
三谷幸喜さんがオリジナル脚本と自ら監督を務める“完全ワンシーンワンカット”シリーズの新作第3弾が 12年ぶりに誕生しました。
作品は海辺を舞台に、太宰治を敬愛する平凡な男が時代を超えて奮闘するタイムスリップコメディ。
足場の悪い浜辺、ドローン撮影など様々なハードルがある中、約100分間一度もカメラが止まらないという極限の緊張感の中で撮影されました。
三谷作品らしい一癖も二癖もある役を演じ切るのは豪華俳優陣、田中圭さん、小池栄子さん、宮澤エマさん、梶原善さん、松山ケンイチさんです。
さらに、ここだけしか見られない貴重な特別映像「もう一つのエンディング」を映画館限定でご覧いただけます。
舞台挨拶ではワンシーンワンカット撮影の舞台裏や劇場版の楽しみ方など、三谷幸喜さんと出演者のみなさんが語りました。
■「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」公開記念舞台挨拶概要
・日時:7月11日(金) 18:00~
・開催場所: TOHOシネマズ日比谷 1番スクリーン
・登壇者:三谷幸喜さん・田中圭さん・小池栄子さん・宮澤エマさん・梶原善さん・松山ケンイチさん

脚本と監督をつとめた三谷幸喜さん(以降、三谷監督)
三谷監督:
今日はようこそいらっしゃいました!

太宰治を敬愛するテレビ番組の構成作家小室を演じられた田中圭さん
田中圭さん:
時間いただき本当にありがとうございます。

太宰の恋人役を演じられた小池栄子さん
小池栄子さん:
こんな立派な映画館スクリーンで、皆様にこれから観ていただけるていうのはとっても楽しみです。
最後まで楽しんでください。

小室の妻で好奇心旺盛でしっかり者を演じられました宮澤エマさん
宮澤エマ:
去年の夏みんなで本当に汗をかきながら作った作品がこうして本当に素敵な劇場で上映されたこととっても嬉しく思います。

地元の漁師など合計3役を演じられた梶原善さん
梶原善さん:
知ってらっしゃる方もいると思いますが、WOWOWプレゼンツ一発撮りドラマは今回で3回目の出演です。
どれも大変だったんですが、この3回目がすごく大変だったんです。
大変だった分、このクセモノのメンバーたちと大変面白いものが出来上がたと思いますので、今日は楽しみにご覧になってください。

タイムスリップ先で出会った男、太宰治を演じられた松山ケンイチさん
松山ケンイチさん:
今日はお越しいただきありがとうございます。よろしくお願いします。

- 監督が考える魅力はどういったところでしょうか?
三谷監督:
正直言うと、去年の秋口に撮影してた頃は、まさかこれが映画になるとは思ってなくて、今こうやって立っているのは不思議でしょうがないです。
実際に映画館でやるってことを考えて、改めて観ると、これこそ映画で観てもらうべき作品だなっていう感じがします。
“完全ワンシーンワンカット”なので、やってる方も大変ですが、観ている方もすごい集中力で自然に観ちゃうんですよね。
カットが変わることがないので、見始めたらもう最後まで一気観ちゃう。
そういう面白さがあります。
コメディですから、みんなと一緒に観て、みんなとみんな同じところで笑いを共有してもらえます。

- 海辺とタイムスリップを掛け合わせるというアイデアはどのようにして生まれたんでしょうか?
三谷監督:
撮影監督のカメラマンの山本さんが、1本目からずっとやってくれているんですが、3本目で何をやろうかとなった時にそのタイムスリップがいいんじゃないか、今までワンシーンワンカットのドラマや映画あったかもしれないけど、現代と過去を行ったり来たりするものは多分なかったはずだから、それは画期的なものになるんじゃないかなと山本さんがおっしゃって。
ただ、その現代と過去にワンシーンて行ったり来たりするっていうのは、どうやって撮影すればいいんだろう、例えば都会が舞台だったらビルがあったり、なかったりするわけですが、浜辺だったら(現代も過去も)大体景色が似てるから、まあ、海しかないから、過去に戻ってもそんなに作る側としては大変じゃないんじゃないかという山本さんの意見で、じゃあ海にしましょうってことになりました。
ロケ地を色々探し回って本当にこの作品にぴったりの場所を見つけまして、下田にあったんですが、そこで撮影しました。
観ていただいた方には分かると思うんですけども、現代の浜辺があり、過去の浜辺があり、間に、タイムスリップ的にトンネルがあるみたいな。
トンネルは僕らが作ったわけじゃなくて、本当にそういう場所があって、それだけでは撮影ができなかったんで、東京から砂をトラック運んで砂地を作ったりとかもしました。
今までになり長回しでのタイムスップモード。
タイムスリップモードは、タイムマシンでいったりいったりする作品が多いのですが、歩いて過去に戻って歩いてまた現代に来るそんな簡単に行ったり来たりできることは今までなかったですから、画期的な作品です(笑)

