冬は日照時間が短いため、体内リズムも乱れやすくなります。
朝食に関する実態調査から、現代人の忙しい朝の姿と、生活リズムの乱れが浮き彫りとなりました。
よい1日のサイクル作りのポイントについて、幸せホルモンに詳しい髙瀨聡子先生による解説も交えて紹介します。
心が不安定になりがちな冬こそ、朝食で 1日を元気にスタートさせましょう。
髙瀬聡子先生
皮膚科・美容皮膚科医
1995年、東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務を経て、2003年スキンケアブランドを立ち上げ、2007年美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック 中目黒」を開院し、総院長を務める。
日本美容皮膚科学会会員、日本皮膚科学会正会員。
■日照時間が短く、朝起きるのが辛い冬の目覚めは朝食から
1年で一番日が短い、冬至が近づいています。
日照時間が短い季節は、 体内時計をつかさどるメラトニン分泌のタイミングが遅れ、また幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが減少し、気持ちも不安定になることがわかっています。
気持ちが落ち込みやすい冬の朝を、明るくスタートさせるには朝食が重要です。
そもそも朝食の起源は、「Breakfast =断食を破る」からきており、夕食から朝食までの間隔<長い断食状態>とし、朝食をとることを<破る> と表現したことが由来と言われています。
朝食には 1日のはじまりを知らせる目覚まし時計のような役割があるともいえるでしょう。
冬は日照時間が短く、心も不安定になりがち
冬はセロトニン分泌量が減ることがわかっています。
日照時間が短くなると、 体内時計をつかさどるメラトニン分泌のタイミングが遅れ、また幸せホルモンであるセロトニンやドーパミンが減少し、気持ちも不安定になることがわかっています。
ココロとカラダを整えるには、朝食から
規則正しい生活の重要性は古くから言われていますが、まずは朝起きて日差しを浴びて、体内時計を整えることが大事です。
日差しを浴びることでセロトニンが分泌されます。
また 1日の サイクルの中でも、朝食を摂ることは重要です。
朝食を摂らないと、血糖値が乱高下すると言われています。
血糖値の急激な変化は、肥満や糖尿病、心臓疾患などのリスクにもつながるため、変化量を小さくすることが大切です。
次の食事の後の血糖値にまで影響が及ぶ現象を 「セカンドミール効果」と呼びますが、糖質が少なく食物繊維がたっぷりの朝食を摂ると、朝食後の血糖値の上昇がおだやかになるだけでなく、昼食後の血糖値まで上がりにくくなります。
毎日、食物繊維たっぷりの朝食を摂ることが重要です。
■朝食は 1日のスタートのための活力源。毎日食べている人は 6割にとどまる
1日のサイクルを整えるために必要な朝食ですが、全員がしっかり食 べているわけではありません。
カルビー株式会社は朝食摂取の実態に ついて、400名を対象に調査を行いました。
朝食を食べていますかという質問に対して、毎日食べると回答した人が、全体の59%でした 。
また、朝食を食べる理由として、「朝、お腹がすいてい るから」(58.6%)「活発な活動を送るため」(50.9%)などが上位に上がり、 1日のスタートに活力を求めていることがわかりました。
「お腹が空かない」「時間がない」など、1日の生活リズムが乱れている可能性も
一方で、朝食を食べない理由は、「食欲がないから」(34.1%)、「時間がないから」(33.5%)が上位になり、「食べるのが面倒」(15.9%)、「作るのが面倒くさいから」(15.2%)など手間の問題からも、朝食が摂れていないという実態が明らかになりました。
また食欲がないことからも、夜食べたものをしっかり消化できていないなど、生活リズムが乱れている可能性が考えられます。
朝食はココロとカラダにどのような影響を与えているのでしょうか。
そこで朝食摂取と健康度と幸福度との関連性に関する調査結果を次項で紹介します。
■朝食摂取と幸福度の関連性を調査。実験でも幸せホルモンの分泌効果を確認
幸せホルモンの第一人者である身体心理学者・桜美林大学教授 山口創先生監修のもと、 20~ 50代の健康な男女を対象に朝食摂取と健康への満足度・幸福度の関連性について意識調査を実施しました。
調査の結果、朝食摂取者※1の方が朝食非摂取者※2に比べて心と体の状態の満足度が高いことが分かりました。
次に、実際に朝食の主食摂取によって、幸せホルモンであるオキシトシン分泌の影響について検証しました。
朝食摂取条件と非摂取条件を分けてオキシトシン分泌量を比較したところ、朝食摂取条件の方が、オキシトシン分泌量をキープしていることが明らかになりました。
■朝食主食の中で最もオキシトシン分泌を高めたのは「フルーツグラノーラ」
さらに追加研究によって朝食主食の中でも、フルーツグラノーラが最もオキシトシン分泌量を高めることが確認できました。
実験を監修した山口先生は、フルーツグラノーラの適度な甘みと香ばしい香りによって今回の結果がもたらされたと考察しています。
■1日のサイクルは、朝食から。幸せホルモンで朝から幸せな気持ちでスタートしよう
フルーツグラノーラで、幸せな気持ちでスタートできる
今回の調査から、朝食と幸福度・健康度との関連がわかりました。
実験で確認した幸せホルモンのオキシトシンは、美容業界でも注目されており、美肌の鍵と言われています。
また、スキンシップや人に優しくするなどの刺激で生まれるホルモンです。
コロナ禍で、人とのスキンシップが減っているため、朝食で手軽にオキシトシンを分泌できるのは、非常に良い事ではないでしょうか。
また、グラノーラには、朝からしっかり噛むことで脳を、食物繊維で腸を、鼻で匂いを嗅ぐことでカラダを目覚めさせる効果も期待できます。
冬は寒いので、温かい飲み物と一緒に摂ると、血行促進になって吸収も良くなります。
冬に向けてオキシトシンを分泌させる、フルーツグラノーラを摂って朝からキレイにハッピーになりましょう。
■寒い冬でも、「フルーツグラノーラ」を楽しむライフハックをご紹介
忙しい朝には手軽なフルーツグラノーラが便利ですが、寒い朝には敬遠しがちではないでしょうか。
寒い冬に美味しくフルーツグラノーラを楽しめる、ライフハックをご紹介します。
■簡単に始められるオキシトシン分泌!「オキ活」のご紹介
朝食以外にも、オキシトシンを手軽に・身近に分泌できる方法を紹介します。
①人とのふれあい(タッチング)
オキシトシンの出し方として広く知られているのがスキンシップです。
オキシトシンは愛情に深く関わるホルモン人やであり、動物への愛情を喚起する行動によって分泌されます。
代表的なのが友人や家族との団欒や、マッサージなどです。
また触れ合いが難しい場合、物理的に接触しない “心の触れ合い” もオキシトシンの出し方に含まれるそう。
直接あるいはビデオ通話で会話したり、一緒に過ごしたりすることです。
②香り
アロマなどの香りを楽しむことも大切です。
化粧品会社などの研究によって、香りをかぐことでオキシトシンの分泌を促進することも分かっています。
③推し活
「推し活」をしている時の脳では、直接「推し」に肉体的に触れていなくてもオキシトシンが出ています。
また、愛しい存在を身近に感じることにより、全身をリラックスさせる副交感神経の働きが強まるため、寝つきがよくなるなどの効果もあるといわれています。
(情報提供:カルビー株式会社 編集:R.T.)