ファッションに関心があっても、たくさんある服の中から自分に似合うものが一体どれなのかわからない、といった声をよく聞きます。
自分らしくありたいと願いつつ、ファッションで失敗したくないという気持ちもあって、昨年あたりから Z世代を中心に 20代・30代の関心が急に高まってきた「骨格診断」と「パーソナルカラー診断」。
今回は、「骨格診断」と「パーソナルカラー診断」その両方のサービスを受けることができる大丸松坂屋百貨店の松坂屋 上野店 ファッションナビに行ってきました。
担当していただいたのは、松坂屋上野店ファッションナビの眞野妙子さん(以下、眞野さん)、今回、体験したのは、モデルの久米まおさん(以下、久米さん)です。
左から モデル 久米まおさん、眞野妙子さん ※撮影と診断の時だけマスクを外しています。
診断のために、久米さんはベースメイクだけして、チークとリップはほんのり付けている程度にしています。
久米さん:
セルフ診断はやったことがありますが、カウンセリングを受ける診断は初めてです。
事前の予想では、私は、イエベ(イエローベース)の、春(スプリング)か秋(オータム)のどちらかかなと思ってます。個人的に好きなのは秋です。
眞野さん:
肌の色で、イエベか、ブルベ(ブルーベース)かが決まります。
瞳や髪の毛の色もポイントになります。肌の質感によってさらに分かれていきます。
イエベのオータムは、秋の紅葉や柿やミカンを思わせるような ような黄色がたっぷり入っているイメージです。
黒やグレーは入っていなくて、茶色が入っています。
緑も入っていて森や大地を思わせる落ち着いた雰囲気です。
スプリングは、明るく鮮やかで透明感があり、春のお花畑を連想するような可愛い雰囲気です。
ブルベのサマーは、真夏という感じでなくて、青みがかった涼しそうで爽やかな、初夏の紫陽花やパステルカラーが特徴です。
カラーチャート
眞野さん:
ウインターはサマーの逆で、色がはっきりとしていて強く、黒や真っ白が含まれていて、コントラストがはっきりとしてメリハリを付けてかっこよくクールなものが特徴です。
久米さんの目の色は黄色やオレンジが含まれた茶色ですね。
7色の布を順番に当てていきます。
※クリックすると拡大表示します
眞野さん:
サマーのパステルピンクを当てると、顔色が白くなったのがわかります。
オータムのサーモンピンク、スプリングのカーネーションピンク、ウインターのマゼンタピンクです。
どの色が似あうかというのは、布(洋服)の色が顔に写ったときに自然に見えることがポイントになります。
自然さが大事です。似合わないと青白くなってしまいます。
似合うと血色がアップして元気に見えます。
当てる色によって、顔のラインがくっきりはっきり見えたり、顔のラインがぼやけたりします。
顔の色が変わるのは、布に当たる光の反射によるものです。
イエベは、赤味を加えてくれるので、血色の弱い人は健康的に見えるようになります。
久米さんはイエベが合いそうですね。
眞野さん:
続いて、ベージュの布を使って、肌の血色をみてみましょう。
サマー、黄色がたっぷりのオータム、ほんのり黄色のスプリング、グレーベージュのウインターです。
イエベの明るいスプリングと深めのオータムと違いがありますが、深いほうが顔立ちがはっきりとする気がします。
眞野さん:
赤はオータム、スプリングから先に見ていきましょう。質感を注目してみます。
オータムのトマトレッドという深い色合いです。
肌の質感がしっとりとなめらかな感じです。艶っぽくみえます。
久米さん:
好きな色が当たってました!(笑)
眞野さん:
好きな色が似あうのは最高です。
ちなみにサマーの色はスイカの色でみずみずしくて、少し薄い感じの色です。
ウインターの色は採血したときの、ちょっと黒が混ざった血の色です。
オータムのほうが暗いながらもツヤを出してくれます。
久米さん:
自分では気づけない質感ですね。
肌をきれいに見せたいですものね。
眞野さん:
カラー診断というと、色が変わっていくというイメージがありますが、質感も大事です。
調子の悪いときこそ、似合う色を着たほうがよいですよね。
逆に肌の調子が良いときは、違う色に冒険してみてもよいかもしれませんね。
やっぱり久米さんはオータムで間違いないようですね。
瞳(黒目の色)や髪の毛もブルベにすると青っぽく、グレーっぽく雰囲気が変わってしまいますので、二番目に似合う色はスプリングで間違いないですね。
久米さん:
簡単に診断できるんですか?
