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2022.05.09話題・おもしろ

明るく楽しく「推し活」しよう! 推し活のためのキャビネットを企画したディノス 井上 奈美さんにインタビュー!

アイドルやアニメのファン活動として若い女性の間で流行し、2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「推し活」は、今や幅広いジャンルと幅広い世代で使われる言葉になりました。
そんな「推し活」をサポートするキャビネットを企画・担当している株式会社DINOS CORPORATIONが運営する通販ブランド「ディノス」(以下、ディノス)の家具・収納セクションの井上 奈美さん(以下、井上さん)を取材しました。
また、ディノスについて、広報本部広報室の山本 真成美さん(以下、山本さん)にもお話をお聞きしました。
インタビューには、楽しいニュースではおなじみのモデルの清家 祥子さん(以下、清家さん)に同席してもらいました。

 

左から 山本 真成美さん、清家 祥子さん、井上 奈美さん

 

—– 井上さん、簡単に自己紹介していただけますか

 

井上さん:
井上 奈美と申します。2008年に新卒で入社して、そのままずっと商品開発の仕事をしています。
好きなことを仕事にしようと考えて、叔父が編集者だったこともあって、編集の仕事にあこがれがあったのですが、それと同じぐらい モノを選ぶことや、買ったり、考えたり、洋服を選んだりすることが好きだったので、デザイナーのような仕事もしたいなと思って、その両方できるのが通販業界だと思いました。
通販の中でもディノスは、企画だけでなく、売り場を作ることも全部自分でできる点も自分には向いていると思い、決めました。

 

 

—– 生粋のディノスっ子さんなのですね

 

井上さん:
いえ、そうでもないような(笑) 独特のスタンスで存在しているかもしれません(笑)
家具・収納セクションという部署に所属して、メインは商品企画ですがバイヤーの仕事も行っています。
商品の企画も売り場づくりも全部自分で行います。
自由な社風ということもあり、今日ご紹介するようなユニークな商品も企画できるんです。

 

 

—– 最近、「推し活」ってブームですよね

 

井上さん:
私は 30代半ばですが、私の友人たちで、ここ 2,3年で少しずつ推し活を始める子が増えていて。

関心の先が洋服や化粧品ではなくて、推し活に向けられてきていることを感じました。
友達は、「推し」の話をしているとき、楽しそうでイキイキとしているんです。

「推し活=推しを想う純粋な気持ち」に心を惹かれて、自分も何らかの形で推し活中の方を応援出来たら、と思いました。
また、テレビの情報バラエティー番組でも推し活について取り上げられていて、推し活という現象自体に関心がムクムクと湧いてきて、商品を企画しました。

 

 

—– すんなり企画は通ったのですか

 

井上さん:
商品決定の会議がカタログを出すタイミングや商品を販売する前に毎回あるのですが、その会議に向けて、マーケティング視点でのプレゼンテーションを行います。
推し活を応援というだけではテーマがふんわりと漠然としているので、推し活を具現化するために、本当にニーズがあるのかとか、どういうものを収納したいのかを知りたくて、ディノスのインスタグラム アカウント「dinos_housestyling(https://www.instagram.com/dinos_housestyling/)」で から、「推し活していますか?」「推し活で収納のお困りごとはありますか?」というアンケートをとりました。
会議では、そのアンケート結果から具体的な内容を強化し、理論立てて説明して、承認をもらいました。
決定してからは、会社の人たちもみなみんなノリノリで協力してくれました。

 

 

—– 井上さんご自身の推しはいらっしゃるのですか

 

井上さん:
私は何かにハマりたかったのですが、ずっとハマれなくて…(笑)
だからこそ、推し活をされている方の行動が気になったんです。
なんでそんなに純粋に想う気持ちに溢れているんだろう?とか。
商品を売り出すまでは、いろいろな人にこの疑問をぶつけてみていましたが、気づいたらそんな私も昨年の夏ごろからテレビのオーディション番組から誕生した とあるボーイズグループにハマってしまいました。
ちょうどコロナワクチンの副反応がキツくて何もできなかったので、そればっかり観ていたら、気づいたら、すごく好きになって、めちゃめちゃお金を落としていました(笑)
ファンクラブに加入し、有料配信やミュージックビデオを観たり、、、今日も朝、観てきました。

なんでこんなに好きなんだろう、ってそればかり考えてますね。

 

 

山本さん:
大学生の頃は、K-POPアイドルにハマった時期もあったのですが、社会人になってからは特に好きなアイドルやアーティストがいなくて…
本当は誰かにハマりたいんですけど(笑)

 

清家さん:
私は高校 3年からミスチルにハマって、CDをデビューから全部集めて並べていました(笑)

 

—– こちらの商品について詳しく教えてください

 

井上さん:
去年の 7月に第 1弾として収納庫を販売しましたが、韓流にハマっている女性など主に 40代から 50代を購買層と想定していたこともあり、このサイズの商品でした。

 

■想いを集める 推し活グッズ収納庫 オープン ハイ 幅80cm
https://www.dinos.co.jp/p/1357101236/

 

