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2022.10.18話題・おもしろ

[更新] 世界で活躍する16名の現代作曲家による新作合唱曲の初演演奏会『松下 耕と世界 今を生きる作曲家の群像』

■編集部注

・CD販売情報を追加しました。(10月 18日)

 

今回の全演曲は CDとして販売されています。

 

東京国際合唱機構 出版事業部(EditionICOT) 楽譜販売サイト:
https://www.km60th.icot.or.jp/shop

 

ーーーーー 以降、10月 16日公開分

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

一般社団法人東京国際合唱機構(以下、ICOT)は、10月 14日に東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアルにて、世界で活躍する 16名の現代作曲家による新作合唱曲の初演演奏会「松下 耕と世界 今を生きる作曲家の群像」が開催されました。

 

松下耕さん Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

日本を代表し、世界的に活躍する作曲家・合唱指揮者である松下耕さんの還暦を機に、これまで深い関係を築いてきた世界各国の作曲家から新作の合唱曲が届けられました。
演奏会では、これらの作品を一挙に「初演」することを通して、世界の合唱音楽の現在地を体感することができました。
世界 12か国・地域の 16名の作曲家によって作曲されたものです。
その 16名は合唱作品で現代を代表する作曲家のみなさんで、多くは合唱音楽が盛んなヨーロッパで活躍されています。
日本からは、合唱愛好家の間で非常に人気の高い作曲家・千原英喜さんの作品が演奏されました。

16の新作合唱曲は、混声合唱 10曲、女声合唱 3曲、男声合唱 2曲、児童合唱 1曲。

作曲家それぞれの多様なバックグラウンドから生み出された、ユニークな作品が揃いました。
今回の曲はすべて、「信仰、希望、愛、友情」という一つのフレーズから発想を得て作曲されたもので、心の底から湧き上がるような美しい声と声が重なり合う合唱の喜びが伝わりました。

 

前列 作曲家のみなさん Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

■曲目
【1】⋯ de longinquo ⋯(彼方より)
作曲:Gyorgy 0rban 歌唱:東京メトロポリタン合唱団

 

【2】 Tantum ergo (大いなる秘蹟)
作曲: EriksEsenvalds 歌唱:東京メトロポリタン合唱団

 

【3】Lignum vitae (命の木)
作曲:Rihards Dubra 歌唱:オルフェウス男声合唱団

 

大きな木のように枝を広げる人間の命は、常に天から降り注ぐ英知とともにあり、命の花は咲き乱れ、英知に満ちた果実が熟して、幸せに満ちるという歌詞です。

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

【4】 Fides, Spes, Amor, Amicitia(信仰、希望、愛、友情)
作曲: John August Pamintuan 歌唱:オルフェウス男声合唱団

 

今回のテーマをタイトルにした曲です。
Pamintuanさんは、1日でこの曲を書き上げ、松下さんに動画を送付したところ、松下さんは涙が止まらないと絶賛されたそうです。
友情は愛で花開く、愛は希望によって育まれ、希望は信仰によって強められ、信仰は友情の礎である、といった歌詞です。

 

 

【5】 Four glances at the sky(空の4つのきらめき)
I. Who has seen the wind?(だれが風をみたでしょう?)
1I.Eternity (えいえん)
III. On a starlit night (ほしふるよるに)
IV. 0 lux(幸いなる光)
作曲:Vytautas Miskinis 歌唱:みなみ野キッズシンガーズ

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

【6】 Arise my love, my beautiful one (立て、恋人よ、美しいひとよ)
作曲: Ambroz Copi 歌唱:メトロポリタン声楽アンサンブル

 

恋人よ、美しいひとよ、立って出ておいで、ごらん冬は去り、雨の季節は終わった、という歌詞です。

 

 

【7】 Nativitas Mundi(字宙の誕生)
作曲:Urmas Sisask 歌唱:メトロポリタン声楽アンサンブル

 

