タカノフルーツパーラー新宿本店では、いろいろなフルーツをテーマにしたイベントを開催しています。
その名も『旅するフルーツ』。
タカノフルーツパーラーで産地を訪れたような擬似体験をテーマフルーツを味わいながら、映像やトークショーを通して産地の魅力が体感できるイベントです。
これまでに 5月 18日に「静岡県産マスクメロン」、5月 25日に「宮崎マンゴー」をテーマに開催されています。
今回、8月 20日に開催された「大分県産安心院産シャインマスカットと大分県産かぼす」に行ってきましたので、ご紹介します。
大分かぼすマスコットキャラクター カボたん
大分県のマスコットキャラクター めじろん
カボたんやめじろんだけでなく、登壇されたのは、タカノフルーツパーラーの方を含めて、大分県庁、観光関係者、地元生産者の方など大分からのリモート出演も含めてなんと、10名。
参加者 15名限定のコースに対して、出演者はこの人数。なんともぜいたくで恵まれたイベントです。
登壇者のみなさん(一部) ※クリックすると拡大表示します
まずは、イベントで提供されたテーマフルーツのシャインマスカットとかぼすのメニューからご紹介。
大分県産安心院産シャインマスカットのジュース かぼす添え
熱を発しないミキサーで絞ったジュースでシャインマスカットの香りや甘さとかぼすの酸味がマッチしたさわやかな味わいです。
大分県産安心院産シャインマスカットのサンドウィッチ
シャインマスカットをカットしてクリームに挟んであります。
果汁がクリームに移ってより美味しさが増しています。
写真下は、シャインマスカットとプチトマトをスライスし、鶏とカッテージチーズ、クルミをオリーブオイルと塩コショウで味付けしたものです。
大分県産安心院産シャインマスカットのカット
上左から マンゴー、桃、スイカ、下左から 梨、かぼす、柿。
酸味の少ないフルーツに合うかぼすです。
あねさん工房(後述)のかぼす100%果汁「かぼすのしずく」に「やまのまりも」で甘さを付けて「かぼす日和」のかぼすのピールをアクセントにした、さわやかな味です。
大分県産かぼすとシャインマスカットのアントルメ
手前がシャインマスカットのテリーヌ。かぼすのコンフィチュールを使用。
奥は、シャインマスカットのチーズケーキ。シャインマスカットの中にクリームチーズベースのケーキが入っています。
大分県産安心院産シャインマスカットのパフェ
シャインマスカットのシャーベットに安心院のシャインマスカットを添えています。
続いて、今日メニューに登場したシャインマスカットとかぼすと、その生産地 大分県、安心院について、各登壇者から解説がありましたので、簡単にご紹介します。
日本のかぼす生産のなんと 98%が大分県で生産されています。
かぼす 3個でレモン 1個分のビタミンCが含まれています。
かぼすを料理に絞ってかけ過ぎても素材の味が残ります。
以前は飲食店や料亭などに卸していたものを、最近は家庭でも使ってもらえるように、東急ストアなどのスーパーに卸して入手してもらいやすくしていきます。
3月から7月は、ハウスもの、8月から2月は、露地もののかぼすが出て、一年中、かぼすは出荷されていますが、今年は、8月 17日から旬入り宣言が行われました。
品種は、大きくわけて、4種類あって、「大分1号」、「豊のミドリ」、「香美の川」、「祖母の香」です。
かぼす と すだち と ゆず の比較すると、かぼすは甘みが多く、まろやかな酸味が特徴です。
味噌汁や焼き魚などにかぼすを使うのが特にオススメです。
皮を下にして絞ると、かぼすに含まれているエッセンシャルオイルが果汁と一緒に入って香りをより一層楽しむことができます。
安心院は、2013年、農業遺産に認定を受けた自然豊かな土地です。
農家に泊って農家の生活を体験するというグリーン・ツーリズム誕生の地で、毎年多くの観光客が訪れています。
安心院は盆地で朝晩の温度差が美味しいぶどうに適しています。
観光農園も多く、ぶどう狩りも行われています。
ぶどうを使ったワイン造りも盛んで、三和酒類を代表とする葡萄工房もあります。
シャインマスカットの栽培面積も年々増えてきて、ビオーネ(37% )に次ぐ、第2位(29%)になっています。
あねさん工房は、「やまのまりも」や「かぼす日和」といったかぼすを使った加工品を作って、6次産業化を進めている工房です。
工房からのオンライン中継もありました。
源泉数、湧出量ともに日本一を誇る大分県。
※クリックすると拡大表示します
温泉数だけでなく、入浴方法・活用方法もバラエティ豊かです。
観光スポットとしては、宇佐神宮、岳切渓谷、原尻の滝、稲積鍾乳洞や、「サウナのまち」宣言をした豊後大野市などがあります。
東京・有楽町にある大分県のアンテナショップ「坐来大分」(ざらいおおいた)は、レストランも併設されています。
『旅するフルーツ』のトリは、楽しいニュースではおなじみのフルーツクチュリエの森山登美男さん(以下、森山さん)によるカッティングレクチャーです。
■タカノフルーツパーラー/森山登美男フルーツクチュリエによるレクチャー
タカノフルーツパーラー フルーツクチュリエ 森山登美男さん
青果商を営む実家の家業に携わったあと、1978 年株式会社新宿高野入社。
タカノフルーツパーラー新宿本店のカウンターチーフとして、パフェをはじめ数々の商品開発を手掛ける傍ら、新宿高野のカルチャー教室の講師を務める。
テレビ・新聞・雑誌などのメディア露出も多数。
https://takano.jp/parlour/
森山さん:
柑橘系のフルーツは切り方がみな同じです。シャインマスカットは、皮ごと食べられるので、いろいろな切り方ができます。
まずは、かぼすから。半分に切る場合は、横から水平に切ります。
ここから3等分に切るのは少し難しいです。切る前に頭でイメージしてから3等分に切ります。
飾り切りをいくつかご紹介します。
基本は、片方の端の白いわたを取ります。これを取ると曲がりやすく加工しやすくなります。
切ったものをグラスに指してみます。
次は輪切りです。割切りの真ん中から途中まで切り目を入れてグラスに入れると、立体感が出て見た目がかなり変わった感じにできます。
では、次はシャインマスカットのカッティングです。
安心院のシャインマスカットは高いですが、値段の高いフルーツは美味しいと覚えておいてよいです。
ぶどうの場合、普通、枝の部分が枯れていなくて若くてきれいなものが美味しいとされていますが、シャインマスカットの場合は、枝の色は美味しさとはあまり関係がありません。
このサイズであれば、4分の1まで切ってもあまり味は変わりません。
それ以上に切ると食味がなくなります。厚い方が美味しいです。
ぶどうの真ん中にペティナイフを指して切ってヤマにして一周切っていきます。
ゆで卵の要領で切っていきます。帰りにぶどうをひと房かってきて、35粒、練習すれば完璧にマスターできます(笑)
十字に切って、ゆっくり開くと花切りができます。(下記写真左)
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次回の『旅するフルーツ』は、長野県産ぶどうをテーマに 9月 28日に開催予定です。
興味がある方は、参加してみてはいかがでしょうか。
タカノフルーツパーラー新宿本店『旅するフルーツ』: https://takano.jp/parlour/event/detail/11119/
(取材協力: タカノフルーツパーラー新宿本店、撮影・編集: 森川 創)