日本にいながら、海外の文化を感じられる方法の1つが、食です。その国の料理を通して、風土や歴史を感じることができます。
特に、東京には世界中の美味しい料理が集結していますね。
みなさんは、アフガニスタン料理を食べたことがあるでしょうか?
- そもそもアフガニスタン料理ってどんなもの?
主食はナン。アフガニスタンは、海に面していない内陸国なので、魚料理よりも肉料理が多いそうです。ただ、イスラム教国家なので豚肉は食べません。
また、遊牧民の文化があるため、チーズやヨーグルトなど乳製品を使った料理が多い特徴があります。
そんなアフガニスタン料理を食べることができるお店があります。
東京・中野区にある「PAO Caravan Sarai パオ・キャラバンサライ」です。
日本に住んでいるアフガニスタン人も訪れるお店で、本格的なアフガニスタン料理を提供しています。
店内に入ると、アフガニスタンの雑貨や装飾品に出迎えられます。
中東らしい音楽が流れていて、異国に来たような気分になりました。
お座敷に敷かれた絨毯が印象的です。
ドリンクは、「ドーグ」をいただきました。
乳製品を使うこと多いというアフガニスタン料理らしい、ヨーグルトドリンクです。シナモンが入っていて、食事にも合う爽やかな甘さ♪
アフガニスタンはイスラム教国家なので、アルコールはNGですが、こちらのお店ではアフガニスタン料理に合うお酒を提供しています。
「ウゾ」は、ギリシャのリキュールです。アニスというスパイスの甘い香りがします。
他にも、牛乳を発酵させて作った「乳酒(にゅうしゅ)」、どんぐりのエキスを配合して作った甘いお酒「どんぐりのリキュール」、ラム原酒をオーク樽で熟成させた沖縄のお酒「黒糖酒」など珍しいお酒がありました。
食事は、シフカバブ(シシカバブ)から。
「シフ(シシ)」は「串」、「カバブ」は「焼いた肉」という意味で、ぶつ切りにしたお肉を串に刺して焼いた料理です。トルコ料理というイメージがありましたが、中東を中心にアジアの多くの国で食べられているそうです。
手前から「カバブ」「チェルガ」「コフタ」
「チェルガ」は、香辛料に漬け込んだ鶏肉です。
「カバブ」と「コフタ」は羊肉で、「コフタ」は羊肉で作った肉団子です。
シンプルに焼いた肉は、強い旨味を感じます。
他にも、羊を使ったお料理が多いです。珍しい羊の生肉をつかったものもありました。
「ラムロースのたたき」
オリーブオイルと塩でいただきます。
生の羊肉を食べるのは初めての経験でしたが、驚くほど、羊肉特有の香りはありません。鰹のたたきに近かったです。
「鶏とアボカドのサラダ」
女性に人気のメニューだそうです。蒸し鶏とアボカドをブルーチーズソースで和えています。
アフガニスタンの料理の1つに「カラヒィ料理」があります。
カラヒィとは、丸い鉄鍋のことです。
こちらでは、ぶつ切りのお肉や野菜を入れて、強火で一気に炒めて蒸した、代表的なカラヒィ料理をいただくことができます。
鍋に入って、運ばれてきました。
「カラヒィ・羊」
羊肉、トマト、ししとうのジャン風味です。トマトの甘みの後に、ピリッと程よい辛さを感じます。じわじわと口の中に辛さが広がっていきました。
深夜に放送していた人気グルメドラマの真似をして料理に顔を近づけてみると、鉄鍋の歓声が聞こえ、スパイスの香りが鼻孔をくすぐります。
「ラムスペアリブのカラヒィ」には、骨つきラム肉が入っています。
サルサソース風味で、トマトの風味が強く、「カラヒィ・羊」よりも辛さは控えめです。
どの料理も羊肉に独特の癖がなく、羊感が変わります。食べやすいお肉です。
ナンにつけて、いただきます。
全粒粉で作っているので、香ばしいです。インド料理のナンよりもしっかりした食感でした。
最後はデザートです。
「ムハレビ」
トルコ風のライスプディングです。もっちりした食感で、プリンのような味わい♪
「ココナッツアイス」
ココナッツミルクのアイスにアーモンドとピスタチオが入っています。ココナッツの甘い香りとアーモンドのピスタチオの香ばしさが良いハーモニーです。
お店の方にお話を伺いました。
どんなきっかけで、アフガニスタン料理のお店をオープンしたのでしょうか?
もともと絨毯の販売を行なっていたのですが、アフガニスタン料理は日本人の口に合うと感じたので、オープンしました。中央アジアの文化を日本でもっと広めたいと思っています。
アフガニスタン料理の特徴は何ですか?
調理法はシンプルで、食材は羊肉やチーズを使うことが多いです。このお店では、トマトを使った料理も多く提供しています。
アフガニスタン流の食事の楽しみ方の特徴はありますか?
アフガニスタンでは、食事を通じた家族との関わりを大切にしています。家族や仲間とみんなで食卓を囲んで、食事とともにコミュニケーションをとる時間を楽しみます。
お店に一歩足を踏み入れれば、アフガニスタンの世界が広がっています。目で、口で、アフガニスタンを感じてみてはいかがでしょう?
(執筆 久保井朝美、 撮影 森川創)
関連リンク:
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