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2020.10.27話題・おもしろ

この柑橘類が何にでも合いすぎる! 料理のお供に便利な「香酸柑橘」とは

香酸柑橘サミット実行委員会は 2020年 10月 23日(金)、株式会社新宿高野や株式会社食文化の企画協力を得て『香酸柑橘サミットオンライン』を AgVenture Lab(東京・大手町)にて開催いたしました。

 

皆さんの中で、香酸柑橘という言葉や種類の違いを知っている方はどのくらいいるでしょうか。
生産量が非常に少ないものが多く入手する機会が限られ、またメディアなどでの紹介も少ないため、香酸柑橘について理解している人はあまりいないのではないでしょうか。
香酸柑橘とは、搾って使う調味用の柑橘です。その名の通り、香り高く、酸味があります。
かぼす、ゆず、すだちが特に有名ですが、実は日本には 30種類以上の品種が存在します。
産地では独自の味わい方が根付き、産地外からも近年徐々に注目が集まっています。

 

 

香酸柑橘サミットオンラインは、“搾る”柑橘である香酸柑橘の魅力を掘り下げることをテーマに各産地の香酸柑橘の食べ比べやアレンジ体験、生産者や各関係者のトークセッションを聞くことができる充実した内容になっています。

今回企画で扱う香酸柑橘は、かぼす、長門ゆずきち、へべす、辺塚だいだいの全 4品種。
香酸柑橘は味や香り以外にも、皮や果汁の色などに大きな違いがあります。

 

 

前半では、香りと酸味を基本にしてどこの家庭にもある食材を使って、簡単に食べられる食事を提案していただきました。

最初はシンプルに炭酸水から。炭酸水との組み合わせは、香りと酸味を一番に際立たせることができます。
氷の入ったコップに炭酸水を注ぎ、それぞれの果汁を搾り加えるだけの簡単でシンプルな果汁入り炭酸水ができました。
搾る時は皮を下に向けて搾ると、皮の香りやうま味まで搾り取ることができます。

 

 

続いて、お子さんや強い酸味が苦手な方にもおすすめできるまろやか牛乳・豆乳アレンジです。
レシピは簡単。牛乳、または豆乳 200ccに対して、かぼすの場合は 1/2程度を搾り、混ぜるだけです。
そのまま飲んでもよし、ガムシロップやハチミツ、メープルシロップを入れてもよしの朝食にもぴったりなドリンクができます。

 

大人な楽しみ方として、焼酎に果汁を搾り入れるだけでさわやかな味と香りを楽しむことができます。
ビールに搾っても苦みが緩和されて飲みやすくなるので、苦手な方にもおすすめです。

香酸柑橘を薄くスライスして酒に漬けることでより香りとうま味を凝縮させることができます。

 

香酸柑橘は果物と合わせることもできます。特に梨や柿などが相性が良いです。
そのまま食べても美味しいですが、香酸柑橘の果汁をかけることでまた別の美味しさが味わえます。
果汁を加えることによりさっぱりとした味になるため、重めの食事を食べた後のデザートにもおすすめです。

 

 

これからの季節におすすめなのがアレンジたれを使った湯豆腐。
市販のだし醤油に果汁とピール(柑橘類の皮をみじん切りにしたもの)を加えて湯豆腐のたれを作り、昆布だしの湯豆腐を合わせることで薬味いらずの美味しさを楽しめます。

皮を使用する際は白いワタを外すと苦みが減るのでお好みに合わせて調節します。

同じようなレシピで夏はソバやそうめん、もしくは調味料の代わりに料理に入れる、だしに混ぜてさっぱりした味わいのスープも作ることができます。
産地では味噌汁に入れることもあるようで、どんな料理でも合わせられる汎用性の高さがうかがえます。

 

最後の紹介は、どんこカボスの煮浸しです。
どんこ(肉厚で傘の開きがおおよそ七分までの干し椎茸)を水に浸して冷蔵庫で一晩戻したものを醤油、みりんで煮た後、輪切りにしたカボスを入れて再び煮ます。
カボスは加熱すると苦みが出てしまうので苦手な方はお好みでカボスの輪切りをのせるだけでも美味そうですね。

 

 

後半はトークセッションです。トークセッションは 2つのテーマで前半後半と分かれており、前半のテーマは『産地に伝統として根付く香酸柑橘カルチャー』となっております。

 

 

ゲストの山口さんと共に、誰よりも香酸柑橘に詳しい各産地代表の皆さんにそれぞれ産地での消費方法についてお話を伺いました。
大分かぼすの代表、水内さんはバニラアイスにカボスを加えるオーソドックスな使用方法の他、カボスの果汁で氷を作り酒に入れさらに果汁を加えるというアレンジ方法をおすすめされました。
へべすの代表、黒木さんは癖がなく料理にダイレクトに搾りやすいのでへべすの搾り汁は何にでもかけるようです。

何か物足りないときや味に変化を持たせたいときにおすすめですね。
辺塚だいだいの代表、森田さんは寿司に合わせる醤油に入れて酢醤油風にしたり、焼酎に種ごと搾りいれる他、ポン酢風に使うなら水炊きの鍋に使うことも多いそうです。
辺塚だいだいは 10月より「キリン 氷結ストロング 鹿児島産辺塚だいだい」が期間限定で登場しています。
長門ゆずきちの代表、村田さん曰く、水に果汁を多めに搾るとジュースのような味になるそうです。

香酸柑橘は料理のアクセントとしての使用が多いですが、この方法ならばメインにすることも可能ですね。

 

後半のテーマは『新しい香酸柑橘の広め方』ということで、新たに宮崎県へべす大使第 1号の川崎さんに登壇されて、ポテンシャルの高い香酸柑橘をより多くの方に知ってもらえるように新しい広め方について話されていました。

 

 

現在は県内でそれぞれ地元から広めようと活動することが多いそうですが、川崎さんは県外で行われるマルシェなどの催事に参加し、香酸柑橘を全く知らない人に伝えると広まりやすい、ということに気付いたそうです。
わくわく感、ドキドキ感が伝わりやすいので、メディアを介して情報を得たときよりも期待値が上がりやすいのでしょう。
他にも辺塚だいだいの氷結のような有名商品とのコラボなども新しい試みとしてよい結果が得られたという意見や、より多くの人に手を伸ばしていただけるよう安く作って安く届けられる方法を確立していった方がよいのではないかという意見も寄せられました。

 

身近にある香酸柑橘といえば、ゆず、レモン、ライムなど、おおよそメインになりえない果物というイメージが強かったのですが、工夫と発想次第でいくらでも入れられることがわかりました。

皆さんもぜひ一度、香酸柑橘を食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

(情報提供 香酸柑橘サミットオンライン実行委員会、編集 中嶋杏樹)