
アイスティーの発祥の地をご存知ですか? 実はアメリカなのです。
その由来ですが、1904年にアメリカのセントルイスで開催された万国博覧会にて、イギリスの紅茶商リチャード・ブレッチェンデンが暑さの中でホットティーを勧めましたが、売れ行きが芳しくありませんでした。
そこで苦肉の策として紅茶を氷で冷やして提供したところ、たちまち人気を集め、これがきっかけでアイスティーが全米に普及したとされています。
米国では 6月10日が「ナショナル・アイスティー・デー」として親しまれており、日本紅茶協会もこれにならい、同日を「アイスティーの日」として記念日登録いたしました。

日本紅茶協会 会長 藤井洋さん

「アイスティーの日」の記念日登録証
藤井さん:
日本紅茶協会は1939年の設立以来、紅茶の普及と発展に取り組んでまいりました。
昨年、アメリカの記念日に合わせ、6月10日を「アイスティーの日」として登録いたしました。
これは1983年に制定した「紅茶の日(11月1日)」に続く、約40年ぶりの新たな記念日となります。
6月は気温の上昇とともに冷たい飲み物への関心が高まる季節です。
アイスティーは単に冷たくした紅茶ではなく、抽出方法やアレンジ、食事との組み合わせなど、多彩な楽しみ方があります。

日本紅茶協会 宣伝委員長、武田一也さん
武田さん:
「第3次紅茶ブーム」という観点からお話しさせていただきます。
現在、日本市場では「ヌン活(アフタヌーンティー活動)」の浸透や若年層のカフェ文化定着を背景に、第3次紅茶ブームが到来しています。
当協会では3年前から議論を重ね、消費機会の創出を目的に6月10日を「アイスティーの日」と定めました。
第3次ブームには4つの大きな要素があります。
台湾系・シアトル系カフェでの定着:タピオカミルクティーの流行以降、スターバックスの紅茶専門店やタリーズの「&TEA」など、カジュアルに紅茶を楽しむ場が広がりました。
若年層の支持:調査によると、10代・20代の約38%が紅茶を好んでおり、コーヒーよりも馴染みやすい飲み物として受け入れられています。
ヌン活とおうち需要: コロナ禍での「ご褒美消費」として、ホテルのアフタヌーンティーや、家庭で手軽に楽しめる商品が人気です。
コンビニのカウンターティー: 2,000店舗以上で展開されており、本格的な味を身近に楽しめるようになっています。
また、近年は「和紅茶(国産紅茶)」も非常に盛り上がっており、15年前と比べ流通量は11倍以上に増え、今や全国47都道府県で生産されています。
さらに、アイスティーの新たな価値として「食中茶」としての可能性をご提案します。
紅茶ポリフェノールには、脂っこい食事の後にお口の中をすっきりさせる「洗い流す効果(乳化作用)」があることが、日本獣医生命科学大学の研究でも示されています。
■日本紅茶協会認定ティーインストラクターの一ノ瀬友香さんによる本当に美味しいアイスティーの作り方

日本紅茶協会認定ティーインストラクター 一ノ瀬友香さん
一ノ瀬さん:
ティーバッグを使った「オン・ザ・ロックス方式」のアイスティーのいれ方をご紹介します。
美味しい紅茶をいれるには、イギリス式の「ゴールデンルール」のポイントが4つあります。


ポットを使う: あらかじめ湯通しして温めておきます。鉄分は色を黒くするため鉄瓶は避けます。
分量を守る: ティーバッグ1つに対しカップ1杯分が標準です。
沸騰したての新茶の熱湯を使う: 5円玉大の泡がボコボコ出ている100度の熱湯が、ポリフェノールを抽出するのに最適です。
蒸らす時間: タイマーできちんと時間を計ります。
アイスティーを作る際は、氷で薄まることを考慮し、お湯の量を半分にして2倍の濃さのホットティーを先に作ります。
ここで注意したいのが、冷やした時に白く濁る「クリームダウン」という現象です。
これはカフェインとタンニンが結合して起こりますが、気になる方はタンニンの少ないニルギリやアールグレイを使うのがおすすめです。
抽出が終わったら、たっぷりの氷が入ったグラスに、氷に当てるように一気に注ぎます。
急激に冷やすことで、香りと味を閉じ込めることができます。
■アイスティーの作り方
〈材料〉(4杯分)
・ティーバッグ4つ
・熱湯 300cc
〈作り⽅〉
① 温めたポットに 2 杯分(300cc)の熱湯を⼊れる。
② ティーバッグを4つ⼊れ、蓋をして1〜2 分蒸らす。(2倍の濃さの紅茶を作る)
③ 時間がきたらティーバッグを数回振って静かに取り出す。
④ グラスに氷をたっぷり⼊れ、2倍の濃さの紅茶を氷に当たるように静かに注ぐ。