■dinosのおすすめ家具をご紹介! -推し活収納庫編-
https://www.dinos.co.jp/catalog_s/dinosoflife/review/oshikatsudana/

 

この特集ページには、1つの商品としては、想像を超えるアクセス数がありました。

 

アクセスを分析してみると、20代から 30代の方が多くて、商品サイズや価格のミスマッチが起きていると感じました。
本当に推し活をしている 20代後半から 30代のメイン層のために、使いやすくて、置く場所をとらない、もうちょっとライトなものを作りたいと思いました。

テーマは、すばり #推しの祭壇 です。
twitterとかで、この言葉に反応している方がかなりいました。

 

 

清家さん:
今日のインタビューに来る前にネットで 推しの、と入力したら第 1候補にすぐに #推しの祭壇 という言葉が出てきました。

 

井上さん:
推しの祭壇をみんな作りたいという表れなんですよね。
私の上司は40代の女性なのですが、K-POPをすごく推していて、その上司がこういうのが欲しいと考えたのが最初の案でした。
上司が欲しい機能を全部詰め込みました。
上司は既婚者で旦那さんの目も気になるとの話があり、普段は閉じておくと、一見普通のワゴンのようになります。

 

 

開けると、推しのための空間が広がります。
いつも推しを感じていたいので、その祭壇の推しと一緒に移動できたらいいんじゃないかと、キャスター付きにしました。

 

 

【商品名】推し活ワゴン たっぷりタイプ 
【税込価格】26,500円
【カラー】ライトグレー、ホワイト
【サイズ・重量】本体幅 34cm 奥行 34 高さ 69cm・重量 9kg
【商品URL】http://www.dinos.co.jp/p/1103101659/

 

何を収納させたいかと考えたときに、推しへの想いをいっぱい詰めたいということをテーマにして、小さいながらも遊べる仕様や推しのために収納したいものが収納できるということにこだわっています。

 

 

具体的には、アクリルスタンドのためのステージを用意しました。
たとえば、グループだったら、その日その日でメンバーを集めてステージを作ったり、推しが誕生日だったら、ケーキを置いて、おめでとうって祝ったり、それを写真に撮って SNSにアップするといった利用シーンを想定しています。

 

※アクリルスタンドのイケメンは、実はディノスの社員のみなさんだそうです

 

サンプルでは、このグループの結成1周年を動物と一緒にお祝いするという体(てい)で作ってみました。
蓋の裏側にマスキングテープで雑誌の切り抜きやポストカードを貼ることができるので、裏側も推しでいっぱいにすることができます。

 

 

可動式の棚は、奥行きにこだわっていまして、アイドルやグループによって様々な特典、たとえば、特典付きDVDのサイズでも置けるようなサイズにしています。

 

 

ライブで販売している Tシャツやタオルのような布製品も仕舞えるようなフリースペースもあります。

向かって左上の部分にはチェキやトレーディングカードが挿せる溝をほってあります。
奥にはカードファイルを収納できます。

 

 

ライブやコンサートの会場に放たれる金テープ・銀テープを巻いて 100円均一などで売っている専用ケースに入れて保管できます。
団扇や雑誌・写真集を収納できるスペースもあります。
棒には、リストバンドやキーホルダーをひっかけておけるようになっています。

 

 

高さは、新幹線の折り畳みデスクと同じくらいの高さで、上にタブレットなどを置いて 推しの動画配信などを観たりするのにちょうどいい高さにしています。

色は、お見せしているのはグレイですが、ホワイト色の販売も予定しています。

 

 

サンプルチェックの際、社内の推し活中の社員たちからフィードバックをもらって、「トレーディングカードを入れたい」とか「絶対、団扇は入れたい」といった声を反映しました。

 

—– 推し活以外にも利用できそうですね

 

井上さん:
こちらの商品は、推し活中の方に向けて企画しましたが、手芸をする方にも、細かいパーツや生地ごとに収納できるので便利だと思います。
この仕様は、趣味がある方に合うものかもしれませんね。
ハンドメイドをする方の中には、ハンドメイド販売サイトなどで売りたいと思う方もいると思います。
アクスタステージはそのための撮影場所としても使えると思います。

この商品は、アイドルやミュージシャンのような 「人」を推している方に向けて企画しました。
誰かを推している方たちは、見せたいというより、思いを残しておきたい、思いを集めておく場所がほしいということをよく聞きます。
普段は隠しておきたいし、宝箱のようにしておきたいのです。
アイドルでも K-POPでも俳優さんでもスポーツ選手でも、特定の方を思う気持ちが強い推し活をしている方に男女問わず使ってもらえたら嬉しいです。

 

 

—– 続いて、会社のことを少し教えてください
ディノスというとフジテレビの通販番組によく登場するので、フジテレビと関係があるのですか

 

山本さん:
そうですね、当社はフジテレビを含むフジサンケイグループのメンバー企業として、総合通販事業「ディノス」等を展開しています。

 

—– どんな会社ですか

 