- 田中さんが演じられた役はとにかくセリフ量も膨大ですし、動きの把握も大変だったと思うんですが、どういったところが大変だったか、また心がけたことがあったら是非教えてください
田中圭さん:
スタジオで本読みとかとかをしたんですが、実際ロケ地に行ってみると予想以上にお芝居のエリアが広く、海辺なので日によって潮位が違って芝居するエリアが変わったり、お天気が一致しないとか、なかなかOK出るのかなっていう不安もちょっとありました。
でも、演じてる時はワンカットでカメラを止めないので、僕はずっと動いてるから、比較的集中は切れずにやれたんですけれが、汗が吹き出て若干気になったとか。
自分が主軸となって物語を動かしてかなきゃいけないので、なるべくフラットに自然にやろうと心がけましたが、すごく楽しい現場でした。

- 汗が吹き出てるのは作品に盛り込まれてましたよね
田中圭さん:
そうですね、お2人(小池栄子さん・宮澤エマさん)が僕の汗をちゃんと拾ってくださいました。
小池栄子さん:
触れないわけに行かないぐらいの汗でしたしね(笑)
宮澤エマさん:
異常な量でしたしね(笑)
三谷監督:
今日もあの汗がお客さんに届くようにちょっと仕掛けをしようかって(笑)

- 監督は撮影中、どこにいらっしゃったのですか?
三谷監督:
僕は、本当はカメラマンさんの後ろをついていきたかったんですが、僕が映り込んじゃって NGになると本当に大変なことになるので、僕だけ離れた過去の浜辺の奥の方の森の中にある小屋にスタンバイして、電波も届かないのでモニターでも観れないので音だけ聞いていました。
「ショートカット」という最初の第1作の時は、映り込んでしまって、始まって40分ぐらいのとこで僕が映っちゃったんでNGになって、中井貴一さんにものすごく怒られました(笑)
- 小池さんが演じられた役はお茶目で可愛らしいキャラクターで周りの人との掛け合いで惹きつけられますね
小池栄子さん:
それ、とても褒め言葉で嬉しいです。
ワンカットで撮影するのは、みんなが向いてる方向が同じな感じがしました。
待ってるときとかはみんな別々のことを好き放題喋ってるようなメンバーでが、お芝居に入った時の集中力とその方向性が見事にあって、それはスタッフさんもなんですけど、やっていて、いいチームワークだなと思いながらできました。
皆さん、舞台が好きでいらっしゃる方が多いので、6回撮ってもどの回も同じ回はないぐらい、本当に今この瞬間感じて発した言葉を出してそれを受け取ってくれる技量のある方たちに囲まれたので毎日すごく新鮮で楽しかったです。
引き出していただいたって感じがしました。