アーノルド・パーマーを作る一ノ瀬さん

アイスマンゴーティーを作る一ノ瀬さん
また、アレンジメニューも2つご紹介します。
アーノルド・パーマー: レモネードとアイスティーを1対1で混ぜた、アメリカで人気の爽やかなドリンクです。
アイスマンゴーティー: マンゴーソースの上に氷と紅茶を重ねる、見た目も華やかなセパレートティーです。
■アーノルド・パーマーの作り方
〈材料〉(グラス1杯分)
・はちみつ 15g
・レモン果汁 15cc
・⽔ 50cc ほど
・アイスティー⽤ 2 倍濃度の紅茶 50cc ほど
〈作り⽅〉
① グラスにレモン汁とはちみつを⼊れ、まぜて溶かす。
② 好みの濃さに⽔を⼊れてレモネードを作る。
③ グラスに氷を⼀杯に⼊れて、2倍の濃さの紅茶を氷に当たるように静かに注ぐ。
■フルーツ セパレートティー(マンゴー)の作り方
〈材料〉(グラス1杯分)
・マンゴーソース 40g
・アイスティー⽤ 2 倍濃度の紅茶 50cc ほど
〈作り⽅〉
① グラスにマンゴーソースを⼊れる。
② グラスに氷を⼀杯に⼊れて、アイスティー⽤の2倍の濃さの紅茶を 氷に当たるように静かに注ぐ。
参加したメディアのみなさんにもストレートアイスティー、アーノルド・パーマー、アイスマンゴーティーがふるまわれ、試飲しました。

左からストレートアイスティー、アーノルド・パーマー、アイスマンゴーティー
正しい作り方で作られたストレートアイスティーは雑味のないすっきりとした味でした。
アーノルド・パーマーは、レモンの酸味がしっかりと感じられ、また、はちみつの甘みや香りもあって夏らしい味に仕上がっていました。
アイスマンゴーティーは、マンゴーの甘みやまろやかさが印象的な味でした。
■ペアリング体験

豚骨ラーメンと唐揚げが提供されて、アイスティーとのペアリングを行いました。
豚骨ラーメンと唐揚げを食べたあとにストレートのアイスティーを飲んでみると、口の中がさっぱりして、次の一口がより美味しく感じられるようになりました。
武田さん:
紅茶の渋みが脂分を流してくれる「洗い流す効果」を実感いただけたかと思います。
■日本紅茶協会の活動について

日本紅茶協会 専務理事 秋庭浩平さん
秋庭さん:
当協会は生産国や官公庁と連携し、普及活動や人材育成を行っております。
主な活動として、11月1日の「紅茶の日」記念セミナーや、各国大使館と連携した文化交流会を年10回ほど実施しています。
また、「ティーインストラクター」などの養成事業も行っており、最近では子供食堂での支援や大学サークルへの指導など、若い世代との繋がりも重視しています。
夏には有楽町でアイスティーのサンプリングイベント(2026年は7月2日・3日)を予定しており、約2,000名の方に楽しんでいただく予定です。
また、1988年から続く「美味しい紅茶の店」認定制度では、現在全国267店舗を認定しており、定期的に覆面調査を行って品質の維持に努めています。
これからも紅茶を通じて、豊かな時間をお届けできるよう活動してまいります。
■質疑応答セッション
- 日本紅茶協会の構成メンバーはどのような方々ですか?(楽しいニュースからの質問です)
秋庭さん:
日本の紅茶メーカー、輸入業者、パッケージメーカーなどのほか、インド、スリランカ、ケニア、トルコの4カ国の政府機関(ティーボード)が特別会員として加入しています。基本的には民間の団体です。
- アイスティーが若年層に受けている理由は?
武田さん:
ひとつはビジュアルや味わいのアレンジが効く点です。
もう一つは、コーヒー特有の苦味が苦手な世代にとって、紅茶は渋みはあっても馴染みやすく、カジュアルにゴクゴク飲める点が大きいと考えています。
- コーヒー豆が高騰していますが、紅茶の供給や価格の安定性はどうですか?
また、ペットボトルとリーフティーではどちらが伸びていますか?
武田さん:
紅茶もオークション相場は右肩上がりですが、コーヒーのような投機対象になりにくいことや、葉を収穫する農作物として気候変動の影響を比較的受けにくいため、コーヒーに比べれば上昇は緩やかで安定しています。
市場動向については、全体として金額ベースで105%ほど伸びており、特にティーバッグや飲料が好調です。
一方で、リーフティーは手間や価格上昇の影響で、数量ベースでは苦戦しているという課題もあります。
- 水の違いによる味の差はありますか? 和紅茶は軟水の方が美味しいのでしょうか?
一ノ瀬さん:
紅茶の成分は軟水の方が出やすいため、日本の水道水(軟水)は非常に適しています。
武田さん:
和紅茶は海外のものよりデリケートで丸みのある味わいが特徴ですので、その繊細さを引き出すにはやはり軟水でいれるのがベストだと考えております。
【アイスティーの日 メディア説明会&試飲会】
開催日: 2026年6月10日(水)
登壇者(登壇順):
MC 中村 亮子さん
日本紅茶協会 会長 藤井洋さん
日本紅茶協会 宣伝委員長 竹田一也さん
日本紅茶協会 専務理事 秋庭浩平さん
ティーインストラクター 一ノ瀬友香さん
内容:
・紅茶に関するプレゼンテーション
・アイスティーの実演&体験①
紅茶のプロが教える!「おいしいアイスティーのいれ方」
アレンジメニュー「アーノルド・パーマー」「アイスマンゴーティー」
・アイスティーの実演&体験②
「紅茶(アイスティー)」の食中茶としてのペアリング提案
・紅茶の普及活動について
日本紅茶協会とは
「紅茶協会」は1939年に設立、戦後1971年に「日本紅茶協会」が現在のかたちで再発足、国内唯一の紅茶関連事業者団体として今日に至っています。
紅茶の消費拡大及び販売促進を図り、紅茶産業の健全なる発展に寄与することを目的として活動しています。
(取材: 森川 創)







