
KATE「陰影メイクグローバルプロモーションメディア発表会」が本日 7月8日に開催されて、歌舞伎役者 尾上右近さんが登壇されてトークを繰り広げました。
■KATE「陰影メイクグローバルプロモーションメディア発表会」全記録
開催日: 2026年7月8日(水)
会場: 歌舞伎座タワー5F 歌舞伎座ホール
登壇者:
KATEブランドマネジャー 岩田有弘さん
KATE商品開発担当 林香里さん
ゲスト:歌舞伎役者 尾上右近さん
MC:野口菜菜さん

MC 野口菜菜さん
■KATEブランド戦略について

KATEブランドマネジャー 岩田有弘さん
岩田さん:
ケイトが日本発のメイクブランドとして、これからアジアへ向けて発信していく新たな挑戦についてご紹介をさせていただきたいと思います。
今回の発表では、ケイトが大切にしてきました美意識、この美意識をどのように世界へ届けていくのか、その新しいコミュニケーションについてお話しさせていただきます。
今回の挑戦の前提としてケイトが大切にしている「メイクによって心が動く瞬間」です。
ただ綺麗に見せるのではなく、自分の意思や気分をメイクで表現したくなる。
今回のグローバルプロモーションでも、見た人の心が動き、自分も変わってみたい、そして自分らしく表現してみたいと感じられるコミュニケーションを目指しています。
その根底にあるのが、ケイトのブランドスローガンであります「NO MORE RULES.」です。
その「NO MORE RULES.」という思想を日本だけでなくアジアへ広げていく。
その先にケイトが目指すのが、アジア圏を代表する、東京発のメイクブランドです。
ケイトが持つ価値は、クール・シャープなメイクスタイルと、自分らしさを解放するブランド思想です。
アジア初、東京初ならではの美意識で、世界のメイク市場に新しい選択肢を提示していきたいという風に思っています。
では、その東京初ならではの美意識とは何か? 次に、ケイトの原点についてお話しさせてください。
ケイトの原点であるのは、影に美しさを見出す日本古来の美意識です。
光だけでなく、影があるからこそ顔立ちが立体的に見える。その人らしい表情や意思が、より強く浮かび上がる。
ケイトはそうした考え方を元に、光と影を駆使して立体感を作る「陰影メイク」というものを磨いてきました。
目元メイクの先駆者として、外見の印象だけでなく、気持ちまでも前向きにする。
その積み重ねが一人ひとりの個性を解放する、ケイトの「NO MORE RULES.」という思想に繋がっています。
このケイトらしい美意識を軸に、ブランドは国内で着実に成長してきております。
日本国内、そして海外においても成長を続け、売上高に関しましても過去最高を更新しております。
その成長を支えてきたのは、商品に加え、今お見せしているケイトらしいコミュニケーションの積み重ねかなという風に考えています。
2025年から今年にかけて、アニメ、エンタメ、カルチャー、そして話題性のある商品を通じて、ブランドの鮮度と熱量を高めてまいりました。
その次の挑戦としてケイトが着目したのが、日本が受け継いできた表現文化「歌舞伎」です。
歌舞伎の「型」とケイトの「個性」、この2つの掛け合わせによって、日本の美意識を現代のメイク表現へと進化させていきたいという風に考えております。
今回の取り組みは、ケイトが日本の美意識とカルチャーをアジアへ広げていくグローバル戦略の一つという風に考えております。
ケイトのグローバル戦略の核となるのは、「日本の美意識とカルチャーをアジアへ」という考え方です。
私たちが届けたいのは単に商品だけでなく、やはり日本ならではの美意識や表現、カルチャーをケイトらしい価値に変えて届けていくことだと捉えております。
その目的は、グローバル展開の加速、ブランドの向上、新しいターゲットとの接点作りです。メイクだけでなく、ジャパンカルチャーとの接点を通じて、新しい生活者を巻き込んでいきたいという風に思っております。
