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2020.03.15話題・おもしろ

ロンドン国際映画祭グランプリ&主演男優賞受賞の映画『ひとくず』の初日舞台あいさつがありました!

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先月ロンドン国際映画祭で外国語部門最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀主演男優賞(上西 雄大さん)を受賞した『ひとくず』。

昨日 3月14日(土)より公開の渋谷・ユーロスペースを皮切りに全国順次公開されます。昨日、ユーロスペースにて初日舞台挨拶が行われました。

初日舞台挨拶では、育児放棄された少女・鞠を救う空き巣・金田役の上西 雄大さん、昨年5月にニース国際映画祭で最優秀助演女優賞を受賞した、鞠を育児放棄する母親・凜役の古川 藍さん、8月にマドリード国際映画祭で最優秀助演女優賞を受賞した、自分の恋人が息子に暴力を振るうことを黙認する主人公の母親・佳代役の徳竹 未夏さん、金田の理解者である刑事役の空田 浩志さん、金田が盗んだものを買う故買屋役の吉田 祐健さん、金田を不採用とするゴミ処理場職員役の堀田 眞三さんが、この作品に懸けた想いなどについて語りました。

 

左から、(上の段)吉田祐健、古川藍、上西雄大(主演・監督・脚本)、徳竹未夏、堀田眞三、
(下の段)空田浩志、川合敏之、楠部智子先生(取材協力)

 

 

上西 雄大さん

 

—– 上西 雄大さん、初日を迎えて、今の感想は?
上西 雄大さん:
この日を本当に心待ちに頑張ってきまして、本当に万感の想いです。
小さな劇場から始まった劇団で、力がないということに挫折しそうになったことは度々ありましたが、自分たちの想いを込めた作品が、たくさんの方々のお力添えを頂きまして、今回このように劇場公開されました。
『この世は素晴らしい良心に溢れていて、色々な問題はあっても、それに立ち向かっていくことができる』ということを作品から学びました。
今日は僕にとって、人生最良の日であります。皆様本当にありがとうございます。

 

—– 児童虐待、育児放棄を扱った映画ですが、映画にした経緯は?
上西 雄大さん:
別の作品のリサーチで、楠部(知子)先生に発達障害についてお話を聞いたのですが、楠部先生は児童相談所にお勤めされていて、その際、実際に起こっている虐待についてお話し頂きました。
その夜、自分の心は壊れる位怒りや悲しみだったり、おぞましい想いに揺れまして、自分の心が救いを求めるように、作品でどのような形であれば虐待から救えるんだろうと想像して、一晩で書いた作品です。
楠部先生から『虐待への最大の抑止は関心である』とお聞きしたので、僕らのような役者が世に役立てるのは、作品を作ることではないかと思えた日でもありました。

 

楠部 知子先生

 

取材協力された児童精神科医の楠部 知子先生:
上西さんにお話をして作っていただいた映画が、こうやってお披露目できることを嬉しく思っています。
児童虐待という重い内容ではありますけれど、知っていただいて考えていただくことが大事だと思いますので、最後までごゆっくりお楽しみください。

 

—– 上西さん演じる金田が助ける少女・鞠(まり)のこの作品での描写はリアルなものですか?
楠部 知子先生:
はい。たくさんの児童虐待を受けた子供さんだとか、虐待をしてしまうお母さんに接しているんですけれど、代表的なリアルさを取り上げていただけました。
ニュースに上がってくるのは本当に氷山の一角でして、人によっては『あんなことは本当にあるの?』という方がいらっしゃる中で、そういうことが私たちの気がつかないところでたくさん起こっていることを知っていただけたらいいと思います。

 

古川 藍さん

 

—– 鞠(まり)の母親・凜役の古川さんは、ニース国際映画祭で最優秀助演女優賞を受賞されましましたが、凜役を演じる上で大事にしたことは?
古川 藍さん:
育児放棄や児童虐待について、最初は正直実感が湧かなかったのですが、凜という役の感情の起伏をつけることを意識しました。

 

徳竹 未夏さん

 

—– マドリード国際映画祭で最優秀助演女優賞を受賞した徳竹さんは、自分の恋人が息子に暴力を振るうことを黙認する主人公の母親・佳代役を熱演されましたが、演じる上での工夫は?
徳竹 未夏さん:
セリフがないシーンもありまして、その中で、自分の中の葛藤をどう表現しようかと思いました。
タバコを吸うシーンが割とあるので、タバコを吸う仕草の中にそういったものをいかに汲めるかなと気をつけました。
おそらく私が演じた佳代も愛情に恵まれずに育ったという一面があると思うので、どう息子に接したらいいかわからないというところもあるという微妙な表現がお客様に伝わればいいなと思って表現しました。

