楽しいニュース.com

世の中の明るいニュース、あつめました!

2022.11.29科学・Tech

中田英寿氏がオープニングセッションに登壇した「クールジャパンデータ &デジマケまつり 2022」が 11月 21日〜 24日の期間で開催! 2023秋にも開催決定

2022年 11月 21日(月)〜 24日 (木)まで、日本政府が推進するクールジャパン戦略のデジタルシフト機運を高めるオンライン &オフラインイベント「第 1回クールジャパンデータ &デジマケまつり 2022」が開催されました。

イベントは大盛況のうちに終了し、2023年秋に「第 2回クールジャパンデータ&デジマケまつり 2023」が開催されることが決定しました。

 

 

オープニングセッションに中田英寿氏が登壇

 

株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANY 代表取締役 中田英寿氏(写真左)

Vpon Holdings 株式会社代表取締役 篠原好孝氏(写真右)

 

開催初日 11月 21日のオープニングトークセッションとして、株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANY の代表取締役である中田英寿氏が登壇しました。

当日は、日本の伝統文化を世界に発信する際の課題や、ビッグデータやデジタル技術を活用することでの世界市場展開の可能性について語られました。

 

中田さんが現在の活動に至った背景

 

 

中田氏:

サッカー引退後、いろいろ何をしようか悩みながら世界中を回っていました。

お金を稼ぐことというよりも、自分が情熱をささげられるものを探していました。

その中で、いろいろと日本のことについて聞かれました。

そこで日本に対する意識が非常に強くなり、勉強しようと日本へ戻りました。

 

日本の文化に結びつくものとは何か考えてみると、各地に根付く伝統産業が思い浮かびました。

それらは何百年も続いている伝統物で、オンライン化されていないものも多いことに気づき、日本全国の旅を始めました。

 

日本酒の魅力・可能性・課題とは

 

 

中田氏:

全国の農家さんや日本酒の蔵を回った時に思ったのが、みんな何百年も続いている=家族経営が多いことです。

元々は地場産業で、自分達の村や町にものを販売しています。

そこには流通コストもかからず、知ってもらう努力をしなくても周りの人たちはみんな知っている状況です。

そこから時代が続く中で、問屋さんなど流通を手掛ける人達が登場し、力を持ち始めました。

でも生産者の方は流通の詳細がどうなっているのかは知らないままでした。

 

そしてインターネットが登場し、流通を超えてダイレクトに消費者と繋がれる環境ができましたが、生産側は流通コストもPRの仕方もわからないということが起こりました。

この問題を解決するためには、まず日本にしかない『日本酒』から始めてみた方がいいと考えました。

一番いい状態で飲んでもらうために自分なりにできることは何かと活動を始めたというのが、今の日本酒の仕事を始めた理由です。

 

日本酒では日本の法律だと「清酒」と決められていたり、緑茶=日本というイメージのせいか海外で作られた緑茶も日本だと思いこんだりするなど、世の中の認識と現実が合っていないということが起こっています。

日本酒を海外に輸出するときに何を見るかというと、日本食レストランが一番多い場所です。

日本食のお店が増える=日本酒の需要も増える ことに繋がります。

輸出を伸ばそうとする時に、日本の食材をいきなり海外に持って行っても使う場所がないと当然ながら使われません。

日本のプロダクトをもっと伸ばしていきたいと思うなら、より訪日外国人の数を増やしていき、その国に和食等のお店も増やしていくということが手っ取り早い方法です。

 

日本茶の魅力・可能性・課題

 

 

中田氏:

日本茶の素晴らしさの一つは、長い歴史があることです。

日本には長く続いている歴史がたくさんあって、それが日本の魅力にもなっているのではないかと。

しかし、日本酒やその他の伝統産業にもいえますが、昔から長く続いているゆえに、適正な価格設定などビジネスの形に合うような商材を作ることができていません。

アルコール以外の飲み物には水、ジュース等ありますが、それらはアルコール程の利益を出すことは難しいです。

しかしお茶の場合は、中国や台湾等で高いものが売られているように、とても価値があります。

それにも関わらず、なかなか商材になり得てない。そこに可能性を秘めていると思います。

 