宇宙の創造主であり祝福者である神よ、あなたのお創りになった宇宙に感謝します、といった歌詞です。
パーカッションも加わった珍しい合唱曲でした。
作曲者で唯一療養中のため、出席されなかったUrmasさんは、天体観測が好きで、自宅に音楽天文台を建て、プラネタリウムまで作ったそうです。

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

【8】 BATZUETAN (時には)
作曲: Javier Busto 歌唱:メトロポリタン室内合唱団

 

今生きている私たちの現代は、希望は行き来するものではないでしょうか。
時には、球根のように地面に埋もれていて、その上に私は立って、花を眺める、とても美しい。
希望が庭を行ったり来たりしている、時には希望が私の中に戻ってくる、という歌詞です。

 

 

 

【9】 Beati mundo corde (心の清い人々は、幸いである)
作曲: Levente Gyongyosi 歌唱:メトロポリタン室内合唱団

 

「マタイによる福音書」からとられた歌詞です。

 

【10】 Agnus Dei(神の子羊)
作曲:Matteo Magistrali 歌唱:メトロポリタン室内合唱団

 

カトリックのミサ曲のひとつで、平和の賛歌と呼ばれています。
平和や喜び、平穏といった目標を常に追い求めることは、私にとって信仰を超えたすべての人間に対する最大かつもっとも素晴らしい希望のメッセージです、とMatteoさんはおっしゃってます。

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

【11】 IGNIS CARITATIS(愛の火)
作曲: Damijan Mocnik 歌唱:聖セシリア女声合唱団

 

中世ドイツの修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンさんの歌詞です。

 

【12】Psalmus XV(詩編第15番)
作曲:Barna Szabo 歌唱:聖セシリア女声合唱団

 

旧約聖書の150編の神への賛美の詩を歌詞としています。

 

【13) Every child has known God(どの子も神を知っている)
作曲: Ivo Antognini 歌唱:聖セシリア女声合唱団

 

14世紀のペルシャの詩人が書いた詩が歌詞になっています。

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

【14】 Aaronic Blessing (アロンの祝祷)
作曲:Pawel Lukaszewski 歌唱:東京メトロポリタン合唱団

 

【15】A Mountain Spring(山の湧泉)
作曲:Stephen Leek 歌唱:東京メトロポリタン合唱団

 

美しい風景、小鳥のさえずり、天が開かれ、雨が谷を満たし、泉が湧いて、雷鳴のクライマックスへとつながる曲です。

 

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

【16】 Kyrie(キリエ ミサ・ブレヴィス”クアトロ・ラガッツィ” -旅の日の天正遣欧少年使節より)
作曲:千原英喜 歌唱:東京メトロポリタン合唱団

 

千原さんの座右の銘は、「歌声は時空を超えて、音楽は愛と祈りのマンダラ宇宙」だそうです。

 

千原英喜さんのコメント:
この(会場の)空間が、合唱人や作曲家も今、世界はこういう動きをしているんだと、カオスのようで刺激が多いと思います。
人生いろいろなことがありますが、一日一日新しいものに向かって誕生する音楽から再生・復活・誕生といったことをこめて音楽をやってきたいと思います。

 

【出演者プロフィール】

Photo:YAMAGUCHI,Atsushi

 