井上さん:
仕事については、容赦なく任せてくれる会社です(笑)
入社した当時は商慣習も何も知らなかったので、ちょっと戸惑ったりしたのですが、慣れてしまえば、こんなに自分に裁量を与えてもらえるのはありがたいと思うようになりました。
商品担当のため、主に中国ですが、海外に出張に行く機会が多かったのですが、海外に行くと日本とは違う世界を経験することができて、知見を広げてもらったと感謝しています。
中国出張のときは、田舎までやってきて生きて帰れるのかしらと思ったこともありましたが、気づけば、中国の新幹線も一人で乗ることができるようになっていました。
中国語も最初はわからなかったのですが、出張で耳が慣れてしまったのか、単語の意味がわかるようになって、何を言っているのかおおよそつかめるようになっていました。

 

山本さん:
商品企画を担当される方の中でも井上は、いろいろな部署に声をかけて、周囲を巻き込んでいく力があり、モノづくりに対する思いが強いタイプで、憧れの先輩です。

 

井上さん:
できないことが多いので、できることでなんとか生き延びている感じです(笑)
入社した頃、当時の上司に(良い意味で)「あなたの能力は、(レーダーチャートの)五角形にならないので、足りないところは他の人の力を借りて補う練習をしていかないと」と言われたことがあります。
みなさん、お願いすると協力的にやってくれるので、ありがたいです。

 

 

—– おおよそでけっこうですが、社員の男女比はどれぐらいですか

 

山本さん:
部署によってばらつきもありますが、だいたい半々という感じです。

 

—– コロナ禍でテレワークされている方もいらっしゃるのですか

 

山本さん:
出社率はざっと 6割ぐらいです。
EC(Eコーマース)やマーケティングの部署は、PCがあれば特に業務にも支障が出ないことが多いのでテレワークが多い傾向がありますが、商品を扱っている部署では、商品サンプルを確認したり、出社を伴う業務も多いので、出社されるケースが多いですね。
テレワークと出社のハイブリットワークで、それぞれの良い点を活かして仕事をしています。

 

井上さん:
商品企画の場合、大いに影響がありましたね。
人との会話の機微からヒントを得たりしますので、リモート会議よりも、実際に会うほうが良いですね。

 

 

—– 会議室の前にフリーアドレスのお席が広がっていて、おしゃれな印象ですね

 

山本さん:
総務部門が中心となって、約 1年前にこのようなフリーアドレスのオフィスに順次改装して変えていっています。
ファミレスやカフェのような席、モニターが設置されている席、仕事に集中しやすい席など、その日の仕事内容に合わせて席を選べるようになりました。

 

井上さん:
明らかに生産性が向上しました。残業も減っていると思います。
遅くまで会社に残っている人もいなくなりました。

 

山本さん:
フレックスタイム制を導入しているので、出社時間も帰社時間もバラバラで、集中して仕事を行い、サッと帰るという感じです。
自主性が必要になってくるので、受動的に仕事を行ってきた人にはちょっと大変かもしれません。

 

井上さん:
フリーアドレスになって、しゃべる人が増えました。
今までは同じ会社といっても仕事上、しゃべる機会がない人も多かったのですが、フリーアドレスで隣に座る人とは、必然的に何かしゃべることになるので、それは良かった点ですね。

 

 

—– 制度上の特徴はありますか

 

山本さん:
あらかじめ許可をとれば、副業も認められています。
最近、始まった制度では、リカレント制度というのがあります。
スキルアップやキャリア形成をしたいという場合、一時的に休職して、語学留学したり、資格取得のための勉強をしたりできる制度です。
あと、今流行りのワーケーションも可能です。

 

井上さん:
私はサテライトオフィスが使えるのがとても便利です。
家だとどうしてもテレビを観てしまったり集中力が続かないこともあって…(笑)

 

—– 最後に、こういったことをやってみたいという希望はありますか

 

井上さん:
商品開発の仕事は、これからも続けていきたいですね。
2つの軸があって、思いっきりヒットを狙っていくものと、何か新たな提案をしていくものと両方あります。
ヒットを狙いにいくものについては、徹底的に人の暮らしに根差して、1つ1つ細かな理由まで調べてベーシックに作っていきたいと思っています。
もう一つは家具でも何でもそうですが、売るものを通じて、こういう生活ができますよ、ということを伝えていければと思っています。
その方の暮らしが、心がワクワクするようなものを世界観とともに売り出していきたいなと思っています。
どういう時間が過ごせるかとか、どういう日々が楽しいかとか、そういったものを通じてお届けしたいなと思っています。

 

—– ありがとうございました!

 

 

取材を終えて、清家さんの感想:

作っている井上さん自身が、とても楽しそうに商品を語られていて、そんなワクワクがつまっているからこそ、私たちの家に届いた時にもワクワクする商品ができているのだろうなと思いました。

そしてそれができるディノスさんの社風も素敵だなと感じました。
少し気持ちが冴えないときは、自分で自分をわくわくさせられそうなものを取り入れるのもよいかもしれませんね。

今回紹介していただいた推しの祭壇は、まさにワクワクが詰まっていますね。

 

(取材協力: 株式会社DINOS CORPORATION、モデル: 清家 祥子、撮影・編集: 森川 創)