先日、銀座にオープンした文房具体験ができるリアルショップ「ancora(アンコーラ)」。
記事でもお伝えしたとおり、プレオープンのショップを実際に体験してきましたので、ご紹介します。
プラス株式会社ステーショナリーカンパニー(以下、プラス) 製品クリエイティブ本部の福田 瑞穂さんにご案内いただきました。
福田 瑞穂さん
福田さん:
アンコーラは、一言で表現すると、ギフトとカスタマイズができる文房具店です。
■アンコーラ My万年筆
まずは、オリジナルの万年筆を作れるエリアをご紹介します。
市販されている万年筆ではなく、自分ならではの万年筆が欲しいということに対応しています。
万年筆ということ、昔は、進学などの贈り物という感じでしたが、今は、使い勝手のよい道具という感じになってきました。
これを再び、ギフトとして見直しましょうとご提案しました。
「アンコーラ My万年筆」のベースになっているのは、セーラー万年筆の入門者向けモデル「プロフィットJr.」で、ペン先には「アンコーラ」オリジナル柄が入ります。
各パーツごとに選べて、いろいろな組み合わせができて、全部で 20万通りのカラーリングの組み合わせが可能です。
(選択肢が多すぎて迷いそう笑)
まずは、金属部分をシルバーか、ゴールドかを選ばれるのがよいと思います。
次に、ボディーや蓋といった面積の大きなところを選んでいただくとよいと思います。
(ホテルのビュッフェのように好きなパーツを選んでトレイに載せていきます)
(パーツを選び終わると、工房で組み立ててもらえます)
(あっという間に完成!)
■アンコーラ限定のオリジナル万年筆
福田さん:
1月から 12月までの誕生石と誕生花を組み合わせた万年筆です。
オープン時では、まだすべての月が揃ってはいませんが、4月、5月、6月をご提供しています。
例えば、4月は、ダイヤモンドと桜で、蓋栓とペン先にあしらっています。
ギフトとして、万年筆を贈りましょうということで、「夫婦万年筆」をご提案しています。
蓋栓にダイヤモンド、ペン先はアンコーラのロゴマークが入っています。
ボディが黒い万年筆はよくあると思いますが、こちらの「銀座ブラック」という万年筆は、古き良き銀座と新しい銀座というコンセプトをイメージして、一見、真っ黒に見えますが、実は透け感のあるこだわりの素材を使用しています。
「紳士なノート」の色合いに合った万年筆を 3種類ご用意しています。
最近、ガラスペンが流行っていますので、ガラス工房まつぼっくりさんに作っていただいたプラチナゴールドをあしらったオリジナルのガラスペンです。
また、コンフェッティバルーンというラメ入りのオリジナルガラスペンもご用意しました。
可愛いペン置きもご用意しています。
セーラー万年筆が展開する 144色のオリジナルインクもご用意しています。
中には逆輸入品もあるんですよ。全色、お試しいただくことができます。
自宅のような雰囲気で試せるように試筆台もご用意しています。
■スケッチブック
カスタマイズ可能なスケッチブックです。
サイズは 3種類、表紙は 5色、4種類の紙、3種類のリングから選んでいただき、その場でお作りいたします。
中身を使い終わった後、店舗にお持ちいただき、新しい中紙とリングをご購入いただいたいた方には、付け替えるサービスも行います。
オキナ株式会社の Project Paperに人気イラストレーター mizutamaさんのデザインを施したものをご用意しています。
カスタマイズ可能なオリジナルのポチ袋もございます。
先ほど登場した日本ノート株式会社の上質な書き心地な「紳士なノート」の紙を使った原稿用紙を 2種類ご用意しています。
インスタグラムなどに書写をアップされる文具女子の方が多いので、小さめの原稿用紙が人気になっています。
万年筆用の短いサイズのペンケースです。
カートリッジも入れられるようになっています。
カートリッジの持ち歩き専用のケースもご用意しました。
細身のサイズが人気のノート、「カ.クリエ」のプレミアムクロスです。
アンコーラのコンセプトにご賛同いただいた三菱鉛筆さんとぺんてるさんのこだわりの色鉛筆やパステルも販売しています。
贈答品を想定して、ラッピングも可愛らしくさせていただいています。
三菱鉛筆さんの色鉛筆 100色は単品でもお求めいただけます。
すべて試し書きができるのも当店の特長のひとつかと思います
1980年代に登場して人気があった文具セット、チームデミが令和に新しく生まれ変わって登場しました。
この新しいチームデミに先ほどご紹介した人気イラストレーター mizutamaさんのデザインをケースにあしらったものをショップ限定として 3種類ご用意しました。
(以上、福田さんのご説明でした。)
■インク工房のワークショップ
福田さん:
月に数回実施を予定しているワークショップで、セーラー万年筆のインクブレンダーの石丸 治さんがお好きなインクを作ってくれるコーナーです。
ワークショップの開催スケジュールはホームページで告知を行い、完全予約制で実施します。(価格は、税込み 3,300円)
編集部:
香水の調香や、カクテル作りのバーカウンターみたいな雰囲気ですね。
石丸さん:
学生時代に、卒業したら一生しないような仕事をしてみたいと思って、夜のお店でウエイターのアルバイトを行っていました。
バーテンダーさんが休んだときにバイトの私が代わりにカクテルを作りました。
初めてカクテルを自分が作るときは、手は震え、足は震え、とても緊張しました。
でも、夜中の 2時を過ぎたころには 10年もやっているような感じになっていました(笑)
この仕事を始めた頃、人前で最初にインクの調合を行ったときは、メスシリンダーやビーカーを使って作っていました。
よい道具ではあるのですが、インクで目盛りが読めなくなってしまうため、長い棒を使ってきれいにタオルで拭いて乾かす必要がありました。
それでは時間がかかってしまうため、何か良い方法はないかと考えあぐねていたときに、ふと、学生時代のカクテル作りのアルバイトのことを思い出して、カクテル作りの道具を使うようになりました。
それ以来、ずっとこのスタイルを通しています。
石丸 治さん
編集部:
バーテンダースタイル、すごく似合っていますよね。
福田さん:
今の数多くの種類のインクの流行を作ったのが石丸さんです。
石丸さんはお話も上手で、イベントを開催するとすぐにいっぱいになります。
石丸さん:
今日はどんなインクを作りましょうか? どんなご要望にもお応えします。
編集部:
実用性がありつつも、春の桜をイメージするようなインクをお願いします。
福田さん、色選び、一緒にお手伝いいただけますか?
