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2015.10.06話題・おもしろ

私にもできた! 楽しいチョークアート

写真1-尾崎有花先生と岸田あさみさん

 

芸術の秋。みなさんは、「チョークアート」をご存じですか?

チョークアートの歴史は 新しく、1990年にオーストラリアでファーストフードやカフェやレストランなどのお店の看板やメニューボードとして始まったものです。最近では、ペットショップや病院の看板、ウェディングボードとしても見かけることがあります。

 

今回は、このチョークアートの資格「モニーク・キャノン認定」を取得された、楽しいニュースでは すっかりお馴染みのあさみさんと、指導された白墨堂の尾崎有花先生(以下、尾崎先生)を取材しました。

まずは、あさみさんへのインタビューから。

 

— チョークアートとは、どうやって出会ったのですか?

 

あさみさん: 2012年8月に、偶然立ち寄った渋谷西武での白墨堂のチョークアート作品の展示会です。
展示されているウェディングボードを眺めていたら、「描いてみませんか?」と誘われて、会場で小さな作品を30分ぐらいで、1つ描いたのがきっかけです。描くのって楽しいなぁというのが第一印象で、翌月の9月から習い始めました。そして、約1年かけて、いくつかの作品を作りながら、条件をクリアして、資格も取得することができました。

写真2-最初の作品
あさみさんが30分で作った最初の作品

 

— 初めて会った 尾崎先生の印象はいかがでしたか?

 

あさみさん: 日本のチョークアートでは第一人者にもかかわらず、良い意味で、アーチスト然とした雰囲気ではなく、穏やかで、フランクで、友達感覚で接してもらえました。穏やかな中にも、レッスンになると、すごく的確に指導してくれて、「また描きたいな」と思わせてくれる先生です。

 

— チョークアートのどのあたりが楽しいですか?

 

あさみさん: 描いていくうちに、立体的に だんだん浮き出て見えるようになっていくところです。
カフェのメニューボードをテーマに描いているとき、自分の描いた食べ物の絵が 美味しそうに見えると嬉しい気持ちになります。(笑)
どうやって立体感を出すか、リアルに表現できるかを一番こだわって考えながら描いています。

 

写真3-岸田さんと作品
あさみさんと作品

 

— あさみさん自身の作品の特徴はどんなところですか?

 

あさみさん: 色をたくさん使ったカラフルな作品が多いです。尾崎先生は シックな色使いの作品が多く、また、もっと原色を多用される方もいらっしゃいます。描き手の個性が色使いにも表れますね。
尾崎先生を尊敬するのは、自分で好きで描く作品と、ご依頼を受けて描く作品は区別して、ご依頼主のご要望に合わせて描ける点です。

 

— あさみさんも お友達のウェディングボードを描くときは、リクエストを聞いて描くのですか?

 

あさみさん: はい、寒色系か暖色系かとか、もっと具体的に 何色を使ってほしいかとか、結婚式のテーマを聞いたり、文字がメインがよいか、絵がメインのほうがよいかなどを聞いたりします。そして、まずは下絵を見せてチェックしてもらい、その後、ボードに描いていきます。

 

ろうがんず差し替え版
ろうがんずプラモデル展示会用チョークアート(あさみさん作品) 

 

— 俳優の石坂浩二さんが結成したプラモデルクラブ 「ろうがんず」 の作品展のエントランスに飾られた作品の場合は、どのようなリクエストがあったのですか?

 

あさみさん: 「ろうがんず」というロゴの提供以外は特にご指定はなく、自由に描かせていただきました。
石坂浩二さんは 作品に近づいてご覧いただいて「平面ではなく、立体かと思った。」と言われて、すごく嬉しかったです。
こうやって誰かに依頼されて描く場合は、相手が喜んでくれる顔を思い浮かべながら描くので、自分で自由に描く場合とはまた違う楽しさがあります。

写真5-岸田さん作品2
あさみさんのチョークアート作品

 

— 今後はどのようなものを描きたいですか?

 

あさみさん: 今まで、スイーツや食べ物を比較的多く描いてきましたので、これからは、もっといろいろな被写体を描いていきたいです。

 

(続いて、尾崎先生にもインタビューに加わっていただきました。)

— いつごろからチョークアートに関わっていらっしゃるのですか?

 

尾崎先生: 2007年から始めています。チョークアートの発案者である モニーク・キャノン氏に師事しました。

オーストラリアでは、チョークアートは メニューボードの他にもレストランやスーパーマーケットの大きな看板などとしても使われて、広く一般に普及していています。
オーストラリアのマックカフェのメニューボードは、どの店舗も モニークのチョークアートになっているそうです。

マックカフェ
モニーク・キャノン氏と尾崎有花先生 

あさみさん: 日本では どんなところでチョークアートが使われていますか?