では、その価値をどう発信していくのか。ケイトはカルチャーとコンテンツの掛け合わせで展開していきます。日本発のアート、音楽、アニメ、人、社会、こうしたクールカルチャーにケイトらしいシャープな表現を掛け合わせることで、国境を超えて共感されるブランド価値を作っていく。
そして今回、その中心に選んだのが歌舞伎でございます。
ケイトと歌舞伎には、共通する2つのDNAがあるという風に捉えております。
ケイトは「NO MORE RULES.」というスローガンのもと、既成概念に囚われない個性と自信を引き出してきました。一方、歌舞伎には400年以上の伝統を受け継ぎながらも、時代と共に進化し、自らの意思を貫く精神があります。
さらに、表現の面でも共通点があります。ケイトの陰影メイクは光と影を操り、その人の内側にある意思を引き出す。歌舞伎の隈取は、光と影、色の力で役柄の本質や感情を顔に描き出す。
時代は違っても、顔を通じて意思を表現する、そういった本質は同じかと捉えています。
だからこそ今回のプロモーションで、ケイトと歌舞伎は一つに繋げられるという風に確信しております。
今回ケイトが掲げる言葉は、「KABUKE 型破りであれ。」です。
これはただ奇抜であろうという意味ではなく、常識に囚われず、人と違うことを恐れず、自分らしさを貫くことです。
歌舞伎に息づく「傾く(かぶく)」という精神には、自分の意思を持ち大胆に表現する力があります。
ケイトが大切にしてきた「NO MORE RULES.」にも同じ思いがあります。
今回ケイトはその思いを、「KABUKE 型破りであれ。」というメッセージに込め、ビジュアルやメイク表現へ落とし込んでいきます。こちらが今回のプロモーションを象徴するキービジュアルです。
今回、ケイトは歌舞伎俳優の尾上右近さんを起用させていただきました。
このビジュアルでは、歌舞伎の持つ力強さや凛とした美しさに、ケイトらしいクール・シャープな世界観を掛け合わせ、作り上げています。伝統をそのまま再現するのではなく、歌舞伎に息づく「かぶく精神」を現代のメイク表現として再解釈してみました。
ここから、その表現の核となります隈取と陰影メイクの繋がりについてご紹介させていただきます。
歌舞伎の隈取は、光と影、色の力で役柄の本質や感情を顔に描き出す表現です。
一方、ケイトの陰影メイクは、光と影で骨郭を際立たせ、その人の内側にある意思を引き出す表現です。
どちらにも共通しているのは、メイクが単なる装飾ではないということです。
顔に色を乗せるだけでなく、その人の意思や感情、存在感を顔に宿す。
ケイトはこの考え方を現代のメイクとしてより多くの生活者へ届けたいということで、今回のプロモーションを考えております。
さらに今回ケイトが着目したのが、隈取の中でも青の「藍隈(あいぐま)」です。
隈取は色によって役柄の性格や感情を一目で伝える記号のような役割を持っています。
赤は正義や勇ましさ、青は強い敵意や冷徹さ、圧倒的な存在感を表します。
中でも藍隈は強烈な個性と見る人を引きつける迫力を持つ表現です。
ケイトはこの藍隈の表情を、現代メイクに落とし込んでみました。青のニュアンスで透明感と奥行きを引き出し、意思を感じる「生影(なまかげ)」を生み出す。
ここにケイトらしい陰影メイクの進化があるという風に考えています。
そして今回、この考え方を実際のメイクとして体験するのが、こちらの陰影メイクアイテムです。
ケイトが今回届けたいメイクの考え方を商品として形にしたものになります。
そして、このプロモーションは日本だけには留まりません。
日本発のメイク文化として、アジアの生活者へ陰影メイクを広げていきます。
ケイトが目指すのは商品を届けるだけでなく、やはりケイトらしい美意識そのものを伝えていくことです。
日本のメイク文化として、メイクをアジアへ。この取り組みを通じて、KATE TOKYOの存在感をより強くしていきます。
最後に今回のメッセージをもう一度お伝えします。
「KABUKE 型破りであれ。」 日本が受け継いできた美意識をケイトらしいメイク表現へ。
そして東京からアジアへ。ケイトはこれからもルールに縛られない美しさをグローバルで発信していきます。本日はありがとうございます。
■新商品概要説明