福田さん:
はい、喜んで。
(ためし書き その1)
福田さん:
もうちょっと落ち着いた赤みのある色にしてください。
(見た目は黒いインクのように見えますが、グレーのインクを加えています。 ためし書き その2)
福田さん:
もうちょっと暗くしてほしいです。
編集部:
ソメイヨシノよりも河津桜のような感じですね。
(ためし書き その3)
福田さん:
イメージしたような色になりました。こちらでお願いします。
石丸さん:
では、こちらでお作りいたしましょう。
編集部:
自分の好みの色になっていくのって、楽しいですよね。
福田さん:
むちゃくちゃ楽しいです(笑)
石丸さん:
この色に名前を付けませんか?
編集部:
では、福田さんに色を選んでいただいたので、「福田ブロッサム」でどうでしょう(笑)
福田さん:
私の名前が入りました(笑)
編集部:
インクに名前を付けるとどうなるのですか?
石丸さん:
名前と番号を書いたカードをお渡ししますので、インクを使い切った場合に、そのカードを会場に持参いただくか、「セーラー万年筆公式オンラインショップ『セーラーショップ』」( https://sailorshop.jp/)にご注文いただければ、同じものをまた調合してお渡しできます。
ご持参とご注文の違いは、ボトルの違いになります。
編集部:
インクに付けられた名前と番号で同じものを再現できるって、すごいですね!
福田さん:
このボトルが可愛いんです。人気のあるボトルなんです。
編集部:
今、入れた液は何ですか?
石丸さん:
薄め液と呼んでいますが、インクから色の成分を除いた液体です。
一般のお客様がインクを薄められるのでしたら、薬局などで売られている精製水でも構いませんが、微妙に滲みやすくなったり、書き味がカリカリすると思います。
編集部:
今までにどれぐらいのオリジナルインクを作られたのですか。
石丸さん:
一昨年の9月で 2万色を達成し、今は、2万5千色を越えていると思います。
継続は力なり、と言いますが、2万色を越えたときは嬉しかったですね。
2万色をカウントするときは面白がって数えていたのですが、今は数えるのは嫌です(笑)
編集部:
石丸さんがご自身で作ったインクの色の中で一番好きなものは何ですか。
(石丸さんがブレンドしたインクの名前と ためし書き)
石丸さん:
いくつかありますね。
ここにあるのは全部自分のために作った色です。
福田さん:
綺麗ですね。
石丸さん:
いい色ができるとお客様に自慢をするんです(笑)
そうすると、お客様がわけてほしいとおっしゃるんで、私だけのものじゃなくなるので、また、次の色を作りたくなるんです。
そして、またお客様に自慢して…という繰り返しです(笑)
今は、茶色系の色をよく使っています。
はい、インクが出来上がりました。改めてお試しください。
編集部:
ポップなピンクから落ち着いたピンクになりましたね。
石丸さん:
私が作った「桜森」という色に似ています。
遠くから桜の森を眺めたときにこういう色に見えると思います。
1つの色ができると、四季折々の色も再現できないかと思って、16色を作ったのがそもそもの始まりです。
福田さん:
色をお仕事にするって、すごいですよね。
編集部:
自分好みのインクを作ってほしいとか、石丸さんの楽しいお話が聞きたいと思ったら、ワークショップを予約して、アンコーラに足を運ぶのがオススメですね。
福田さん、石丸さん、ありがとうございました!
「ancora(アンコーラ)」概要
〔名称〕ancora(アンコーラ)銀座本店
〔所在地〕東京都中央区銀座6丁目4番8号 曽根ビル1階 TEL:03-6274-6522
〔交通〕東京メトロ各線「銀座駅」徒歩3分、JR「有楽町駅」徒歩8分
〔営業時間〕11:00~19:00
〔定休日〕水曜日
〔公式サイト〕 https://www.ancora-shop.jp/
■プレゼントのお知らせ
プラス様のご厚意により、ancora オリジナルのマスキングテープ(非売品)を抽選で 5名様にプレゼントします。
【応募方法】
・お問い合わせフォーム https://tanonews.com/?page_id=6082 にアクセス
・お問い合わせの種類に「プレゼントの応募」を選択
・お問い合わせの内容に 「ancora マスキングテープ希望」と記載
※楽しいニュースへの感想や取材してほしいことなども記載してもらえると嬉しいです。
・当選者には、こちらからメールにて送付先情報をお尋ねします。
なお、ご応募いただいた個人情報は、送付以外には使用いたしません。
【応募締め切り】
・4月30日23時59分
(取材協力: プラス株式会社、編集・撮影: 森川 創)
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