 

川合 敏之さん

 

—– 川合 敏之さん、空田 浩志さん、吉田 祐健(ゆうけん)さん、堀田 眞三さん、ぜひ一言お願いします。
川合 敏之さん:
騒々しい世上、こんなに大勢の方に集まっていただいて、ありがとうございます。
映画は映画館でやってなんぼのもんやと思っていますので、心からお礼申し上げます。
監督を始め、このカンパニーが熱いパッションに溢れているので、僕も負けじと頑張りました。
小雨もぱらつく寒い日に、リアルに鼻を真っ赤っかにして撮影をしたんですが、既に見た方には、『それが逆にリアルでいいんじゃない。刑事ってそんなもんじゃない』と言われました。

 

空田 浩志さん

 

空田 浩志さん:
刑事として若い頃から金田を捕まえたり追っかける役ですけれど、憎めないというか、世話をかけられても弟のような感じで接している役柄なのかと捉えました。

 

吉田 祐健さん

 

吉田 祐健さん:
「裏で何かやっている故買屋だから、ワルでひとつ」とのオファーで、「ワルですか。いきます!」と気合を入れて挑みました。

 

堀田 眞三さん

 

堀田 眞三さん:
僕は半世紀以上役者をやっていまして、ほとんどワル役ばかりなので、その中でこういう役をオファーされ、自分自身驚きとともに喜びが大きかったです。

 

—– 上西 雄大さん、最後に一言。
上西 雄大さん:
本作は虐待を入り口に置いて作った映画ですが、決して暗く悲しい気持ちで劇場を後にするような映画ではございません。
むしろ家族の暖や人間の良心を描いた温かい人間味溢れる作品にしたいと思って作りました。
(観客の皆さんが)劇場を去る時に感動の想いで劇場を出ることができますことを祈っています。

 

—– ありがとうございました。

 

 

【予告編】

 

【ストーリー】
生まれてからずっと虐待される日々が続く少女・鞠。食べる物もなく、電気もガスも止められている家に置き去りにされた鞠のもとへ、犯罪を重ねる破綻者の男・金田が空巣に入る。
幼い頃に虐待を受けていた金田は、鞠の姿に、自分を重ね、社会からは外れた方法で彼女を救おうと動き出す。
そして、鞠の母である凜の恋人から鞠が虐待を受けていることを知る。
虐待されつつも母親を愛する鞠。
鞠が虐待されていると確信した担任教諭は、児童相談所職員を連れてやって来るが、鞠は母の元を離れようとせず、保護する事ができずにいた。
金田は鞠を救うため虐待をする凜の恋人を殺してしまう。
凜を力ずくで、母親にさせようとする金田。
しかし、凜もまた、虐待の過去を持ち、子供の愛し方が分からないでいた。
そんな3人が不器用ながらも共に暮らし、「家族」の温かさを感じ本物の「家族」へと近付いていくが、、、

 

小南 希良梨さん、税所 篤彦さん

 

小南 希良梨さん、古川 藍さん

 

徳武 未夏さん

 

田中 要次さん、上西 雄大さん

 

【出演】(敬称略)
上西 雄大
小南 希良梨
古川 藍
徳竹 未夏
城 明男
税所 篤彦
川合 敏之
椿 鮒子
空田 浩志
中里 ひろみ
谷 しげる
星川 桂
美咲
西川 莉子
中谷 昌代
上村 ゆきえ
工藤 俊作
堀田 眞三
飯島 大介
田中 要次
木下 ほうか

 

木下 ほうかさん、古川 藍さん

 

【スタッフ】(敬称略)
監督・脚本・編集・プロデューサー:上西 雄大
エグゼクティブ・プロデューサー:平野 剛 中田 徹
監修:楠部 知子
撮影・照明:前田 智広 川路 哲也
録音:仁山 裕斗 中谷 昌代
音楽プロデューサー:Na Seung Chul
主題歌:吉村ビソー「Hitokuzu」
制作:テンアンツ
配給・宣伝:渋谷プロダクション
協賛:(株)リゾートライフ ドリームクロス(株) 串カツだるま カンサイ建装工業(株) 高橋 鋭一 平野マタニティクリニック (株)エフアンドエム (株)中島食品 ALEM(株) (株)USK (株)ラフト

 

上西 雄大さん、小南 希良梨さん、古川 藍さん

 

公式サイト: http://hitokuzu.com/
Twitter:@hitokuzu_movie
facebook: hitokuzumovie

©上西雄大

 

(編集 森川 創)