KATE商品開発担当 林香里さん

リアルシェードスティック
林さん:
私からは今回の新商品についてご紹介いたします。
今回のグローバルプロモーション「KABUKE 型破りであれ。」の世界観を体現する新商品が、こちらの2品です。
まずご紹介するのは「リアルシェードスティック」。
青みニュアンスの影色で、透明感とリアルな「生影」を生み出すスティックタイプのシェーディングです。カラーは全1色展開、価格は税込1,650円です。
シェーディングは、顔に立体感を生み出す重要なアイテムです。
特に、輪郭だけでなく、人中や鼻筋、口角周りなど、より細かい部分に影を仕込みたいというニーズが、美容関心層を中心に高まっています。
しかし一方で、「影の加減が分からない」「色味が合わないと顔から浮く」といった理由から、シェーディングを難しいと感じている方も多いようです。
そこで今回ケイトが考えたのが、「一さじの青みで作るリアルな影」です。
影色にほんのり青みを忍ばせることで、自然な陰影を仕込めるシェーディングを開発しました。ポイントは2つあります。
まず1つ目は、超リアルな「生っぽい影」を作るカラー設計です。
青によって人はより奥行き感を感じやすいという視覚効果を使うことで、肌に溶け込む透け感発色に仕上げながらも、一さじの青みニュアンスがあることで、淡い色でもしっかり陰影感を感じられる設計となっています。
2つ目のポイントは、青みニュアンスによる透明感アップです。
青みの影によって肌をくすませず、自然でリアルな影を作り、さらに肌の黄みを抑えることで透明感を引き出します。
このようにケイトは、青の効果により使いやすさとリアルな陰影を両立したシェーディングを実現しました。
事前にお使いいただいた方からも、「シェーディングをすると黄みが出てしまうのが悩みでしたが、この商品は自然に影を仕込めて顔から浮かない」といった評価を頂いています。
使い方は簡単で、2~3ミリほど繰り出し、画像の図のように鼻筋や鼻先、フェースラインなど影をつけたい部分に直接乗せて、指でぼかして馴染ませます。

スムースフィットプレストパウダー
林さん:
次にご紹介するのが「スムースフィットプレストパウダー」です。
秒速サラサラ、毛穴補正し、1日中テカりにくい仕上がりを叶える、極薄のプレストパウダーです。
透明感のある滑らかな仕上がりを実現します。全2色展開で、価格は税込1,760円です。
こちらは仕上がりのイメージです。左側が、微細なブルーパールを配合しているラベンダーカラー。
透明感を引き出し、トーンアップした仕上がりを叶えます。今回のグローバルプロモーションのメインとなるカラーです。
右側がトランスルーセント。自然に透明感をアップするクリアカラーです。
このプレストパウダーですが、「高い持続力」「毛穴補正」「透明感」、この3つを同時に叶えます。
それを叶えるのが、この「透明ノイズ除去」処方です。
まるで透明なヴェールのような、透明感の高いパウダーで、毛穴や凹凸といった肌ノイズをカバーするという、これまでにない発想のもと生まれました。
開発にあたり、まず着目したのはフェイスパウダーに求められる機能です。
テカりや汗によるメイクの崩れにくさはもちろん、毛穴補正や透明感など仕上がりのニーズが高く、市場においてもサラサラな仕上がりと高い補正力を持つパウダーへの人気が高まっています。
一方で、そうしたニーズを満たそうとすると、別の課題も見えてきました。
「補正力の高さを重視すると粉っぽくなってしまう」、また逆に「自然な仕上がりを重視すると補正力に物足りなさを感じる」といった声です。
この悩みを全て解決するために今回採用したのが、「透明ノイズ除去」処方です。
この手法のポイントの1つ目、「瞬間馴染みパウダー」です。上段が瞬間馴染みパウダー、下段が当社の従来のパウダーになりますが、従来のものと比較してもふんわりと肌に溶け込み、白浮きせずに透明感がアップして見えるのが特徴です。
また、2つ目のポイントは「ノイズ除去パウダー」です。毛穴の凹凸を瞬時にカバーしながら、テカりを防ぎ化粧持ちもアップするパウダーを高配合しています。
これらを合わせた透明ノイズ除去処方により、サラサラで高い持続力がありながらも、毛穴・凹凸を補正し、さらに透明感までも叶えます。
こちらは、透明ノイズ除去処方による仕上がりをAIで評価した画像です。
まず左側の透明感を検証した画像をご覧ください。赤枠が新商品の結果で、赤が強いほど透明感が高いことを表しています。
また右側は肌表面の滑らかさについて検証した画像で、こちらは赤が強いほど均一で滑らかな仕上がりであることを表しています。
このように透明ノイズ除去処方により、肌にすっと馴染みながら透明感と高い補正力を両立していることがわかります。
最後に、これらの新商品を使って表現した陰影メイクをご紹介します。
4種の隈取をモチーフとし、陰影メイクに今回落とし込んでいます。
青のニュアンスで透明感と奥行き感を引き出し、意思を感じる生影を生み出す。
このケイトらしいメイクを是非楽しんでいただけたら幸いです。
岩田さん:
今回、尾上右近さんをCMに起用させていただきました。
右近さんは、歌舞伎の伝統を受け継ぎながら現代的な表現にも挑戦されている方です。
ケイトが大切にしている「NO MORE RULES.」や今回のテーマであります「かぶく」という精神を表現する上で、右近さんがふさわしい、右近さんしかいないという風に思いまして、起用をさせていただいております。
■尾上右近さんトークセッション
新CM上映上映後、尾上右近さんがパネルを突き破って豪快に登場。見得を切るような動きを披露しました。