尾崎先生: お店の看板とウェディングボードが、だいたい半々ぐらいです。あとは、似顔絵や プレゼント用としてのニーズもあります。飲食店が圧倒的に多いですが、美容院やペットショップ、エステショップからの注文もあります。

写真7-尾崎先生インタビュー
尾崎有花先生を あさみさん肩越しに

あさみさん: 尾崎先生がチョークアートを行うきっかけは何だったのですか?

尾崎先生: 小さい頃から絵は好きで、小学校の頃は、絵画教室に通って水彩画や油絵を描いていましたが、それ以降は、趣味程度でした。父がチョークアートをテレビで知り、母がチョークアートの画材を買ってきて、両親に勧められたのがきっかけです。ちょうどワーキングホリディでオーストラリアに行くタイミングで、たまたまチョークアートの発祥がオーストラリアということで、モニーク氏の教室を見学したところ、やってみて面白かったのと、モニーク氏に評価されて、3週間のトレーニングに続いて、ティーチャーズコースも受講し、結果として1年間、アシスタントとして師事することになりました。そして、帰国後、白墨堂を立ち上げました。

あさみさん: 先生にとってのチョークアートの魅力は何ですか?

尾崎先生: 色のブレンドの仕方、指でオイルパステルを混ぜて、グラデーションを作っていく手触りや発色が面白いと思います。それに、油絵や水彩画は、絵の具が乾くまで待たないといけませんが、チョークアートの場合、乾くのを待たなくてよいところです。(笑)道具もシンプルで水も不要で、オイルパステルだけで良いですし。

最初は、チョークアートの明るくポップなところ、可愛いところに惹かれました。今は にごってきていますけど。(笑)

あさみさん: 作風もだんだん変わってきているんですね。(笑)

写真8-尾崎先生ときっしぃさん
尾崎有花先生と あさみさん

 

— 作品を作るのと、教えるのとでは、どちらが好きですか?

 

尾崎先生: どちらかというと、描くほうが好きですが、教えるのも好きです。
チョークアートの場合、絵を描いたことがない人の率が高くて、むしろ絵は苦手という人がポップで可愛いところに惹かれて始めるケースが多いです。

あさみさん: 私は絵画を観るのが好きでしたが、描くことは興味も自信もなかったです。それが、渋谷西武の展示会で簡単に体験できて、しかも、自分でいうのも何ですが、完成度が割と高く出来ました。(笑)
水彩画は 初めての人が描くと悲惨な状態になることがあるじゃないですか、もう取り返しがつかないと。(笑)
チョークアートの素晴らしいところは、もちろん初心者と経験者との差はあるのですが、初めて描く人でも家に飾りたいと思うような見栄えの良い作品を作ることができる点だと思います。

尾崎先生: あとからも修正も効くので、失敗しても大丈夫ということもチョークアートのメリットですね。

写真9-尾崎先生ときっしぃさん
尾崎有花先生と あさみさん

 

あさみさん: 初心者に優しいですよね。(笑) ちなみに、初めての私の印象はいかがでしたか?

尾崎先生: 体験コーナーに美人がやってきた! とスタッフと話してました。(笑)

あさみさん: あはは。(笑) 先生の話がとてもフランクで、気軽に教えてもらいやすかったです。

尾崎先生: あさみさんのことも、この美人、気さくだな、と思ってました。(笑)
楽しんでレッスンをやってくれているのがよくわかりました。

あさみさん: 絵が苦手な初心者でも入りやすい芸術は他にないんじゃないかなと思います。

尾崎先生: 今後、それをウリにやっていきます。(笑)
全然やったことがない人が習いにいらしても、最初は図形から描いて、影や光のあて方から始まって、卒業までには、苦手と言っていた人も自分でデザインできるようになっています。それが教える側の楽しさでもあります。

 

— 受講される方は、趣味でされる人が多いのですか?

 

尾崎先生: 30レッスン(75時間)を受講されると協会から認定されて、自分で作品を販売できるというコースがあります。もちろん、プロになりたい方は必須ですが、趣味でもこのコースを受講される方が多いです。
最初は趣味で入っても、あとからプロを目指される方も多いです。

写真10-尾崎先生ときっしぃさん
尾崎有花先生と あさみさん

 

— 生徒さんとしての、あさみさんはいかがでしたか?

