く集まる場所から中継するようにしています。夜ということもあり、きれいな夜景も楽しんでいただけると思います。
実は、これまで担当した「スーパーJチャンネル」も「やじうまテレビ」(※現 グッド!モーニング)も出演当初の視聴率はどん底(笑)だったのですが、今は、トップ争いをするほどに伸びてきています。この「サタデーステーション」は、スタート時からまずまずの視聴率ですから、番組が認知され視聴習慣がついてきたら、テレビ朝日の報道番組の中で一番の視聴率を取るのではと強く思っています。
—– 健康維持について、日ごろから気をつけていることはありますか。
基本的には「寝る」ことです。グッド!モーニングは、早朝の番組なため、遠出する時は深夜1時に起床しなければならないので、自宅で寝る時間は短いですが、2時間程度、昼寝をしたりして、うまく「分眠」しています。
あとは、午後にジムに行って汗を流したりしています。体を動かすとよく眠れますし。

番組としてやってみたいことは、47都道府県を制覇することです!
番組のスタッフルームに地図があって、制覇したところは色を塗りつぶしていっています。
番組以外では、お天気キャスターとして考えられることはすべてやらせてもらった気がしています。ありがたいお天気キャスター人生を歩ませてもらっています。
やりたいと思っていることは、2つあって、その1つが CMに出ることだったのですが、去年、女優の佐々木希さんとロッテのど飴のCMで共演して、それも叶いました。
もう1つの夢は、いつか南極に行ってみたいということです。 子供の頃、お天気おじさん以外に、南極観測隊員にもあこがれていました。よく講演会で、地球温暖化の話をするのですが、実際に南極に行って、地球温暖化が進んでいるのかを自分の目で確かめたいです。
うちのディレクターが南極取材の企画書を書いて、それが企画として通れば、晴れて南極に行くことができて、お天気キャスターは引退です(爆笑)
(※そばでインタビューを聞いていた番組ディレクターさんがそれは困ります、と笑いながら反応していました。)
—– あらためまして、総合第2位受賞、おめでとうございました!
—– おまけコーナー: (写真撮影をしながら)身長も高いですね。


一昨年、健康診断をしたときに、身長が1センチ、伸びたんです。公称181センチと今まで言っていたのですが、182センチになっていました。この年で伸びるって、すごいですよね(笑)
去年、夏のイベントで、「気象予報士 身長ナンバー1」を決めようということで、私と蓬莱大介くんと背比べをしたのですが、私のほうが 2センチぐらい高かったです(笑)
ナンバー1といえば、ウェザーニューズで去年開催した「お天気ダービー」でも予報的中率もナンバー1を獲りました。
今年は、気象予報士ランキング2017で総合1位を獲得して、名実ともに NO.1 気象予報士を目指しますよ!!!
(撮影・編集 森川 創)
関連リンク:
テレビ朝日「グッド!モーニング」
http://www.tv-asahi.co.jp/goodmorning/
テレビ朝日「サタデーステーション」
http://www.tv-asahi.co.jp/ss-st/
ウェザーニューズ
ウェザーニューズ お天気ダービー 結果発表
http://weathernews.jp/s/topics/201611/060155/