尾上右近さん
- 登場シーン、ものすごい「型破り」でしたね。
尾上さん:
びっくりさせてすいません。尾上右近です。
今回のこの新CMに出演させていただいて、とても嬉しく思っております。
まあ、子供の教育には良くないかもしれないですけども(笑)
「型を破って出てくる」という演出をいただいたんでやりましたけど、リハーサルがあったんですね。
一回やれると思ったら、実はぶっつけ本番だったんで、ちょっとドキドキしてましたけども、おかげさまで無事に出られました(笑)

- さすが一発で決めていただいて、ありがとうございます。
会場からも「おおーっ」と声が上がりました。今回のCMの見どころを教えていただけますか?
尾上さん:
ケイトさんのかっこよさ、そして歌舞伎のかっこよさ…僕のかっこよさは一旦置いといて(笑)
とにかく日本文化のかっこよさを感じていただける、ジャパニーズのかっこよさを感じていただける、ケイトさんならではの新CMだなっていう風に感じてます。

- 岩田ブランドマネジャーも、「右近さんしかいない」という風に先ほどおっしゃってました。
右近さんのかっこよさも相まって、素敵なCMに仕上がっているかと思いますけれども CMで一番見てほしいと思うところはどちらになりますか?
尾上さん:
色んなところを見ていただきたいとは思いますけれども、特にやっぱりこの「メイク」ですかね。
今日もCMの中と同じメイクをさせてもらって登場させていただいてますけども、CM用に今回開発されたオリジナルのメイクで、この「曲線と直線の組み合わせ」。
これも歌舞伎もそうですけども、やはりこう「緩急」というか、日本の、押し引きだったりとか、足し算するだけでなく引き算もあったりとか。
その「塩梅」というものは日本人ならではの独特の美的センスだと思うんですけど、そういう要素が詰まった、そして現代でしか表現できないこのメイクっていうところが、一つの大きな魅力だなという風に感じてます。

- すごくかっこいい、クールなメイクですよね。
ご自身でお顔を見ていただいて、このメイクをした時の初めての感想はいかがでしたか?
尾上さん:
僕ら歌舞伎俳優は、基本的には舞台に出る時には自分でお化粧するんですね。
「顔をする」という風に言いますけど、自分でメイクをするのが当たり前なんです。
一方で、メディアなどに出る時にはメイクさんにメイクをしていただく。
それは素顔に近いメイクなんですけども。
今回に関しては、この「アートメイク」という、アートとメイク。
メイクというものは僕の認識では、自分の骨郭に寄り添った自然体の中で、自分の魅力を引き上げていくものだと思うんです。
それにプラスアルファの「アート」の要素。これは「飛躍」という意味だと思うんですよね。
このCMの中でも一つ大きなテーマだと思うんです。その飛躍することによって、何か遠いところに連れて行ってくれる。
自分を「非日常」的なところに連れて行ってくれる。日常を生きる人間にとって、非日常というのは一つの憧れでもありますし、光のようなものだと思うんで。そういう部分を感じさせてくれる要素が詰まったメイクだなという風に感じてます。
まさにグローバルに開けていく、という感じですよね。

