お寺や神社を訪れたとき、御朱印をいただいたことはありますか?
数年前に御朱印ブームが到来してから、色々なお寺や神社をめぐって、御朱印を集める女性が増えています。
そもそも御朱印とは?
歴史を紐解くと、室町時代末期から江戸時代初期には存在したことが確認されています。
起源には諸説ありますが、本来は、参拝者が読経や写経によってお経をお寺や神社に納めて祈願した証としていただくものだったという説が有力です。
今では、多くのお寺や神社では、御朱印代( 300〜500円くらい)を納めると、参拝するだけで押印していただくことができます。
私は歴史が大好きで、お城をめぐってスタンプを集める「日本100名城スタンプラリー」をしているのですが、御朱印は未経験です。(ちなみに、御朱印は記念スタンプとは違い、前述した通り宗教行為です。)
今回は、御朱印帳を片手に奈良に赴き、御朱印デビューをしてきました。
東京駅から東海道新幹線で京都駅に向かい、京都駅から近鉄電車の特急に乗り継いで35分で、近鉄奈良駅に到着します。
まず向かったのは、「御朱印が可愛い」と評判のお寺、福智院です。
御朱印は、本堂でいただくことができます。
本堂の中には、福智院のご本尊の地蔵菩薩があります。重要文化財に指定されています。
お地蔵さんというと石でできているのが通常ですが、こちらのご本尊は木(ヒノキ)でできています。また、お地蔵さんは立ち姿(立像)が多いですが、こちらのご本尊は座っています。高さは 2m73cmもあり、座っている(座像)お地蔵さんとしては、日本一のサイズだそうです。
素材、姿、高さ(大きさ)、色々な点でとても珍しい地蔵菩薩を見ることができました。
本堂内は撮影禁止だったので、訪れた際には、みなさんご自身の目で貴重なご本尊をご覧ください。
福智院の御朱印は何種類もあるのですが、可愛いと人気なのはこちら。
絵付けの御朱印です。
御朱印というと、赤と黒の2色ですが、こちらはカラフルですね。優しい色づかいとほっこりするキャラクターたちで、見ていて癒されます。
色づいた葉、栗、どんぐり、焼き芋など、秋の深まりを感じました。
イラストは住職の息子の奥さんが書いていて、文字は住職の手書きです。
月ごとに違うイラストに変わるので、毎月通ってコレクションしている方もいるそうですよ。
それほど人気を博しているのですが、絵付けの御朱印は、今年 12月末で終了する予定ということです。
カラフルで可愛い御朱印が欲しい方は、年内に参拝した方が良さそうです。
▼福智院
www.fukuchiin-nanto.com/fuku.html
奈良県奈良市福智院町46
TEL 0742-22-1358
御朱印代 500円
福智院の近くを散策していると、ポツンとヨーロッパのようなお店が1軒ありました。
オープンから 8年を迎えるスイーツショップ「幸福スイーツ アルカイック」です。
店内もとても可愛らしく、パリの小さなお菓子屋さんをイメージしているそうです。
並んでいるお菓子も、とても可愛いです。
奈良らしいお菓子がありました。「しかさんマフィン」と「しかさんサブレ」です。
「しかさんマフィン(りんご&ナッツ)」は、地面に見立てたマフィンの上に、アイシングで若草山の緑の芝生、その上にクッキーでできた鹿がちょこんと乗っています。
クッキーはシナモンがきいていました。マフィンは甘さ控えめで、りんごの果肉の甘さやカシューナッツとくるみの香ばしさのバランスが良いです。
見た目が可愛いだけでなく、風味豊かで美味しかったです。
「奈良の大仏さまクッキー」奈良県の大和茶を使用しています。大和茶は1200年以上の歴史があり、爽やかな味が特徴です。
また、スコーンなど一部のお菓子には、奈良県産の小麦粉を使用しています。
奈良らしい見た目で、奈良の食材を使ったお菓子は、良いお土産になりますね。
▼奈良の焼き菓子専門店 幸福スイーツ アルカイック
https://happiness7.exblog.jp
奈良市福智院町44-1
TEL 0742-24-7007
続いては、興福寺です。
興福寺は、大化の改新を行った中臣鎌足(藤原鎌足)の夫人によって建てられたお寺が起源となっています。藤原氏の氏寺として、平安時代には藤原氏の繁栄とともに栄えて、規模を拡大しました。2010年に、創建 1300年を迎えています。
現在の興福寺の中で、五重塔に次いでシンボル的な存在となっている、重要文化財の南円堂では、なんと江戸時代の復刻御朱印をいただくことができます。
江戸時代に興福寺を訪れて、納経した人々も、この御朱印をいただいていたのですね。歴女にはたまりません!
他に、奈良にある南法華寺(壷坂寺)、岡寺、長谷寺、京都の穴太寺、大阪の総持寺でも、江戸時代の復刻御朱印をいただけます。6寺とも、2020年 12月 31日までの限定です。
▼法相宗大本山 興福寺
奈良県奈良市登大路町48
TEL 0742-22-7755
御朱印代 300円
最後にやってきたのは、東大寺二月堂です。
東大寺はかなり敷地が広く、二月堂は奈良の大仏がある大仏殿からは離れていて、若草山の麓にあります。
二月堂の創建は、奈良時代の752年です。
現在の建物は、1669年に再建されたもので、国宝に指定されています。
東大寺境内でも、高いところにあるので、眺望が良かったです。
二月堂では、御詠歌の御朱印をいただくことができます。
さらさらと筆で書く姿が美しくて、見入ってしまいました。
「ありがたや ふしぎは一か二月堂 わかさの水を むかえたもふぞ」
▼華厳宗大本山 東大寺 二月堂
http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance6.html
奈良県奈良市雑司町406−1
TEL 0742-22-5511(代表)
御朱印代 300円
三者三様、素敵な御朱印でした。
手元の御朱印帳がどんどん華やかになっていくのが楽しいです。
次回は、「大人女子旅(奈良・中編)〜古民家でいただく、奈良の食材たっぷりのグルメ〜」。
奈良らしさもあり、大人女子旅にぴったりのお食事やスイーツが登場します。
(執筆 久保井朝美、 撮影 森川創)
関連リンク:
▼福智院
www.fukuchiin-nanto.com/fuku.html
▼幸福スイーツ アルカイック
▼法相宗大本山 興福寺
▼華厳宗大本山 東大寺 二月堂
http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance6.html
▼久保井朝美プロフィール
http://www.weathermap.co.jp/caster/kuboi-asami/