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2022.05.31話題・おもしろ

書道アーティスト 原 愛梨さんに独占インタビュー!

初めての個展「零ーはじまりー 書道アーティスト 原愛梨展」を開催された書道アーティスト 原 愛梨さんを記事でも取り上げましたが、個展開催期間中、原さんご本人にインタビューしてきましたので、ご紹介します。

 

原 愛梨さん

 

—– テレビ朝日の「激レアさんを連れてきた。」(2020年11月2日放送)で、初めて原さんを拝見しました。書道アーティストになるまでのことを番組で詳細に取り上げていましたね。

 

テレビ初出演ではなかったのですが、自分の人生をあそこまで掘り下げて紹介していただいたのは初めてでした。
放送前に番組スタッフの方に、どうやって書道と出会ったのかとか、小学生時代・中学生時代はどんな子でしたかとか、いろいろと質問されました。
自分でも覚えていないエピソードは、私の友達にも聞き出したり、事前にかなり調査されていました。
番組を通じて、あらためて自分はこういう人生を歩んできたんだと知ることができました(笑)

 

 

—– テレビ出演後の反響はいかがでしたか。

 

多くの反響があってビックリしました。
「応援してます!」といったコメント、メッセージが何百件も届きました。
私のことをそんなに応援してくれていていいの?と思いながら、コメントを読んでいました。ありがたかったです。
今回の個展にも「激レアを観て、やってきました!」という方もたくさんいらっしゃいました。

 

—– 激レアさんでも触れられていましたが、2歳のときから書道を始められたんですね。

 

3歳上に姉がいまして、その姉が書道をしていました。
なんでもマネをしたがりの私は姉を見て書道を始めた、ということを母から聞きました。
「始めたからには絶対に1番を取りなさい」というのが母からの教えでもあり、また、小さいときから私自身も負けず嫌いな性格ということもあり、それ以来、今日までずっと書き続けてきました。
小学生のときは、書道で有名人になりたいと思っていました。
大学は、九州で唯一、書道コースのあった福岡教育大学に進学しました。
卒業したら書道家になるぞ!と思っていたのですが、家族に書道家では食べていけないから、ちゃんと就職しなさいと言われて、話し合いの末、1年間は働きなさいと言われて、銀行に就職しました。

 

 

—– 銀行も書道コース出身の学生をよく採用しましたね。

 

そうなんです。私も運がいいなと思いました(笑)
あとから聞いた話では、「本当に笑顔がいいね」と言われました(笑)

 

—– 書道家になってからの日常を教えていただけますか。

 

読まれた方には絶対に参考にはならないと思いますが、普段の生活をご紹介します(笑)
私は、3日に1回ぐらい眠れば大丈夫なタイプで、2時間ぐらい眠るだけでも平気なんです。
起きている時間はひたすらずっと書いていたりします。
その中でも自分の中でアドレナリンが出て一番 仕事がのってくる時間帯は、深夜の 12時から朝の10時ごろです。
みんなが寝ている時間に腕を磨いて頑張ろう!という気持ちになるんです(笑)
その時間は、集中力が非常に高まって没頭しています。
音楽もかけずに無音状態でひたすら書き続けています。

 

 

 

—– 出来上がった作品をご自身で見てどう思われますか。

 

満足したことは 1回もありません。
もちろん多少達成感はあるのですが、もっとこうしたいとか、次はこういう作品を書きたいとか、次から次へと課題が思い浮かびます。

 

—– 作品のアイデアはどんなときに考えられるのですか。

 

たとえば、お風呂に入っているときや普通に散歩しているときなどにパッとアイデアがひらめきます。
常に考えている状態なので、日常生活の中でひらめいたアイデアを逃さないようにすぐにメモしたりしています。
寝る時間も「今日はどんな夢が出てくるかな?」と考えながら寝ています。
夢はけっこう覚えているタイプで、それをすぐ作品にしています。
先日も夢の中に、火の鳥が出てくる風景が出てきて、書きたいと思いました。

 

 

