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2022.09.18話題・おもしろ

全国公開中の『川っぺりムコリッタ』出演者のみなさんの爆笑舞台挨拶を取材しました！

新型コロナの影響で、公開が何度も延期となり、ついに 9月 16日に全国公開を果たした映画『川っぺりムコリッタ』。

左から吉岡秀隆さん、満島ひかりさん、松山ケンイチさん、ムロツヨシさん、荻上直子監督

楽しいニュースでは、『川っぺりムコリッタ』についてこれまで何度も記事でお伝えしていましたが、9月 17日に行われた出演者のみなさんと監督が登壇した舞台挨拶を取材しましたので、ご紹介します。

登壇されたのは、吉岡秀隆さん、満島ひかりさん、松山ケンイチさん、ムロツヨシさん、荻上直子監督の５名。

松山ケンイチさん：
公開してお客様に届けるまでが僕たちの仕事だと思うんですが、本当にこの日を迎えられるまでは、ずいぶん時間がかかってしまったんですが、こうやって無事公開できてホッとしています。

ムロツヨシさん：
やっとこさ、やっとこさ、この映画を届けられることを嬉しく思います。
個人的なことを言いますと、この映画のあと、自分が主演の映画を２本を撮影して、「荻上前」と「荻上後」と呼んでいますが、自分の役者観が変わった最初の作品をみなさまに観ていただいくことになりました。

満島ひかりさん：
昨日公開初日を迎えて、こうやってお客さんの前に立てることが嬉しいです。
荻上監督の、人と動植物を同じ目線で世界を描かれているところや、映画の中に不思議がいっぱい映っているところがすごく好きな作品でした。

吉岡秀隆さん：
みなさん、笑顔で過ごしていらっしゃいますか？
こういう時代だからこそ、荻上ワールド全開のほっこりする映画が生まれたんだと思います。

荻上直子監督：
脚本を書き終えたのが 2017年で、やっと、やっと公開できて、みなさんのお顔を見れて嬉しいです。

—–　演じられた山田（松山さん）と島田（ムロさん）の関係性は？

松山さん：
ムロさんは好きな俳優さんで、以前も共演させていただいた大切な仕事仲間ですが、（ムロさんの役の）島田に関しては、いきなり部屋に入ってきて「風呂貸してくれ」って言って、やっぱり断りますよね。
自分が同じ立場だったら断るだろうなと。
どんな気持ちで言ってきたんですか？

ムロさん：
自分の中にも少しだけある寂しさをごまかす、孤独の恐怖を何とかして見て見ぬふりをするために、、、、、とにかくお風呂入りたかったんだよね～(笑)

松山さん：
「これ食べて～」ってトマトときゅうりを島田が持ってくるのですが、それが命をつないでくれたところがあったと思うのです。
それに対する感謝として自然に出てきたんだと思います。
それを狙って、トマトを栽培していたんですか？

ムロさん：
それは狙ってないと思います(笑)
食わないと死ぬぞ、と思うぐらいの関係性だと思います。
二人の関係性ができてから、一緒にごはんを食べるシーンはワクワクしました。
会話が盛り上がるわけでもないのですが、ごはんが美味しかったんです、本当に。
荻上監督との毎日の戦いも楽しかったです。緊張感とやりがいと毎日交互にやってきてました(笑)

—–　満島さんはいかがですか

満島さん：
共演したこともある大好きな俳優さんばかりで、富山の良い景色の中で撮影していました。
撮影中によく虹が出ていました。そんなことも荻上さんの作品らしいなと。
ムロさんが可哀想で可愛かったです(笑)

ムロさん：
それ、どの紙面でもどのテレビでも言ってたでしょ？(笑)

満島さん：
ピンクのＴシャツが汗で濡れているんです。
いつもよりもちょっとだけふっくらとしていて、可哀想だな～と思って、その姿が可愛かったです(笑)

ムロさん：
可哀想で可愛いって、どうこと？(笑)

満島さん：
敗北感がある男がさまようように歩いている(笑)
いつもよりちょっと優しかった、気がします(笑)
トマトときゅうりが投げ込まれたシーンで、色がなかった世界に色が鮮烈にバーンって入ってきて「野菜～っ！」って立ち上がりたくなるような感じになりました。

