サトルジャパン所属モデルの清家祥子です。
今回は、一般的にはなかなか見ることが出来ないモデルの作品撮り(宣材写真を撮ること)について、記事で出したら楽しそうですね、と楽しいニュース編集部から提案をいただき、私もモデルをやるまで知らなかった世界なので、興味あるという方も多いかと思い、今回この企画を受けました。
撮っていただいたカメラマン 陳 亮(チン リョウ)さんにも、カメラマンからの視点で写真についていろいろお伺いさせていただくことができ、私自身も新たな発見がたくさんありましたので、合わせてお伝えしていきたいと思います。
作品撮りというのは、モデルが被写体としてどんな表現ができるのか、写真という作品にして、クライアントに伝えるための資料撮りです。
作品撮りをみてクライアント側が、「製品のイメージに合う爽やかなイメージが表現できる人」や「親しみやすい笑顔の人がいい」「大人でお洒落な雰囲気の人」など広告で伝えたいイメージを表現できるモデルかどうかを判断します。
よりいろいろなイメージを表現できるモデルになりたくて、私も勉強中です。
カメラマンさんやヘアメイクさんも同じように写真で表現して仕事を取っていきます。
お仕事での撮影でもそうですが、それぞれの技術が合わさって1つの作品を作るのがとても楽しいです。
カメラマンの亮さんが、「こうして写真を撮るときは初めましての人がほとんどですが、短時間で仲間みたいになれるのが楽しい。」と話すように、私もモデルを続けてきた理由の一つがそれかもしれません。
亮さんは、上海で育ち、2006年から交換留学生として早稲田大学で情報処理を学んでいたそうですが、「人を撮りたい」と思い、最初は趣味でカメラを始めたそうです。
カメラの専門学校などには行かず、日本の有名なフォトグラファーの師匠に電話し、直接現場を見せてもらい勉強したそうです。
外観だけでなく、人の心や中身を引き出しながら撮るのを心がけていて、目標としているフォトグラファーは、ピーター・リンドバーグさんやアルバート・ワトソンさんとのこと。
私が被写体としてカメラの前に立つ時に、自然と自信が出てきて作りたいイメージにぐっと入りやすいなと感じるカメラマンさんは何人かいるのですが、亮さんもそのひとりです。
撮影中、亮さんは「はい、力抜いてー、自信もってー、顎上げてみたリしてー、お洒落なカフェの気分でー。」と常にリラックスして集中できるトーンで話しかけてくれます。
亮さんの発する言葉は、ヨガの先生がヨガに集中できるように優しいトーンで話し続けてくれている感覚に似ているなぁと感じています。
今回お話を聞いて、いままで人物をたくさん撮ってきた経験と、人の心や中身を引き出して撮りたいという思いから自然に発していることなのかなと思いました。
被写体として緊張せず、自然体な状態で撮るためにモデルの私自身が心がけていることも少しご紹介します。
私には合っていると思う方法なのですべての人に合っているとは言えませんが、写真を撮られるときに参考にしてもらえたら嬉しいです。
大きく分けて 2つの方法を実践しており、必要に応じて組み合わせたりしています。
撮影 陳 亮さん
一つ目は、写真で表現したい表情が自然と出ている時のことを思い出しながら撮ります。
「ナチュラルな笑顔が撮りたい!」というのが、一番よくあるケースと思います。
そういう時は、自然と笑顔になったシチュエーションで、大好きな人がカメラ側にいると思うとナチュラルな笑顔ができます。
思わず表情が緩んでしまった時のその人との会話を思い出してみたりもします。
私は友人や自分の子どもを思い浮かべることが多いです。
表現したい笑顔の種類によって、思い浮かべる人を変えています。
私がこの方法にたどり着いたのは、実は母になってからです。
マネージャーさんには、お母さんになってからの写真の笑顔が柔らかくなったと言われたのですが、単に母になったことに加えてもうひとつ大きなきっかけがありました。
産後の作品撮りで初めて娘と一緒に撮った時のことです。