音楽監督・指揮:松下耕さん
1962年東京生まれ。作曲家、合唱指揮者。国立音楽大学作曲学科首席卒業。
卒業後、ハンガリーに渡り、合唱指揮法及び作曲法を学ぶ。レメーニ・ヤーノシュ、モハイ・ミクローシュ他に師事。
作曲家として生み出している作品は、世界各国で広く演奏されており、同じく楽譜も、国内外の出版社数社(カワイ出版、パナムジカ、東京国際合唱機構(以上日本)、カルス出版(ドイツ)、スラソル出版(フィンランド)、サンタバーバラ出版(アメリカ)など)から出版されている。
これまでに、国内およびポーランド、中国、台湾において個展が開催された。
中国・深圳では深圳交響楽団によりオーケストラ作品の初演も行われた。
指揮者としては、東京合唱アライアンス(耕友会)芸術総監督として13団体の指揮を務めている。
各合唱団は精力的な活動を繰り広げ、ヨーロッパ、アジアの数々の国際合唱コンクールにおいて、グランプリ等優秀な成績をあげている。
また、関西耕友会、台湾・台北メールクワイアの音楽監督も務めている。
2005年、合唱音楽における国際的かつ優れた活動が認められ、「ロバート・エドラー合唱音楽賞」をアジア人で初めて受賞した。
2017年、バルセロナで開催された世界合唱シンポジウムの芸術委員を務めた。
第85回(2018 年度)NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲「出発」を作曲。通算5曲目。
2019年、国際コダーイ協会シンポジウム(マレーシア)にて、基調講演を行なった。
2020年、イタリア合唱指揮者協会の名誉会員となる。
また、同年、フィリピンの作曲家パミントゥアン氏らアジア各国の4人の音楽家と共に「アジア合唱協会」を設立、創設理事となる。
現在、一般社団法人東京国際合唱機構代表理事。耕友会芸術総監督。軽井沢国際合唱フェスティバル総合音楽監督。
日本国際合唱作曲コンクール芸術監督。東京国際合唱コンクール総合プロデューサーおよび芸術監督。
イタリア合唱指揮者協会名誉会員。アジア合唱協会創設理事。
Interkultur World Choir Council日本表評議員。東京都合唱連盟理事。
日本作編家協会会員。日本合唱指揮者協会会員。国際コダーイ協会会員。
神戸女学院大学特別客員教授。

 

ピアノ:前田 勝則さん
山口県に生まれる。東京学芸大学教育学部芸術課程音楽専攻卒業。
東京芸術大学大学院音楽研究科首席修了、修了時にNTTドコモ奨学金を授与される。ピティナ・ピアノコンペティションデュオ部門特級最優秀賞受賞をはじめとして、多摩フレッシュ音楽コンクール、日本室内楽コンクール、吹田音楽コンクール、大曲新人音楽祭コンクール、かずさアカデミア音楽コンクールなどに上位入賞。
また、NHK-FM「土曜リサイタル」、東京文化会館新進音楽家デビューコンサート、ABC 新人コンサート、日演連推薦/新人演奏会などのオーディションに合格、演奏会に出演。
これまでに、大阪フィルハーモニー交響楽団、広島交響楽団、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉と共演。
現在、ソロ、室内楽、及び声楽・合唱のピアニストとして活発な演奏活動を繰り広げている。

 

パーカッション:幸西 秀彦さん
岡山県岡山市出身。国立音楽大学音楽学部器楽学科打楽器専攻を卒業。
打楽器を岡田知、佐藤英彦氏に師事。
1998年新星日本交響楽団に首席打楽器奏者として入団。
2001年4月合併に伴い、東京フィルハーモニー交響楽団打楽器奏者に就任し 2019年 3月まで務める。
「岡田知之打楽器合奏団」を経て1997 年より「ミラクル・パーカッション・アンサンブル」、「アンサンブル・シュピーレン」のメンバー。
現在、国立音楽大学教授、洗足学園音楽大学容員教授、日本打楽器協会理事。東京音楽クラブ主宰。カノウプス吹奏楽エンドーサー。
その他、劇団四季等のミュージカル、スタジオ等のプレーヤーとして、また、学生や一般の吹奏楽やオーケストラのトレーナーとしても活動している。
吹奏楽コンクール、アンサンブルコンテスト、日本管打楽器コンクール等審査員歴任。

 

