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2019.01.22科学・Tech

プログラミングの楽しさを伝える ちょまどさんに密着インタビュー!

ちょまどさん

 

ITはめまぐるしく進化し、10年前にはマイナーだったクラウドが当たり前の世の中になり、AIも生活の一部となりました。

こういった便利な最新技術も、実は裏では多くのエンジニアたちの活躍があってこそ実現できているもの。

でも、一般の人から見ると、エンジニアの普段の生活は、残業が多く、神経質にパソコンに向かい合っているというネガティブなイメージを持っている人も少なくありません。

そんな中、マイクロソフトのクラウドと AI技術の知識やスキルを広めるためにエンジニアをサポートすることを目的に、日々、楽しく発信している女性がいます。

それが、マイクロソフトコーポレーションの ちょまどさん、こと、千代田まどかさんです。(以下、ちょまどさん)

 

LINE DEVELOPER DAY 2018

 

今回は、コミュニケーションアプリ「LINE」などでお馴染みのLINE株式会社のご協力のもと、1000人以上のITエンジニアが来場した大型技術カンファレンス LINE DEVELOPER DAY 2018セッションに登壇された ちょまどさんに密着インタビューをしてきました。

技術的・専門的な話は、昨年 11月上旬に公開された リクナビNEXTジャーナルのインタビュー記事を参照いただき、楽しいニュースにふさわしく、わかりやすくお話をしていただきました。

 

セッション中のちょまどさん

 

—– Twitterのフォロワー数が 5万を超えて、すごく注目されている ちょまどさんですが、LINEのセッション冒頭の自己紹介では、腐女子を公言されたり、かなりユニークな存在ですよね(笑) 

まずは、エンジニア兼マンガ家になった経緯を教えてください。

 

大学入学祝いに両親に Windows Vistaのパソコンとペンタブレットをプレゼントしてもらいました。

それがきっかけで、それまでは、紙にアナログで描いていたものを、ペンタブレットとパソコンでデジタルに描けるようになって、どんどんのめりこんでいきました。Undo/Redo (取り消し/やり直し)し放題ですし、無限の紙に無限種類の色で描けますし、消しゴムで消すときも紙の繊維を傷つけないし、紙やペンやスクリーントーンを買わなくてよいですし。あと例えば目を大きく描き過ぎたというとき、目だけ選択して縮小なども自由自在。デジタル最高!ってなりました。
とくに夏休み中は、ほぼ、引きこもり状態で描いていました(笑)。

 

そのうち、自分の描いた絵をみんなに見てもらいたくなってきて、Webサイトで公開しようと思うようになりました。今なら pixiv や Twitter といった SNSがあるのですが、2010年当時はまだ主流ではなかったので、Webで絵を公開するなら自分の個人サイトを持つことが普通でした。
当時は ITの知識が無くてもケータイポチポチで簡単に無料でガラケー用の個人サイトを公開できるサービスが流行っていました。サイト名と使いたい機能(小説機能やアルバム機能)を選択して「作成」ボタンを押すと、パッとサイトができました。素晴らしいですね。

その無料のサイト作成サービスを使っていたのですが、デザインレイアウトの選択肢が少なかったり、広告バナーがページの上下に表示されたり、また、その表示が遅くて耐えられなくなって、PC対応もしたいし、自分でデザインを自由に決めて、バナー広告のない独自サイトを作ろうと思うようになってきました。

 

 

—– 元々、理系の大学だったのですか?

 

いいえ、文系です。数学が苦手だったので、受験科目に数学のない私立文系の女子大の英文科に入りました。

自分の満足のいく個人サイトを作るために、本当に色々勉強しました。

Webサイトを作るためにHTMLと サイトをおしゃれにするためにCSS、そして、アイコンとか色々動かしたくなって JavaScriptを勉強し、次に、掲示板を置きたくなって、CGIや PHPや Perlといったスクリプト言語を勉強しました。

文系の学科なので、全部、独学です。だから、情報学科の学生が非常にうらやましかったです。

実は、情報学科の授業に忍び込んだこともあったのですが、出席を取るときにバレて、教室を出されたこともあります(笑)

 