それまでにモデル復帰に向けて、たくさん私一人の作品撮りをしていましたが、この娘との写真が今までの写真と比べ物にならないくらい柔らかい表情をしていて、写真の自分に驚きました。
その写真を見た時、「あぁ、私ってこんな風に笑うんだ。」と思いました。
今まで撮っていた写真は作られた笑顔だったんだなぁと気づきました。
それまでも楽しかった時のことを思い出して笑ってみたりと自分なりの工夫はしていましたが、感じられるリアルさが足りず、結局なんだか作り笑顔になっていた気がします。
でもこの時から、一人で撮る時も娘が目の前にいる想像をしながら撮るようになり、だんだんと撮りたいイメージに合わせて他の家族や友人を思い浮かべたりもするようになり、笑顔の種類が少しずつ増えてきました。
撮影 陳 亮さん
二つ目はこのようなビューティを撮るときに特に使うことが多いのですが、好な顔をイメージして、自分がその顔だと思ってカメラの前に立ちます。
好きな顔と言いましたが、顔の系統は自分と似ている人のほうが、私の場合は良いものが撮れる気がします。
自分の顔をそのままイメージして表情を作ろうとすると、自分のコンプレックスの部分を考えすぎて、駄目になってしまうことが多くありました。
でも誰かになりきることで、撮っている間は自信が持てます。
撮った後で、憧れの人が作るあの表情とは全然違うな、とがっかりすることもありますが、本人とは違うけど良いのが撮れた!と思うことも多いです。
撮ったものをその場で確認し、修正を話し合います。
最後に、亮さんからスマホ撮影でも実践できる簡単な人物撮影を楽しむテクニックを教えていただきました。
固い表情や、同じ決め顔ばかりで自然な表情が撮れない時は、話しかけながら撮ると自然でバリエーション豊富な表情が撮れるそうです。
亮さんは初めての人を撮る時に、最初の印象を話してみるそうです。
何が好きそうかなと予想して、例えば「日本酒好きそうな感じですよね。」と言ってみたりします。
それが合っていても違っていても「え!?そうですか!?」なんて言いながら表情が自然と緩んでくるそうです。
ぜひ試してみてください。いつもと違った写真が撮れるかもしれませんよ。
左 ヘアメイク 谷本 雄志さん 右 カメラマン 陳 亮さん
私もまだまだ勉強中ですが、モデルを数年やってきた中での気づきや、カメラマンさんの取る側からの視点を載せさせていただきました。
また、お話の中で亮さんがこんな話をしてくれました。
「2、3年前の作品は捨てている。自分でもう見られない。新しいものを作り続けます。3年前を超えられているか。いつも自分と戦っています。他の人と比べるのは好きじゃない。自分と戦ったほうが納得するので。」
この言葉を聞いてとてもプロフェッショナルだなと感じました。
どんな職業でも何かを極限まで突き詰められる人は、こういう考え方をしているように思います。
私も成長し続ける気持ちを忘れないようにしたいと改めて思いました。
ここでお話したことは今の私のベストの考えです。
数年後、もっと良い写真への向き合い方ができる自分に出逢えるように、また頑張っていきたいと思います。
素敵な撮影とお話をしていただいた陳 亮さん、素敵なヘアメイクをしていただいた谷本 雄志さん、ありがとうございました。
(執筆・モデル 清家祥子、撮影 森川創)
関連リンク:
RSIA Photo Studio
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RSIA Photo Studio インスタグラム
https://www.instagram.com/rsia_photography/
フォトグラファー陳 亮
http://ryo-photography.com/
陳 亮 インスタグラム
https://www.instagram.com/ryo_chin_photography/
ヘアメイク谷本雄志 インスタグラム
https://www.instagram.com/tnmtyus/
清家祥子プロフィール
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