一方で、ここ50年くらいでお茶の生産農家は 10分の 1に減っています。

ペットボトルが増えてきた結果、茶葉の平均単価も 2分の 1に落ちています。

それだとやっていけないので、どんどん農家さんもやめていく…ということに。

しかし、コンビニに行ってみると、お茶が占める販売割合は結構多いです。

コーヒーや水よりも売れていて、マーケティング的には需要があることがわかります。

生産農家さんを助けるためには、まずはしっかりとした価格体系を作り、レストラン等の利益商材と合わせていくことも必要です。

食事に合うお茶をちゃんと作るべきじゃないかと。

 

お茶の海外輸出は日本酒と同じくここ最近伸びています。

それを加速させるためにはデータをうまく活用し、情報発信をして、流通を繋げていくことが必要です。

 

データの活用法 デジタルマーケティングについて

 

 

中田氏:

僕たちは海外輸出の時、お酒を一本単位で全てトラッキング(追跡)しています。

どの国の、どの地域のどのレストランに何本あるのか、何が売れているのかをブロックチェーンを使って調べています。

トラッキングしたデータを解析し、蔵元に返していくことによって、生産の効率も上がります。

 

僕たちが作るブロックチェーンは、日本酒だけでなく日本茶、あらゆる商材にも活用できます。

情報発信、流通をきちんとした上でのマーケティングデータを生産者に還してあげることが重要なポイントだと思い、開発を続けてきました。

QRコードを使って商品の判別をしたり等の例はありますが、システム側をきちんと作っていれば、データ活用に使う道具は何を使っても良いと思っています。

業界の問題を解決するために、ブロックチェーンやアプリ活用など、まずは業界の仕組みを変えていくことから始めれば、今後100年、200年続いていくだろうというのが僕の考えです。

 

今後のテクノロジーの進化・期待について

 

 

中田氏:

テクノロジーの進化によって、取れるデータは年々増えてきていると思います。

しかし、データを取れば成功するかというと必ずしもそうではなく、データを取りすぎた結果、それを上手く読める人間がいないということもあります。

データを何のために取るのか、前提条件がはっきりしていないのです。

データを取る、というのはいわゆる「方法」です。

実際にデータを読む力を持つ人を増やしていかないと、難しいと思います。

データの活用性は重要さを増していますが、それを業界と共に繋げることが大事ではないかと思います。

データの扱い方、読む力は今後も必要になってくるでしょう。

 

 

■11 24 トークセッション 概要

 

 

11月 24日は、ところざわサクラタウンからオンラインで配信。

「大阪いらっしゃい」と題したトークセッションで、大阪観光局の溝畑宏理事長は、アジア No.1都市を掲げている背景や 2030年までのロードマップを説明。

2025年に開催する万博に向けて、「万博のテーマである SDGsを大阪から世界に発信するために、データを裏付けながら説明していく必要がある」とデータの必要性を示しました。 

 

 

インバウンド観光振興のセッションでは、日本政府観光局の蔵持京治理事長代理が文化観光におけるデータの利活用について

「無形文化でも有形文化でも、効果検証して次に繋げるところができていない」と課題を指摘。

文化庁の飛田章参事官は、

「ホームページを作っても、どんな情報にアクセスが多いかなどメンテナンスが大事。

目的意識を持ってデジタルツールを活用することが必要」と加えました。

 

 

海外での日本ブーム創出に関する「クールジャパンの底力」と題したトークセッションでは、J リーグ、オタフクソース、くまモン、コメに関わる団体・企業がデジタルマーケティング事例を紹介。

モデレーターを務めた株式会社 ADK エモーションズの谷瑤氏は、各企業の成功事例を総括し「どのようなデータを取り、誰のデータを取るのかが大事」とデータ利活用の重要点を強調しました。 

 

 

クールジャパンデータ &デジマケアワード最優秀賞決定

 

 

クールジャパンに関するデジタルマーケティング先進事例を表彰する「クールジャパンデータ &デジマケアワード」の表彰式では、ファイナリスト 3社が最終プレゼンを行い、新潟県国際観光推進課と株式会社ゼロインによる「訪日外国人旅行者を新潟県に呼び込むためのオーガニックでサステナブルなデジタルマーケティング」が最優秀賞に選ばれました。 

今後も公式ウェブサイト(https://www.cooljapan-digitalmktg-festival.com/ )内にて、アーカイブ動画や次回開催詳細が公開予定です。

 

 

(情報提供:Vpon JAPAN 株式会社、クールジャパンデータ &デジマケまつり実行委員会 編集:R.T.