眞野さん:
今まで何千人も診てきましたが、最初の段階で、ブルベかイエベか微妙な方もいらっしゃって、たまに迷います。
久米さん:
プロでも迷うんですか?
眞野さん:
迷います、迷います(笑)
久米さん:
プロでも迷うのでしたら、個人で迷うのは当然ですよね。
眞野さん:
青の場合は黄色味がほしいというのが第1のポイントで、肌がワントーン アップします。
ウインターが一番苦手な感じで、深めの色のほうがなじみやすそうですね。
眞野さん:
レモンよりも落ち着いたやさしく見えるマスタードのような色がなじむかもしれないですね。
四季のグループで選んでしまうと、自分の好みの色がないと悲しいですから、たとえば、オータムだったら、その特徴であるやわらかい色を選ぶようにアドバイスすることもあります。
久米さん:
サマーの中でも紫とか好きです。
眞野さん:
次のステップでは、オータムの中でも似合うベストカラーを絞り込んでいきます。
久米さん:
ベストカラーを使うタイミングは、ここぞ、というときに使うんですか?
眞野さん:
たとえば、会社にお勤めの人なら、取引先に初めて行く日とか、第一印象をよく見せたいときが良いですね。
モデルさんなら、オーディションで肌をよく見せたいときですね。
久米さん:
オーディションのときに面接官から「今日のコーデのポイントを教えてください」と質問されることがあります。
今までは「この服が好きなんで…」と答えていましたが、これからは、「肌色がよく見えるようにこの服を選びました」と自信をもって答えられます!(笑)
苦手な色でも使いたい場合は、ボトムスなど下に使えばよいですか?
眞野さん:
そうですね。下にある色は顔に反射して映ってこないですね。
上の場合はメイクができますので、チークをしっかり塗ってリップをのせてカバーするというやり方もあります。
眞野さん:
続いて、骨格診断を行います。
説明のあと、バランスをみながら、ボディータッチをして診断します。
眞野さん:
骨格診断は、首から下の特徴をみていくものになります。
体の中でボリュームのあるところと、出づらいところを見極めていきます。
肌を触ったときの感触は人によって全然違うのですが、その肌の質感からも似合うものが変わってきます。
ストレートタイプは、体の前後に厚みがある人です。
胸元やヒップのうしろに突き出しがある人です。
筋肉がつきやすいので厚みが出てきます。
触ると張りがあって弾力があり、メリハリがあって上半身の上側にボリュームがあります。
ウエーブタイプはストレートタイプの逆で、前後に厚みがなく薄い人です。
張りではなくやわらかくなります。緩やかなボディーラインで重心は少し下側に偏ります。
ナチュラルタイプは、骨格と関節がしっかりとしています。
個人差がありますが、肘、膝、手の指の第二関節とかが筋張っている方です。
久米さん:
骨格診断は、正面から判断するものだと思っていましたが、側面の厚みから診るのですね。
眞野さん:
もちろん、横からだけでなく、正面も診ます。
手足の特徴だけでみると、久米さんはナチュラルかウエーブのどちらかですね。
実際に手袋をしてボディータッチをして確認していきます。
手元と肩の幅に対して胸元の厚み、ヒップ、膝小僧の大きさを確認します。
手首も丸い手首や平べったり手首などがあります。
膝のお皿も丸かったり楕円形だったり大きいとか、いろいろあります。
