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2022.10.04科学・Tech

毎日を元気に生きるために、たんぱく質の必要性とその摂り方の秘訣 クリニック院長を務める現役医師・栄養摂取における専門家が解説!

 

前回に続いて、ウエルネス総合研究所主催の2回目のオンライン勉強会に参加しました。

 

様々な患者を診療してきた現役医師で、テレビでもおなじみの姫野友美先生による たんぱく質の重要性についてわかりやすい解説と、また、毎日の食事から栄養摂取することの大切さを伝えている管理栄養士の板垣好恵先生からは、普段の料理を手軽に高たんぱく質が摂取できる方法について解説いただきました。

 

■「ドクターに聞く!今こそ知りたい、生きていく上でのたんぱく質の役割」 姫野 友美先生

 

姫野友美先生のプロフィール

ひめのともみクリニック院長/心療内科医
東京医科歯科大学医学部卒業。
九州大学医学部付属病院心療内科などを経て、2005 年ひめのともみクリニック開設、2006
~2021 年日本薬科大学漢方薬学科教授就任。
ストレスによる病気・症候群やオーソモレキュラー栄養医学に基づいた「栄養療法」などに関するコメンテーターとして各種メディアにて活躍中。

 

体は、異化(体が壊れること) と 同化(体を作っていくこと)を繰り返しています。
しかし栄養素を与えることで、異化 = 同化が同じであれば、健康で快適な生活を長く送ることができます。
異化 > 同化のように異化が同化を上回ると病気を発症したり老化します。
異化 = 同化であるためには、栄養(材料)が必要です。

人間の寿命は年月とともに短くなっていきます。
一般的な病気発症は、栄養の欠損やストレス、加齢によってホルモンが乱れ、自律神経異常や免疫低下となり、ホメオスタシス(生体恒常性)が乱れて、発病します。
体は、60%の水分、20%のたんぱく質、15%の脂質、5%のミネラルでできています。
そのたんぱく質には、大別すると、2つの働き方があります。
1つは構造たんぱく質で、脳・血液・血管・内臓・骨・筋肉・皮膚・組織となっています。
もう1つは機能たんぱく質で、酵素・ペプチドホルモン・輸送たんぱく質、受容体たんぱく質、免疫たんぱく質、筋収縮性たんぱく質があります。

 

脳は体重の中で 2%しかないのですが、休憩時の器官別エネルギー消費率をみると、18%と多くのエネルギーを消費しているのがわかります。

 

セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった脳内物質がバランスよいと、気分が安定して楽しく、認知機能も保てます。つまり、栄養を整えると脳も整います。

 

脳内ホルモンの原料はすべてたんぱく質です。

 

効率よくたんぱく質を摂取するためには、バランスよくアミノ酸を摂る必要があります。
プロテインスコアでは、プロテインパウダーや卵が 100で、次いで、アジや牛肉が続きます。
たんぱく質の中でも動物性たんぱく質と植物性たんぱく質は 2:1の割合で、また、動物性たんぱく質でも肉と魚は 1:1で摂るのが効率のよい摂り方です。
たんぱく質全体の中でも動物性たんぱく質摂取の割合が、50%未満の場合、平均寿命が短く、70%以上でも動脈硬化性心疾患のリスクが増えます。

夕方よりも朝に十分なたんぱく質を摂取しているほうが、筋力が高く、また、朝のたんぱく質の割合と筋肉量・筋力の間に相関関係がみられます。
朝のたんぱく質摂取量が日常的に少ない高齢女性を対象に朝もしくは夕方のチーズなどの乳たんぱく質摂取介入研究を行ったところ、夕方に比較して朝の乳たんぱく質の摂取により、四肢筋肉量やASMIの増加がみられました。
朝のたんぱく質摂取で、筋体内時計やオートファジーを介して筋肥大が促進されます。
自己免疫力を高める栄養素は、たんぱく質、特に硫黄を含む動物性たんぱく質、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムです。
免疫は、皮膚や粘膜により物理的な防御壁、免疫細胞による病原体の排除(自然免疫)、抗体産生などによる病原体の排除(獲得免疫)があります。
皮膚、粘膜、免疫細胞、抗体、いずれもたんぱく質でできています。

 

■「毎日の食事でたんぱく質を効果的に補給するコツ」 板垣 好恵先生

 

板垣好恵先生のプロフィール

管理栄養士 上級食育アドバイザー
大手料理教室に 6 年間勤め、延べ 2000 人以上の生徒を担当。
エリア統括責任者、本社でのヘルスケア事業部責任者を経て 2015 年に独立。
自身の妊娠・出産経験から、プレママ~産後ママの食生活や、子どもの発育における食育の重要性を実感し、食育活動に注力する。

 

たんぱく質を多く含む食材は、主に、肉・魚介類・乳製品・卵・大豆製品に多く含まれるので、毎食これらを摂ることを意識することがポイントになります。
同じお肉でも種類ごと、部位ごとにたんぱく質の含まれる量に差があります。

 

1日あたりどれぐらいのたんぱく質を摂ればよいか、生活習慣病の発症予防のために現在の日本人が当面の目標として 1食 30g程度は摂りたいところです。
たとえば、普段の朝食の場合、下の写真の例では、タンパク質量は、18.1gです。

 

たんぱく質の目標量を満たすのが難しく、不足しがちな栄養素です。
そこで、手軽に料理の栄養価をアップさせることができる「粉末たんぱく質」の活用が注目されています。
粉末たんぱく質には、乳由来、大豆由来、魚粉由来のものがあります。

 

 

いつもの料理を高たんぱく質にするレシピとして、たとえば、粉末たんぱく質をプラスすると、目標量の 30gになります。

 

朝食例

 

昼食例

 

夕食例

 

たんぱく質は、健康作りに欠かせない大切な栄養素です。
毎食で肉・魚介類・卵・乳製品・大豆製品などたんぱく質食材を取り入れることを意識し、「粉末たんぱく質」などもうまく活用しながら効率よくたんぱく質を補給していきましょう。

 

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ウエルネス総合研究所:
人生 100 年時代を迎えたいま、健康寿命を延ばし、豊かな人生を送ることへの社会的関心はますます高まっています。
私たちウェルネス総合研究所は、独自の視点で健康・ウェルネスに関する情報の収集・集積・発信をしてまいります。

 

公式HP: https://wellness-lab.org/

 

(情報提供: 一般社団法人ウェルネス総合研究所、編集: 森川 創)

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