—- 原さんの作品には骸骨がよく登場しますね。

 

1つのキャラクターを確立させたいと思い、考えたテーマが「ジェンダーレス」で、がしゃどくろの夜のあやかしという作品を作りました。
人間の骨と漢字というのはすごく相性が良く、また、骸骨というのは男も女も皮を剝げばあとは骨ということもあり、自分のテーマであるジェンダーレスにぴったりで、骸骨の作品を書くようになりました。
今回の作品も赤ちゃんの骸骨の姿でキャラクターにしたものを展示しています。
制作にあったって「解体新書」を読んで参考にしたりしました。

 

 

—– 苦労することはありますか。

 

書道をまったくわからない人に「書道の良さ」「書の上手さ」をどうやってわかってもらえるかを伝えることが一番大変だと感じていました。
今所属している事務所も、書道専門の事務所ではないですし、担当のマネージャさんに書道の良さをわかってもらい、そして、一般の人にもわかってもらうのにすごく苦労しました。
わかってもらうために絵と書を組み合わせることが大きかったと思います。
個展にもお客様が立ち寄ってくださいますが、「書道ってこんなことができるのですね」、「自分は書道も芸術も興味がないと思っていたのに、たまたま通りがかって、立ち寄ったら感動して泣いてしまった」、「(お客様の名前を絵にした際には)自分の名前がこれほど重みのあるものだったと改めて気づかされました」、「書がわからない自分にもこれなら訴えかけてくるのが伝わる」というコメントをいただきました。

大学時代は、自分のために自分が満足するまで書くということをしていましたが、銀行勤務を経て、現在、人に見てもらえるような立場になって、自分の満足のために書くものではなく、人に伝わって初めて作品として成り立つということに気づきました。

 

 

—– 一般の人が字をきれいに書くコツを教えていただけますか。

 

きれいな字を書くために、書写の本を買って練習すればよいと思っている人が多いと思います。
でも、やっていくうちにだんだん適当になってきて、1冊こなすという作業になっていってしまうと思います。
一番書きたいきれいだと思う文字を脳内文字で構成させていくのが良いと思います。
脳内文字を構成というのは、頭の中で、書きたい文字のきれいなイメージを持つという意味です。
手を動かすことはもちろん大事ですが、目を鍛えて見ることが大切です。
たとえば、ひらがなのきれいな「あ」を脳内にイメージできないと、実際にきれいに書けないのです。
既にきたない文字で覚えてしまっていても、きれいな文字のイメージで脳内を上書きすることができます。

 

 

—– 楽しいニュースの読者にメッセージをいただけますか。

 

私は今できること・やりたいことをやることが大事だと思っています。
私が 20代の前半の頃は、「海外に行きたいけど、お金を貯めてからそのうち行こう」と思っていましたが、今は、動けるうちにバンバンやりたいことをやったほうがよいと思うようになりました。
今年の4月に、ニューヨークに行きましたが、なぜもっと早くに行かなかったんだろう、と後悔しています。
もっと早くに来ていれば、もっとたくさん刺激を受けるし、作品ももっと変わって進化していったので、みなさんには、やりたいと思ったときにすぐに動いて経験したほうがよいと思います。

 

 

—– 最後に今後、やってみたいことを教えていただけますか。

 

平面だけでなく、立体・空間・デジタルなどを組み合わせた作品作りに挑戦していきたいと思います。
海外でも個展を開きたいと思っています。
また、書道以外の芸術にも触れて刺激を得ていきたいです。
それから、ヘリコプターに乗って空にも文字を書いてみたいですね(笑)

 

—– 今後ご活躍も楽しみですね。ありがとうございました!

 

 

(出演: 原 愛梨、取材協力: ツインプラネット、撮影・編集: 森川 創)

関連リンク:

原愛梨 初個展「零ーはじまりー 書道アーティスト 原愛梨展」6月1日まで表参道「SPAGHETTI」にて開催
https://tanonews.com/?p=40741
激レアさんを連れてきた
https://www.tv-asahi.co.jp/geki_rare/