パーカッション:及川 真由美さん
国立音楽大学卒業 卒業後、リンバ奏者としてリサイタル開催や各種演奏会への出演の他、フリーランスのプレーヤーとしてオーケストラ、ミュージカル、レコーディング等で活動。
打楽器アンサンブルでは岡田知之打楽器合奏団、ミラクル・パーカッション・アンサン
ブルのメンバーとして国内外で演奏活動を行い現在アンサンブル・シュピーレン主宰。

 

合唱:合唱集団 THE MET
演奏会に出演した合唱団は、松下代表理事が音楽監督を務める 13の合唱団で活動するメンバーによって構成された「合唱集団 THE MET」です。
この合唱団は 異なる構成の 6つの合唱団にわかれていて、演奏会ではそれぞれの曲の編成に応じた合唱団が出演します。

混声は
“The Metropolitan Chorus of Tokyo(東京メトロポリタン合唱団)”
“The Metropolitan Chamber Choir(メトロポリタン室内合唱団)”
“The Metropolitan Vocal Ensemble(メトロポリタン声楽アンサンブル)”、
女声は
“St.Cecilia Vocal Creators(聖セシリア女声合唱団)”、
男声は
“Orpheus Men’s Choir(オルフェウス男声合唱団)”という名称で活動を続けている。
この演奏会では、児童合唱団「みなみ野キッズシンガーズ」も参加し、演奏する。
これまでの活動は、2015年、アメリカ・ソルトレイクシティで行われたアメリカ合唱指揮者協会の全米カンファレンスで招待演奏、2016年、韓国・釜山国際合唱コンクールで招待演奏、2017年、第50回記念和歌山県合唱祭で招待演奏、2018年、新日本フィルハーモニー交響楽団とベートーヴェン第九交響曲を演奏など、精力的な活動を続けてきた。
また、2015年より、新たな合唱音楽のレパトリーの発信と合唱音楽の更なる普及を目的とし始まった「日本国際合唱作曲コンクール」の受賞作品の世界初演を担当している。

 

■世界で活躍する 16名の現代作曲家による新作合唱曲の初演演奏会

『松下 耕と世界 今を生きる作曲家の群像』
開催日: 2022年 10月 14日(金)
会場: 東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル
主催: 一般社団法人東京国際合唱機構( ICOT)
主管: 「松下 耕と世界」実行委員会
・特別協力: 東京電化株式会社
・後援:
ハンガリー大使館
リスト・ハンガリー文化センター
在日スイス大使館
駐日エストニア共和国大使館
駐 日リトアニア共和国大使館
駐日スロヴェ ニア共和国大使館
東京都合唱連盟
日本合唱指揮者協会(JCDA)
・後援予定:
駐日イタリア大使館
駐日スペ イン大使館
フィリピン共和国大使館
ポーランド広報文化センター
駐日ラトビア共和国大使館
在日オーストラリア大使館
・音楽監督・指揮: 松下 耕
・合唱: 合唱集団 THE MET
・ピアノ: 前田 勝則
・パーカッション: 幸西 秀彦、及川 真由美
・今回初演された作品を作曲した 16名の作曲家(カッコ内は出身国・地域):
イーヴォ・アントニーニ(スイス)
ハビエル・ブス ト(バスク)
アンブロジュ・チョピ(スロベニア)
リハルズ・ドゥブラ(ラトビア)
エーリクス・エシェンヴァルズ(ラトビア)
レヴェンテ・ジェンジェシ(ハンガリー)
ステ ィー ヴン・リーク(オーストラリア)
パヴェウ・ウカシェフスキ(ポーランド)
マッテオ・マジストラーリ(イタリア)
ヴィタウ タス・ミシュキニス(リトア ニア)
ダミヤン・モチュニク(スロベニア)
ジェルジュ・オルバーン(ハンガリー)
ジョン・オーガスト・パミントゥアン(フィリピン)
ウルマス・シサスク(エストニア)
バルナ・サ ボー(ハンガリー)
千原 英喜(日本)

 

(情報提供:『松下 耕と世界 今を生きる作曲家の群像』広報事務局、一部編集: 森川 創)