独学だったため、別に資格が欲しかったわけではないのですが、コンピュータサイエンスの基礎から体系的な知識を得るためにIT系の国家資格である「情報処理技術者試験」のテキストを勉強しました。猛勉強したおかげで、最終的には、高位資格である「応用情報」まで取りました。本当に大学受験の時よりも必死に猛勉強しました。コンピュータサイエンスの勉強が楽しかったです。大学ではその情報科学の勉強、家ではパソコンで Webサイト作ったり、絵を描いたり、プログラミングして遊ぶ、といった生活を送っていました。オタク体質で、集中するとそれしかできないんです。

 

 

 

—– 興味があれば、文系でもプログラミングはできるんですね。

 

はい、そう思います。

数学ができないと、プログラミングができないといわれることがあります。

確かに、一部は数学の知識があったほうが良いのですが、今は、数学の知識がなくてもプログラミングができるプラットフォーム(ソフトウエア)がありますから。

 

セッション終了後の質問受付コーナーにて

 

マイクロソフトに転職する前に勤めていた会社では、Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール: クラウド製品)、Visual Studio(ビジュアルスタジオ: 開発プラットフォーム)や Xamarin(ザマリン: モバイルアプリ向けなどのクロスプラットフォーム開発環境)という環境で、C#(シーシャープ)というプログラミング言語を使って楽しくお仕事をすることができました。

その頃、マンガ家の副業も始めて、週末にマンガを描いていました。

ちょうど、リクルートさんから、プログラミング言語を擬人化したマンガがウケるのではないかということで、プログラミングの知識があって、かつ、マンガが描けるという私にオファーがあり、シナリオ担当のセオショージさんと連載を開始しました。漫画のタイトルは『はしれ!コード学園』にしました。(プログラムを実行することを英語で run というので、それにかけました。)

おかげさまで、リクルートキャリア社の Web媒体『CodeIQ MAGAZINE (コードアイキューマガジン)』の中で、人気ナンバー1になりました。(残念ながら今はこの媒体は無くなり、現在、Web媒体『リクナビNEXTジャーナル』にお引越しされています。)

その後、マイクロソフトの開発者向けのマーケティングの部署へ テクニカルエバンジェリスト(技術を広める人) として転職しました。

 

 

 

—– 黙々とプログラミングをする仕事から、今のように人前で話す仕事に変わるのは大変ではなかったですか?

 

大学時代も引きこもりでパソコンばかりやってましたし(笑)、コミュニケーション能力もあまりないと思っていました。 人前で話すなんて、できるかどうかわからないと、マイクロソフトに転職する前は思っていました。

転職を勧められたときは、人前で話さなくても、マンガで開発者のみなさんに伝えられれば良いと、優しくアドバイスを受けていたので、それなら大丈夫かなと思って転職しました。

しかし、実際に人前で話すことになり、登壇直前に机の下にもぐったりしてました。無理、無理、無理って(笑) 最初は大変でした。

当時、同じ部署に、Xamarinでの実プロダクトの開発経験を持っていたのが、たまたま私だけだったので、Xamarinの担当になったのは、幸いでした。Xamarinの開発者コミュニティに行くことになって、コミュニティの人たちに温かく迎え入れてもらえたのを肌で感じるようになりました。そこから、だんだん人前でしゃべられるようになってきました。開発者コミュニティの人たちは、本当に技術が大好き、Xamarin が大好きな人たちばかりで、同じ技術オタクとしてオタ会話が楽しめて、コミュニティの方々には感謝しています。

 

私が入社した当時、エンジニアをサポートするマーケティング部隊は 30代後半から 40代で、女性も 4人程度しかいなくて、そんな中、私は、文系出身で、社会人歴 2年目で実務経験がほとんどなく、クラウド世代で物理サーバーをみたことがないという異色な存在だったと思います。

入社から、気が付いてみると、もう3年近くになりました(笑)

 

今は、開発者のみなさんが使うプラットフォームを提供する側として、やりがいを感じています。インパクトのある面白いデモアプリを作って、「ああ、マイクロソフトのプラットフォームで開発することは、こんなに楽しいんだ」と思ってもらえたり、みなさんの生産性を上げることに貢献して喜んでもらえたりすると嬉しいです。

 

 

—– プログラミングは具体的にどんなところが楽しいですか?