 

あさみさん: 私もその質問、気になります。(笑)

尾崎先生: 好奇心旺盛で、、、、、面白かったです。(笑)
これを描きたいというのが明確で、次にこれがやってみたいとか、けっこう可愛いものを良く作品に入れていた印象があります。

 

写真11-ハロウィン
ハロウィン チョークアート (あさみさんの作品)

 

あさみさん: 確かに野菜を描くときも、ちょうど季節がハロウィンだったら、かぼちゃをハロウィンにして、先生にお化けも描きたいです、と相談したことがありました。

尾崎先生: 描きたいものがはっきりして、世界観を持っていると思います。
迷ったら、すぐに相談しに来てくれて、アドバイスを素直に受け入れるタイプです。
あと、「紫」が好きなんだなと思いました。(笑)

あさみさん: チョークアートの紫、好きですね。チョークアートに出会って、色と色の新しい相性に気づきました。今までは同系色の安定的な色の組み合わせしか思いつかなかったのですが、先生に相談して、ピンクと青、黄色と紫などといった新しい色の組み合わせを発見できました。
チョークアートを始めて、物の見方が変わりました。たとえば、ここにリンゴがあっても、どちらから光が当たっているかなんて、全然気にしていなかったのですが、チョークアートを始めてから気になるようになりました。

尾崎先生: 私も始めた頃は、電車に乗っているときに、通り過ぎるビルを、こっちの面は明るくて、こっちの面は暗いとか、考えながら見ていました。

 

写真12-即興1
チョークアート即興(1)

 

— チョークアートの教室に参加される方のきっかけについては、いかがでしょうか?

 

尾崎先生: ちょっと興味があるだけだったのに、体験で試しにやってみたら、私にもできるかも、と思って始められる方が あさみさんをはじめとして意外に多いようですね。

あさみさん: 先生にとって、チョークアートの魅力は何ですか?

尾崎先生: 油絵などは描くのにすごく時間がかかるのに比べて、表現しやすいところです。

 

写真13-即興2
チョークアート即興(2)

 

あさみさん: よい意味で歴史が浅いせいか、規制されているものがあまりなくて、自由度が高いですよね。

尾崎先生: 仕事としても、普通の「絵描き」に比べると、看板を描くといった具体的なイメージの湧きやすい仕事としてわかりやすく魅力的だと思います。

あさみさん: チョークアートを知らない人に、どんな点に注目してもらいたいですか?

尾崎先生: 食べ物のチョークアートをご覧になると、実物や写真で見るよりも美味しそうに見える点です。他の絵画に比べて、光の当たり具合をよりオーバーに強調することで、質感や立体感が表現できますので、そのあたりをご覧になってほしいです。

 

写真14-即興3
チョークアート即興(3)

 

あさみさん: これからチョークアートを始める方へのアドバイスをお願いします。

尾崎先生: 初めてでも描けますから、絵心がないからできないなんて心配しなくても大丈夫です。(笑)

あさみさん: 確かに私が証人ですね。初めてでも描けました。(笑)

尾崎先生: 絵心とかではなくて、回数をこなしていけば、それだけで絵心も身についていきます。描いていくうちにいろいろなものへの観察力が高まっていき、デザインのスキルも自然にアップしていきます。とにかく描き続けることがポイントです。
私自身も続けている間に、これまでに4,5回、向上している自分を実感することがありました。ある日突然、ふっとやってきます。

あさみさん: チョークアートは、これをやってはいけない、といった縛りがあまりないので、日常生活の中で観察力が身について、いろいろなものにチャレンジしたくなって先生によく相談していました。

尾崎先生: だんだん一人で描けるようになってくると、そこから、ぐんと伸びるようになります。

 

写真15-ラスト
展示会場で描いたチョークアート作品(尾崎先生の作品)

 

あさみさん: 今後、チョークアートがこうなってほしい、というのはありますか?

尾崎先生: 日本の看板が変わっていってほしいと思います。今は、お店の前のA型の看板は、マジックで書かれた文字だけのきれいでないものが多く、あまり目を引くものがないのが残念です。もっとチョークアートの看板が並ぶようなオシャレな街になってほしいと思っています。そうすると、日本ももっと明るくなると思います。

あさみさん: 最後に、先生の今後の活動のご予定は?

尾崎先生: 本を日本や海外で出してもっと学びやすい状況を作りたいと思っています。また、展示会だけでなく、街角やライブハウスでのパフォーマンスもして、海外でもっともっとチョークアートを広めていきたいです。

 

— 本日は、お時間をいただき、ありがとうございました。

 

(編集・撮影 森川 創)

 

関連リンク

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