- 歌舞伎とKATEのコラボの狙い、また歌舞伎との親和性、精神性などについて右近さんが感じている点はどんなところでしょうか?
尾上さん:
歌舞伎というのは江戸時代から伝わる日本の伝統芸能でありますけれども、やはり言葉にはできない、このアートだったりメイクっていうものもそうだと思うんですけど、言葉を超えた表現。
音楽や色といったものに関しては、人間にとって言葉以上の情報があると思うんですね。
その部分という意味で言うと、言葉にできない衝動的なものだったり、反骨だったり、興奮だったり。
ルールに囚われない自由な発想、自由な存在感。人と違うことを楽しむ勇気みたいなものが歌舞伎の持つ魂だと思うんですけど、それとケイトさんのブランドコンセプトである「NO MORE RULES.」という部分は、すごく重なる部分があると思うんですよね。
人と同じことをやる安心感よりも、人と違うことをやる興奮や快感に行ってみないか? という。
これもまた一つ、非日常に対しての憧れだと思うんですけど、そこに持っていける存在っていうことは、すごく親和性が高いんじゃないかなっていう風に思ってます。

- 「勇気を添えてくれる」感じですね。
今回は「KABUKE 型破りであれ。」というキーメッセージと共に世界に発信していくということですが、先ほどの登場シーンも改めてになりますが、本当に「型破り」でしたよね。
尾上さん:
恥ずかしいですね。何度も言われると(笑)

- 私も何度もこういう記者発表会の司会をさせていただいてるんですが、壁を破って登場されるというのは本当に初めてで。
尾上さん:
会場の皆さんは、ここ(パネル)を破るって聞いてたんですか?(笑)
ちょっと怪我してはいけないので、さらっと流していただきたいなと思いますけれども。

© SHOCHIKU

- メイクについても右近さんのご意見を聞いていきたいなと思います。
こちらのボードに書かれているメイクは、歌舞伎の化粧法である「隈取」をモチーフに作られておりまして、ケイトオリジナルの「歌舞伎アートメイク」が上段となっております。
続いて、ケイトの「陰影メイク」が下段となっております。今回の新商品はこの隈取から着想を得ております。
ケイトはこの4種類の隈取をモチーフに、日本の伝統美を現代的に解釈した「歌舞伎アートメイク」と、日本の美意識である「影の美しさ」から着想を得たメイクへと昇華いたしました。
右近さんは、この4種類の中で特にお気に入りのデザインはございますか?
尾上さん:
どれも魅力的で。元々、歌舞伎の隈取っていうのは、単なるアートということとはまた違う人間の骨郭の血管とか、こめかみ、頬骨、そういう骨郭や血管、人間が元々持っているものに寄り添った上で、それを誇張するというのが隈取の意味合いなんです。
赤は正義で、青は人間ではない力だったり悪だったり、という風に住み分けがあるんですけど、そんな中でどれも魅力的で、独特の表現でまさに「NO MORE RULES.」だと思います。
この「公家荒れ隈(くげあれぐま)」と言われる、青いメイクですね。
これなんかは、僕もCMの中で青い隈取をさせてもらってますが、これは「公家悪(くげあく)」という、人間ではない、非人間的なパワーを持つという意味合いがあるものをベースに作られたメイクでもあります。
青というのはやはり透明感とか、静寂だったり。火でもそうですけど、赤より青い炎の方が温度も高い。
実はその熱量の高さみたいなものを、すごく奥ゆかしさのある熱量として感じさせる。
冷静さを兼ね備えた、つまり大人な表現だと思うんですね。
すごくクールでありアダルトな雰囲気もあって、「藍隈」は魅力的だななんていう風に思っています。

- すごく気品溢れる印象になりますよね。
尾上さん:
そうですね。女性ももちろんですけど、男性も最近メイクされてる方をよくお見受けするので、若い男子なんかにもお勧めしたいななんていう風に思います。
こういう「型破り」に憧れる男子たちがこのメイクをするところなんかは、僕も是非見たいななんていう風に思ったりいたします。