松山さん：
野菜が口に入った瞬間に溶けてカラダの細胞が取り込もうとする感じでした。
食べるってこういうことなんだなと。
せっかくこういう機会なので、何日間か食べないでおこうと思って、それで野菜を食べたらどうなるんだろうってやってみたら、取り込もうと不思議な感じでした。

—–　吉岡さんはあのシーンを振り返っていかがですか

吉岡さん：
僕、お肉食べてないです。僕はネギと白滝でした。
だから、松山さんが食べて白目を剥く姿は本当に羨ましかったです(笑)
カットがかかるたびに、みんな美味しい、美味しいって言ってましたけど、僕はまったく食べてないです。

荻上監督：
私は撮影後に１枚、いただきましたよ。

吉岡さん：
僕はそのとき表に出されていて、僕のなんですけどね(笑)

ムロさん：
どのカットでも一番食べさせてもらっているのが自分です。
ものすごく美味しかったです(笑)

吉岡さん：
味がしみこんだ美味しい白滝とネギでした。

ムロさん：
だからあんな悲しそうな顔をされてたんですね(笑)

—–　みなさんにとって、ささやか幸せとは？

松山さん：
寝るときとかかな？寝入る瞬間が好きなんですが、いろいろなところで言ってきたので、何か違うことはないかなと思ったのですが大したことが思いつかなかったので、（考えつくまで）ムロさんにバトンタッチ！

ムロさん：
スゴイ幸せなら、この映画の公開なんですが、ささやかな幸せなら、ちょっと涼しくなり始めている晴れの日のジョギングとか。
台風が近づいていますが、日本中のみなさまが「台風過ぎればムコリッタ」って言い合っているじゃないですか(笑)

満島さん：
ちょっとずつ、いっぱいありますね。
今日のように舞台挨拶で好きなみなさんと集まって、いいオベベ（洋服）を着て、元気な姿を見て、近況を聞いたりとか。

人に会うって楽しいですね。少しお話をするだけでも。
沖縄育ちなのですが、台風の目に入ると、みんな移動し始めて、レンタルビデオ店に集まって戻るといった幸せとか。

吉岡さん：
コロナ禍で、ロケ中になかなか外に食べにけなくて、ビジネスホテルで独りぼっちで配給されるお弁当を食べるわけですが、お弁当の中に青い甘いお豆の代わりに、濃い味のナポリタンが入っていたときは、幸せだなと。
青豆の代わりに、今日は、春雨ときゅうりとハムのサラダが入っていて「ヤッター！」って、ささやかな幸せって、まあ、そんなことじゃないですか。
僕、あまり豆が好きじゃないんです…。

荻上監督：
夕方５時になったら、プシュー、パーッと（ビールを飲むことです）。

松山さん：
ありました！　ロケ地の富山で待機場所にテントを張っているんですが、その中に近くに住んでいる野良猫が僕たちがいるのにも関わらず、入ってきて、モノを漁ったり、昼寝するんです。
その瞬間が幸せだなと。猫も自然な振る舞いをしてくれるほど、僕たちが風景の一部になっていることに幸せを感じます。

荻上監督：
その猫、（映画に）出演しています。

松山さん：
会場にいるみなさん、もう１回、映画を確認したほうがいいですね。
僕も忘れていましたね。

—–　最後に一言お願いします

松山さん：
江口のり子さんがどこに登場したか、わかりましたか？
（会場からわかったとの反応があって）
江口さんも喜ぶと思います。
撮影中も、江口さんがどこに出ているか、みんなわからないんじゃないかと言っていたんですが、「いいやん、面白いやん」と言ってました。

映画館から出た後で、何かが残っているような作品だと思うので、自分自身の小さな幸せをどれだけ実感できるか、発見できるかが必要になる時代がやってくると思っていて、そのいいヒントになる作品だと思います。
そういうのって、言葉にできない、言語化できないものだと思うのですが、言語ではないモヤッとしたあいまいなものを届けていつまでもみなさんの中に残っているのが映画の理想だと思います。
この作品を気に入っていただけたら、たくさんの人に紹介していただければなと思います。