眞野さん:
久米さんの場合は、平べったい手首で手が大きく、膝は楕円形でやや小さい感じですね。
久米さんは、上半身が華奢で厚みがあまりないので、ずばりウェーブタイプです。
ウエストが細くて長いのも特徴です。
久米さん:
今まで自分がどのタイプか服を買うのにモヤッとして買いづらかったのですが、今日はっきりとして良かったです。
眞野さん:
男性の骨格診断は、女性同様に3つのタイプにわかれていて、たとえて言うなら、大谷翔平選手タイプ、イチロータイプ、松井秀喜タイプです。
眞野さん:
それでは、久米さんの診断を細かくお伝えしたいと思います。
久米さんは、厚みがなくしなやかな曲線を描くボディーラインなので、ボウタイのブラウスやギャザースカートなど、デザイン性のある洋服が合います。
風で揺れるような柔らかみのあるしなやかな服がマッチすると思います。
シルエットはコンパクトな部分を必ず作るように心がけてみるとよいです。
長さのバランスは、スカートはひざ下からロングぐらい、パンツは短いほうがマッチします。
久米さん:
ガーリーな感じが合うのですね。
眞野さん:
そうですね。デニムのゴワゴワした感じは表現しづらいと思います。
ニットのペンシルスカートなどが合うと思います。
ウェーブタイプの菜々緒さんのようにかっこいい雰囲気も作れます。
診断が終わって、実際に久米さんに合う服を眞野さんに実際に見立てていただきました。
(協力: UNTITLED)
眞野さん:
上はシックにして、下は可愛い雰囲気にしたり、、、
久米さん:
めちゃ可愛い!
※クリックすると拡大表示します
久米さん:
自分では絶対に選ばないチョイスです(笑)
眞野さん:
ふわふわは、ウェーブの人がよく似合います。
久米さん:
持ってないので、買わなきゃ!(笑)
眞野さん:
イエベさんの場合、バッグも黒よりもキャメルやオレンジのバッグにすると温かみや深みが出ます。
久米さん:
ベーシックなブラウンキャメルにするのか、好きなオレンジのような色物にするのか悩んでます。
眞野さん:
バッグもカラーのものとベーシックカラーと両方持っているとコーディネートのバリエーションが増えていきますね。
久米さん:
ボリュームがあって派手に見えませんか?
眞野さん:
似合う人が持つと派手になりません。
体が薄い人ウェーブさんほど盛っていったほうが良いです。
トータルコーディネートで試着したのは、UNTITLED(アンタイトル)の以下の商品です。
■ウールコート 税込 50,600円
■ニット 税込 20,900円
■スカート 税込 20,900円
■バッグ 税込 14,300円
久米さん:
こうやって案内してもらうと全部ほしくなっちゃう(笑)
3色それぞれ違うのに統一感がありますね。上品な感じで着やすそうですね。
久米さんの感想コメント:
無地でシンプルで合わせやすそうですが、ファーのバッグが入ることでウェーブらしい感じになったと思います。
同じような色のものは持っていますが、ツルツルの素材がいいのかなと思っていたのですが、こんなふわふわとした素材のものは持っていませんでした。
めちゃめちゃ新しい発見ができたので、今後のファッションに取り入れていきたいと思います。
眞野さんにファッションナビについて少しお話をお聞きしました。
- パーソナルカラー&骨格診断を行うファッションナビは、松坂屋上野店だけのサービスですか?