- 日常とはちょっと違う印象になれそうですね。
さて、今回のキーワードは「型破りであれ」ということなんですけれども、右近さんから見て、今までで「型破りだな」と思った方はいらっしゃいますか?
尾上さん:
誰か一人というのはすごく難しくて。型破りというのは、伝統、「型」がないと型破りにはならないんです。やっぱり「型」がある。
元々秩序があって、規定があるものの中で、そこから解放されたり、はみ出したりすることが「型破り」なんです。
「型なし」と「型破り」は違うと言われる世界の中で僕は育ってますけど。
歌舞伎という伝統の中で、型破りを続けてきたからこそ今がある。
「伝統」と「伝承」の違いはそこだって、僕も教えられて育ったんですけど。
そんな中で僕がパッと頭に浮かぶのは、憧れを強く抱いている、六代目 尾上菊五郎という人ですね。やはり型破りな人だなという風に感じます。
これはまた、日本人に独特の「品」を持って躍動するというか。衝動的でありながら非常に集中力の高い。
その型の中に、新たな型を作るために型を破っている。規定の中で生きてる人たちからすれば、それは違和感に感じるぐらい新しいということです。新しいものに対しての拒否感って、人間は絶対にあると思うんです。
それこそがやっぱり型破りの瞬間だと思うんですよ。
ガラケーからスマホになった時、みんなやっぱり「ガラケーがいい」って言ってたのが、今はもうスマホになるのが当たり前のようになっています。
歌舞伎の世界で六代目菊五郎という人は、今の歌舞伎の原型、昭和・平成・令和の歌舞伎の礎を築くような運動を起こした存在でもある。
上品な型破りの先駆者というところで尊敬していますし、一番思い当たる存在かなと思います。

- 素敵なエピソード、ありがとうございます。
「型を破った先に今の当たり前がある」と思うと、型を破ることの大切さ、パワーのいること重責がすごいですよね。
尾上さん:
責任というのは、人間何かをやる上で人を巻き込むので、絶対感じなければいけないことだとは思うんです。
でもそれと同時に、やっぱり衝動に従うという「わがままさ」とか、いい意味での「傲慢さ」みたいなものは絶対に必要だと思うんですよね。
それがないと物事動いていかない部分もあると思うんで。勇気を持ってわがままを貫いた人でもあるなという風に感じてます。
- お話の中で「わがまま」や「傲慢さ」というワードも出てまいりましたけれども、右近さんが最近はまっていることだったり、「わがままを押し通してでもやってみたい」と思うことは何かありますか?
尾上さん:
色々ありますけど、最近で言うと、今年のうちに今まで行ったことがないパリの地へ、二度足を運ばせていただいたんです。
どちらもお仕事だったんですけど、そんな中で長年、パリの「オペラ・ガルニエ」にはすごく憧れがありまして。
実際この目で見たいという思いがあり、一回目に行った時には劇場見学で空間だけを見させてもらったんです。
それだけでも感動して、「ここでやりたい!」ってすごく思いました。
ここは「足を運ぶところ」ではなく「舞台に立つところ」だ、見る場所じゃなくて出る場所だ、という風に自分で強く思って。
憧れを実現に向けていきたい気持ちがすごく芽生えて。
二度目に行った時には、オペラを実際に見させてもらったんですけど、実際に生きている劇場として機能しているガルニエに行って。
僕が役者を志すきっかけにもなり、今でもずっと踊り続けたいと思っている、生きる意味とも言える「鏡獅子(かがみじし)」という演目があるんです。
9月、10月に「自主公演」を私やらせていただくんですけど、そちらでその鏡獅子をまずは大阪と東京で踊らせていただくので、是非来てください、という宣伝を挟みつつ(笑)
やがては、ゆくゆくはオペラ・ガルニエで鏡獅子を踊りたいなという思いでおります。

- 流石です! もう、押して押して、ですね(笑)
尾上さん:
いちいちコメントが長いから、申し訳ありません(笑)
- ガルニエと言えば、オペラ座の怪人の舞台になった世界最高峰のステージですよね。
尾上さん:
どこの劇場もそうですけど、やっぱり「魔物」というか、そういう目に見えない存在がいることを感じる瞬間もありますし、ガルニエにもきっといるんだと思うんです。
その縁をいただきたいなと思ってます。
- そこでの鏡獅子、是非見てみたいです。
尾上さん:
まずは大阪、東京でよろしくお願いします(笑)

- 最後にケイトと歌舞伎、世界進出に向けて、右近さんの抱負をお願いいたします。
尾上さん:
世界へ向けて、日本の持つ伝統文化の美しさ。先ほどもお話ししたような、独特の日本人古来の集中力だったり美意識だったり、「わびさび」ということは有名だと思いますけれども、そういう「引き算の文化」がありながらも、実は衝動的でエネルギッシュで、大和魂みたいなものも持ち合わせた日本の魅力。
これが今回のケイトと歌舞伎のコラボに詰まっていると思います。
その「冷静の中にある情熱」という部分を深く広く発信できたら、出演させていただいている身としてはこの上ない喜びでございます。
皆さん是非、私一人ではできない発信のお手伝いをいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。本日はありがとうございました。

