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2020.07.22科学・Tech, 話題・おもしろ

ダイキン開催のWebセミナー ウイズコロナ時代の 熱中症対策と上手な換気の方法を専門家が解説!

ウイズコロナ時代の今年の夏は、こまめな換気が欠かせません。
一方で、窓を開けて換気をすると、外の温かい空気が部屋の中に入り、室温が上昇してしまうため、熱中症にも注意しなくてはなりません。
また、今年は自宅にいる時間が長く、エアコンの運転時間が伸びることに加え、エアコンを運転しながら窓を開けて換気をすると、どうしてもエアコンにかかる負荷が上がってしまうため、電気代が上がってしまうケースが増えると予想されます。
換気の仕方とエアコンの使い方を工夫することで、少しでも電気代を節約して、換気とエアコン冷房を上手に両立する必要があります。

 

 

空調専業メーカーのダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)が 7月 21日に開催したWebセミナーでは、テレビでもおなじみの熱中症の専門家で 帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長・三宅康史先生から「コロナ禍における熱中症対策の重要性」について解説がありました。
また、ダイキン コーポレートコミュニケーション室 広報グループ 重政周之さんから「効率的な換気」と「電気代を抑えるエアコンの冷房運転」を両立し、健康で快適に過ごすための方法を、実演映像を使ってわかりやすく説明がありました。

 

左 三宅康史先生 右 重政周之さん

 

三宅康史先生:
帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・帝京大学医学部救急医学講座教授
日本救急医学会専門医・指導医・評議員、日本集中治療医学会専門医・評議員など。
主な著書:『現場で使う!! 熱中症ポケットマニュアル』

 

 

 

三宅康史先生の解説:

 

コロナにも熱中症にもかからないためにはどうしたらよいか。どちらもちゃんと予防する、というのが今年のテーマです。

夏の熱中症の発生状況としては、スポーツで熱中症になるのは 10代が多く、肉体労働で熱中症になるのは、40代以降が多く、日常生活で熱中症になるのは、60代以降の高齢者です。

特に高齢者は屋内で熱中症になっているという特徴があります。

男女別でみると、10代から40代ぐらいまでは、圧倒的に男性が多く、高齢者になるほど、女性が多くなる傾向にあります。

 

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そして、毎年 6月~9月の4カ月という短期間に熱中症で多くの人が亡くなっています。

亡くなった方は、若い人は減っていく傾向にありますが、65歳以上の 80%が屋内で亡くなっています。

 

 

 

労作性熱中症(肉体運動しているときに熱中症)は、健康な人が運動して熱中症になるので回復することが多く、これに対して、非労作性熱中症は、高齢者で男女差なく、熱中症に持病などが加わって複合的な状態で悪化することが多いです。

一方、新型コロナは、若年層が多く軽症の患者が多い傾向にありますが、軽い分、出歩いてしまい、高齢者にうつしてしまうというリスクもあります。

重症患者は、じりじりと増えていく傾向にあります。

 

熱中症の実際の見極め方としては、声をかけて意識が朦朧としていたら救急車を呼ぶ、意識があれば、自分で水を飲めるかどうかを見極めます。
自分で水を飲めなければ、救急車を呼びます。しばらく様子をみて軽症どうかを判断します。

 

熱中症の応急処置は
FIREFluid 適切な水分補給、Icing 身体を冷やす、Rest 安静にする、Emergency 救急車を呼ぶ)
がキーワードです。

 

 

新型コロナは、飛沫を飛ばさないこと・かぶらないことが大切で、マスクと手洗いが重要です。
換気することで飛沫をなくすことも重要です。

ただ、マスクをすると、マスク内の温まった空気を再度吸い込むことで熱が体に溜まることになり、体温が上がるリスクがあります。

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ダイキン 重政周之さんの解説:

 

例年は窓を閉めてエアコンを使用していましたが、今年からは換気をしながらエアコンをする形になります。

エアコン自体は室内の空気を循環して温めたり冷たくしているので、換気はしていません。
そのため、別の手段で換気を行う必要があります。
2003年以降の住宅では、24時間換気が装備されているので、この24時間換気を稼働します。

 

加えて、定期的な窓開け換気を行います。対角線上の離れた窓がベストです。
目安としては、30分に5分程度 行います。
空気の入り口は小さく、出口は大きくすると換気が効率的に促されます。

 

窓が1つしかない場合には、扇風機やサーキュレーターを窓の外に向けて回すことで換気できます。
キッチンのレンジフードを「強」で実行することで換気のサポートになります。

 

 

換気する際は、エアコンをつけっぱなしのほうをお勧めしています。
理由は、窓を開けると暑い空気が入ってくるため、室内熱中症リスクを防ぐため、また、
電源のオンオフを繰り返すと電気代がかかるため、つけっぱなしをお勧めします。

 

エアコンの節電方法としては、
・近い窓では室外機から発せられる温かい空気が入る可能性があるため、室外機から離れた窓を開けます。
・障害物がまわりにあると、熱をうまく逃がせないため、室外機の周りは整理整頓ておきます。
・2週間に1回フィルター清掃を行います。
(ちなみに1年間フィルター清掃しないとほこりで効率が悪くなり、電気代が 25% アップします。)

 

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Q&Aコーナー:

 

Q 窓開け換気での節電方法は?
A 設定温度を少しだけ上げるのが節電という観点では良いですが、室内熱中症を防止するために少しだけ下げることを推奨します。

 

Q 通気性の良いマスクは?
A 通気性の良いマスクはマスクの機能を果たさないので全国マスク工業会マークの付いているマスクを推奨します。

 

Q マスク着脱の目安は?
A コロナ予防のためにマスク着用が重要ですが、周りに人がいなければ、マスクを外して良いです。

 

Q エアコンの室外機に木の箱に入れています。良いでしょうか?
A 室外機を囲わないことを推奨します。

 

Q 除湿と冷房のどちらが節電になりますか?
A 2つの役割が違います。
室温が低く湿度が高い場合は、除湿運転をお勧めします。
室温が高く湿度が低い場合は、冷房運転をお勧めします。

 

Q 快適な温度・湿度は?
A 温度設定を下げ過ぎないほうが良いです。
設定温度は 28度ぐらいで、湿度を40%ぐらいにコントロールするのがお勧めです。

 

Q 夏の冷え性対策は?
A 人によって体感温度が違ういますので、靴下・ズボン・長袖の服で調整するのがよいと思います。

 

Q 窓開け換気のコツは?
A 入り口を小さくすることで空気が勢いよく入ってくることで部屋の空気が出ていきます。

 

Q エアコンの自動清掃機能が付いています。
A 自動清掃機能が搭載されている場合は、エアコンに任せて構いません。
ただ、キッチンのそばにあるエアコンで油煙を含んで汚れている場合には、中性洗剤等に付けて洗うことをお勧めします。

 

Q マスク着用時の屋外の水分補給は?
A 速乾性の消毒液を持参し、飲む前に手指を消毒することをお勧めします。

 

「上手な換気の方法 ~住宅編~」や「エアコン節電情報」など役立つ情報がダイキンWebサイトで公開中です。

 

 

■「上手な換気の方法 ~住宅編~」
https://www.daikin.co.jp/air/life/ventilation/
■「エアコン節電情報」
https://www.daikin.co.jp/air/life/electricitysaving/

(この他にも、換気機器の使い方やメンテナンス方法など、より専門性の高い情報を発信するWebサイト「おしえて空気ナビ」も公開中です。)

 

(情報提供 ダイキン、編集 森川 創)