眞野さん:
大丸松坂屋では、一部の店舗を除いて、ファッションナビのサービスを展開しています。
- 眞野さんのバックグラウンドを教えてください
眞野さん:
入社25年で、ファッションナビを担当する前は、婦人服の担当でした。
ファッションナビのサービスを開始した 10年前から担当しています。
開始時には、半年間、パーソナルカラーの学校に通って、みっちり研修を受けました。
骨格診断は、研修所に缶詰めになって座学から始まり、いろいろな人を診断して、店舗に戻ってきたら、社員食堂で従業員の方に練習相手になってもらって経験を積んでいきました。
- ファッションナビをやって嬉しかったことは? また、苦労することは?
眞野さん:
診断を行うとお客様から言葉で「ありがとうございました」とお礼を仰っていただくことはありますが、先日、お客様から手紙でお礼状をいただときは、涙が出そうになるぐらい嬉しかったです。
やっていて良かったなと思いました。
苦労することは、10年行ってきて、のべ 5,000~6,000人をみてきても、当たり前のことですが、同じ人はいないので、タイプで迷うことが時々あります。
間違ったことを言ってしまうと、ちょっとオーバーですが、その人の一生の洋服を左右してしまうので、そういったプレッシャーを毎度感じるところです。
診断を行うときは、先入観にとらわれずに、フラットに診断するようにしています。
- 今後やってみたいことは?
眞野さん:
診断が流行っているので、希望される方が多いのは大変ありがたいことです。
診断が終わって、似合うものがわかった方がもう一度店頭に来ていただいて、もっと似合う服を提案していきたいです。
コロナ禍になって、洋服の買い替え需要が少し下がっていたので、今後はお客様にもっと似合う服を提案していきたいと思っています。
- ありがとうございました!
【参考情報】
~7 つの質問に答えるだけ~ WEB で簡単に骨格タイプがわかる「骨格診断&おすすめコーデ」をスタート
骨格診断&おすすめコーデ: https://shopblog.dmdepart.jp/contents/stylecheck/
大丸松坂屋百貨店は、従来より各店舗でカラーアナリストや骨格診断アナリストなど専門知識をもったスタッフがさまざまなセオリーで導きだす 「ファッションナビプレミアム」( https://dmdepart.jp/fashionnavi/ )を、これまで大丸・松坂屋アプリ会員向けのサービスとして提供していましたが、だれでも Webで簡単に 7 つの質問に答えるだけでご自身の骨格タイプが診断できるサービスとしてスタートしました。
このサービスでは、ご自身の骨格タイプ(ストレート・ウェーブ・ナチュラル)がわかるほか、骨格診断タイプ別におすすめコーディネートを Web上で提案し、ショップスタッフによるコーディネート提案ブログ 「ブログ スタイリングスナップ」 を活用することにより、百貨店各店舗のブランドから骨格タイプ別におすすめの商品を提案します。
百貨店の主要顧客は中高年の年代が多いですが「ファッションナビプレミアム」のサービスを利用される方の年代は 20~30 代が最も多く、合計すると 7 割を超えています。
これは「ファッションで失敗をしたくない」「消費に対して堅実で自分に本当に似合う価値のあるものにはお金をかけることを惜しまない」と言われる Z 世代の特徴・行動とマッチしています。
• Web 骨格診断の流れ
身長や体重は関係なく筋肉や脂肪の付き方など生まれ持った身体の特徴から似合うファッションがわかるメソッド。
自分自身の体型を最もきれいに見せるデザインや素材を知ることができます。
① URL(https://shopblog.dmdepart.jp/contents/stylecheck/)をクリック、または、「大丸松坂屋百貨店 骨格診断&おすすめコーデ」で検索
② 7 つの質問に答える
7 つの質問に答えるだけでご自身の骨格のタイプ(ストレート・ウェーブ・ナチュラル)がわかります。
③ 骨格診断結果 骨格診断タイプ別に、 似合うテイストのファッションをファッションナビが提案
提案内容は、体型の特徴 ・似合うファッション ・2022 年トレンド「ジャケット」の選び方などです。
(取材協力: 大丸松坂屋百貨店、出演: 眞野妙子、久米まお、撮影・編集: 森川 創)