謎解きをする参加者
国際女性デーである 3月 8日、親子参加型の謎解きイベント「親子で協力プレイ!謎解きで学ぶ『乳がん・子宮頸がん』」が渋谷スクランブルスクエア内の施設「SHIBUYA QWS(キューズ)」で開催されました。
会場の様子
三菱UFJフィナンシャル・グループと一般社団法人日本がん・生殖医療学会の共催により実施された同イベント。
早期発見や予防方法など乳がんや子宮頸がんに対する正しい知識を広めたい思いから開催に至りました。
実は女性特有のがんは、近年は20〜40代で発症するケースが増加。
そこで若い世代の人たちにも興味・関心を持ってもらえるように「謎解き」を活用した親子参加型の体験イベントを企画したそうです。
謎解き問題「勇者クエスト〜輝くいしと迫りくるがん〜」
問題を制作したのは、東京大学謎解き制作集団AnotherVision。「勇者クエスト〜輝くいしと迫りくるがん〜」と題して問題は作られ、プレイヤー(参加者)には「新米勇者」として先輩魔法使いとともに世界平和を日々守っているという設定が与えられました。
ある日、先輩魔法使いが別の任務を遂行中に、人間界とは別の世界に住む敵に宝石が盗まれてしまう事件が発生。
この敵が人間界の「がん」の性質と似ているようで、敵を倒すためには「がんの知識」を得ることがカギとなり、そのために謎を解いていくというストーリーです。
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親子で謎解きに挑戦する参加者
当日は 50名以上が参加。親子で考えながら謎を解き進め、ステップ1をクリアするとステップ2へステージが上がるという具合にイベントは進行されていきました。
謎解きはなかなかに歯ごたえのある内容で司会者からの「延長戦を希望する人」との呼びかけに多くの家族から手があがるほどの盛り上がりを見せていました。
制限時間内に全組がクリアとはなりませんでしたが、謎解きやイベント自体を親子で楽しんでいる様子が見受けられました。
謎解きを終えてチェックポイントで答えを確認してもらう参加者
イベント後半は、藤田医科大学産婦人科講師の清水裕介さんによる講義。
乳がんや子宮頸がんについての知識のほか、普段から取り入れた方が良いことなど、実体験を踏まえながら約25分にわたり講義が行われました。参加者はメモを取るなど真剣な眼差しで最後まで講義を聞いている様子でした。
講義を行った藤田医科大学産婦人科講師の清水裕介さん
清水さんはテイクホームメッセ―ジ(持ち帰ってほしい主題)として、「伝えたいメッセージは、『生きること』と『大事な人との時間を大切にしてほしいということ』の2つ」とまず提示してくれました。
そして、「がんになることは特別なことではなく、むしろ当たり前です。2人に1人はがんにかかっている割合。
かかる前に予防をしっかりすること、かかってしまった場合はきちんと治していくことが重要です。
子宮頸がんの場合、病気になる手前の段階で見つけられるため、若い年齢のうちから検診を受けてほしい」と呼びかけました。
講義の様子
近年、子宮頸がんの罹患者が増えていることを強調した清水さんは親の世代に対して、将来してほしいこととして、自分の子どもが成人したあとに検診を受ける必要性を説きました。
また乳がんについては「日本人の9人に1人がかかる」と言われている女性にとって最も意識する必要のあるがんで、若いうちから変化を自分で見つけることの必要性と、やはり検診を受けることの重要性を強調していました。
この日のイベントに小学生の娘と2人で参加した40代女性は、「謎解きは難しいと感じましたが、娘にとっては知らない世界だったので、知るきっかけとなって良かったと思う。講義では自分の方が勉強になったという気持ちでいました。娘と一緒に検診を受けることから始めます」と感想を話し、今回のイベントが健康に対する気づきのきっかけになったようです。
(取材: 小山田滝音)
関連リンク:
「親子で協力プレイ!謎解きで学ぶ『乳がん・子宮頸がん』」
https://anothervision.tokyo/special/yusha_quest/
一般社団法人日本がん・生殖医療学会