壁を破って戻ろうとする尾上さんですが、さすがに今回は 破れませんでした(笑)
■代表質問コーナー

- イベントの感想をお願いします。
尾上さん:
何かを背負って発信させていただく役割は、何事もありがたいことで感謝でいっぱいです。
今回、自分の内側で深く共感できる「NO MORE RULES.」と歌舞伎のコラボというテーマを、皆さんに直に発信させていただける機会をいただけて、とても楽しかったです。
自分自身、常に衝動で動くタイプなんですけど、カチッとした空気の時にはその場に応じて空気は読みますよ(笑)
今日はこういう(型破りな)方がいいだろうと思ってやっただけのことなので。普段から常に壁を破ってるわけではないので、そこは誤解なきよう(笑)

フォトセッションでも見得を切るポーズをいくつかしていただきました
- プライベートでもメイクはされますか?
尾上さん:
プライベートではあまりしないですね。歌舞伎の場合、舞台では非常にデフォルメされた衣装やメイクを身にまとっていますし、女方もやらせていただくので。
普段はなるべく、飾らない自然体の自分で過ごしております。
ただ、歌舞伎のメイクとは別に、こうしたメイクをする機会をいただいた時に思うのは、「自分なんだけど自分じゃない存在になる」ということの重要性です。
日本には、日本武尊が戦に行く時に化粧をして神様を下ろす、自分より大きな力を自分自身に宿すという神話もあります。
メイクにはそういう、古(いにしえ)からの流れと自分が繋がる瞬間を感じたりしますね。

- 男性がメイクをすることについて、アドバイスはありますか?
尾上さん:
男性ならではのフォーカスの当て方、ある種の「迫力」に繋がるような感覚があると思います。
自分の思うがままに、「野性味」を持って取り組んでいただいてもいいと思いますし、美を追求したい方はその方向で。つまり、自分自身がやりたいようにやるのが一番素敵なんじゃないかなと思います。
また、美意識というのは対人的な感覚も大きいと思います。
相手に不快感を与えない、清潔感を持って接する。それはある種の礼儀でもありますよね。
そういう感覚でメイクをされる方が増えていることには非常に共感します。

- 「型破りであれ」という言葉に関連して、新しいことに挑戦する時の心構えを教えてください。
尾上さん:
「新しいことをやろう」というよりは、「やりたいこと」が結果的に新しいことであった、というのが歌舞伎の歴史においても正しい順序かなと思います。
衝動が先にあって、後から理屈や「型」がついてくる。それが今までの型と違うものになった時に「型破り」になる。
あとは、一回やって終わっちゃうのはもったいないですね。
一度や二度ではなかなか状況は変わりません。何度もしつこいぐらいに自分を貫くことで、ようやく認識してもらえる。
「継続は力なり」ですね。衝動を続けるということは多大な努力だと思いますし、それこそが美しさだなと思います。

- この暑さを乗り切る「型破りな方法」はありますか?
尾上さん:
暑さを乗り切る、、、難しいですね(笑) まあ基本的にはスパイスで代謝を上げる。
カレーを食べてケイトしてください(笑)
私はカレーが本当に好きで、汗をかいて体を冷やす作用があるというのは実証されているので、是非お勧めしたいです。

- 最後にもし宣伝があれば。
尾上さん:
宣伝ですか(笑) 私は歌舞伎俳優ですので、是非歌舞伎の舞台を見に来ていただきたいです。
今この歌舞伎座タワーの下(歌舞伎座)でも公演が行われています。
歌舞伎のリハーサルというのは実は4~5日しかないんです。その短い期間で仕上げて12ヶ月興行を続けている。
そんな演劇は世界中どこにもないと思います。
私自身も8月に歌舞伎座に出演しますし、9月・10月は大阪と東京で「自主公演」を行い、先ほどお話しした「鏡獅子」などを踊ります。
初めての方にも楽しんでいただける内容にしております。思った以上に歌舞伎は分かりやすく、エンタメで情熱的な演劇です。
「日本人が知らない日本の伝統文化」を存分に感じていただけると思いますので、是非見に来てください。
ありがとうございました!

(取材: 森川 創)