 

作って動くのをみるのが楽しいですね。今回の LINEのイベントセッションでお話した LINEのスマートスピーカー『Clova』も命令コードを書いたら、そのとおりにしゃべってくれるのです。

もちろん、Clova単体でも、今日のお天気を尋ねたら答えてくれたりするので楽しいのですが、もしプログラミングができると、さらに機能の拡張ができるようになります。

料理にたとえて言うと、あ、私、タマゴも割れないぐらい料理できないんですけど(笑)、既製品の料理にアレンジができたりするような感じです。料理用の便利グッズがいろいろと出てますよね。同じように、Visual Studioという開発環境を使うと、AIによるコーディング支援機能が搭載されていますので、私の今まで書いたコードや世界のいろんな人たちが書いたコードを学習し、「次こんなことを書きたいんやろ」と、なんとプログラムを自動生成してくれたりします。

さらに言うと、プログラミングが超できる人たちは、「プログラムで世の中を変えることができる!」のです。そこまでではなくとも、プログラミングによって、今ある機能に独自の機能を追加できる、可能性を広げられることが楽しいと思います。

第 4次産業革命と言われているまさに今の時代に生きていることがすばらしいと感じています。

 

 


—– twitterのフォロワー数が5万人以上いらっしゃって、デベロッパーのみなさんのアイドル的な存在のよう感じですが、みなさんから何か反応はありますか?

 

自分では、あまりアイドルといった意識がなくて、私はただのオタクと思ってます(笑)

「ちょまどさんのセッションを聞いて、Azure Functionsを始めました!」とか「マンガ、面白かった!」といったコメントをみると、めちゃめちゃ嬉しいですし、次もがんばろうという気持ちになります。

 

 

—– 仕事以外で、今、ハマっているものはありますか?

 

ゲームで、ポケモンとモンハンをやってます(笑) ポケモンの最新作は、2日で20時間やりました。

パソコンをもらう前は、ゲーマーで、小学生の頃に子供会でディズニーランドに行ったのですが、当時から外で遊ぶのが好きでなくて、適当な理由をつけて、ナーサリールームでずっとゲームボーイで遊んでました(笑)

 

—– これからやってみたいことはありますか?

 

ヨーロッパにまた行ってみたいですね。ヨーロッパの風景は FF9(ファイナルファンタジー9)に出てくるアレクサンドリア王国の街並みとすごく似ていますし、ハリーポッターも好きなので、イギリスに行きたいですね。

 

—– twitter に「松屋」がよく登場しますが、とても好きなのですね。

 

私のソウルフードです(笑)

新卒で入社する際に、栃木から東京に一人暮らしに出てきて、家具など一式を買ってしまい、手持ちのお金がなくなったときに、100円ローソンが23時以降半額になるのを待って、おそばを買って、朝に半分食べて、夜に残りの半分食べてという生活を続けていたことがありました。駅前に松屋があって、ミニ牛めしが当時 230円でしたが、それでも高くて買えなかったのですが、初任給が出たときに決心して、牛めしを注文して、久しぶりに温かいごはんを食べて、美味しくて涙がでました(笑) それ以来、松屋が私の中で、贅沢の象徴となりました。給料が定期的に入ってくると、朝・昼・晩と3食連続で、松屋に行ったりします。

生卵をかけて食べるとすごく美味しくておすすめですよ。

 

—– ありがとうございました!

 

 

(執筆・撮影 森川創)

 

関連リンク:

 

▼LINE DEVELOPER DAY 2018

https://linedevday.linecorp.com/
▼エンジニア向け技術カンファレンス「LINE DEVELOPER DAY 2018」を開催
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2484

▼LINE Clova公式サイト

https://clova.line.me/

▼ちょまどさん、11月からMicrosoftの「クラウド デベロッパー アドボケイト」にロールチェンジ!
(リクナビNEXTジャーナル)

https://next.rikunabi.com/journal/20181101_p01/

▼千代田まどかさん twitter

https://twitter.com/chomado

▼マイクロソフトクラウド アドボケイト

https://developer.microsoft.com/ja-jp/advocates/index.html