- 宮澤さん、ラストにいくつれてかなり演技も激しくなっているので、大変だったんじゃないかなと思いますが、どういったところに苦労されましたか?
宮澤エマさん:
激しくなっていたのは本当に最後の方だけで、実は稽古場ではあんな感じじゃなかったですよね。
もう少し最初に頂いた役の感じはもっとシビやというか、夫婦関係も冷め切ってる感じだったんですが、やればやるほどやっぱりこのキャラクターにもやっぱこう見て欲しいっていう感覚だったり、自分は本当はこう思ってるっていう欲があるんじゃないかっていうことが、大自然にいることで解き放たれていきました。
三谷さんから毎日毎日「今日撮った分」を全員一緒に観るんです。
客観的に自分の芝居をその場で観ることはあまりないので、そこでちょっと細かく修正していて、もっと行った方が面白いんだなとか、ここはちょっと抑えた方がいいんだなっていう、そういった調整をしていった感じでした。
三谷監督:
OKテイクの時の宮澤さん、最後、海の中に入ってく時にそのまま戻ってこないじゃないかぐらい奥へ奥へ行ったじゃないですか。すごく怖かったですよ。
宮澤エマさん:
今日はきっとOKテイクになるであろうという最後の日に、帝国劇場に立っている気持ちで芝居をしてほしいという演出があったので、とにかく私ができるサイズの一番大きな芝居をしようと思って海へ入ってったんですよ。
これ以上行くともうダメだなって思ったんで、それで沈んでみたんです。
そうしたら思ったより深く沈んじゃって、だんだん面白くなってきて振り返ったら松山さんがカメラ映らないので背中けてこうやって笑ってたんですよ。
それを見て私はちょっと崩壊しそうになって、だったらもう大きい声を出すしかないのでどんどんタガが外れるみたいに声がでかくなっていって終わりました。

松山ケンイチさん:
大好きなんですよ、あそこが。本当にね、帝国劇場だったんですよ。
下田の浜辺ですよ。びっくりしてすげえなと思って。
今回の見どころポイントのひとつです。
化けますんで、楽しんでいただけたらと思います。

- 梶原さん、一人で3役を演じてらっしゃいますが、キャラクター作りや早着替えについて
梶原善さん:
スタッフさんと綿密に打ち合わせして、早く着替えるように努力して…。
でも実際出来上がったのを観てみると、別に何の気なしにいるんですよね、僕が入れ替わてて。
全然苦労のかけも見えないんですよね。
それはそれでま素晴らしいんじゃないかなとは思います。
三谷監督:
副音声でも語っているんですけども、現在の浜辺からの過去の浜辺に行く時に観ていただくと分かるんですが、トンネルしか移動の場所がないんですよね。
後ろの山を通っていくこともできるんですけども、時間かかってしまうので、トンネルを通っていくしかないので、カメラマンの方の真後ろをついてね、移動しながら見えない角度で着替えてたんじゃないですか。

梶原善さん:
そうですね。田中さんが行ってくれないと僕も行けなかったりする場所もあったりするから、田中さんに先に歩いてもらって、できるだけ後ろ近づいて視界から隠れたら僕は抜かしてとか、そういうのはずっとやってました。
1番最後のテイクで、田中さんが早く戻ってきたんですよ。
僕はゆっくりこのぐらいのペースで行けばいいと思っていたのに、田中さんがすぐ戻ってきちゃったから、岩肌の足場の悪いところですごくダッシュしました。
石がゴロゴロしている中に藁ぞうり履いて大変でした。
人間ってこんなに頑張れるんだなと思いました、映ってないですけど(笑)
たぶん一番疲れました。
三谷監督:
まだ疲れ、とれてないんんじゃない?(笑)

- 松山さんに、太宰治と同郷の青森県ご出身で、劇中で津軽弁もお話になってますが、どういった役作りをされましたか?
松山ケンイチさん:
結構東京暮らしが長く、ちょっとシティボーイになっちゃったんで(笑)、もう1回青森に行って、RABの内山千早さん、青森だと超有名人なんですけど、そのうっちゃんにお願いして、青森駅の近くの喫茶店に入って 2人でずっと方言練習してました。
それが役作りでした。
ちょっと細かくなりますが、津軽弁と下北弁と、青森でも色々あるんです。
僕は下北弁なんです。なのでちょっと自分の感じも入れたいなって思っちゃったんで、津軽弁と下北弁がかなりミックスされています。
だから、これからは津軽弁ではなく「青森の言葉」という風に言ってください。

- 田中さんと小池さん、松山さんにお伺いしたいんですが、本作で別の役をもしやるとしたらどう役に挑戦したですか?
時間の関係で、3人限定ですません。
田中圭さん:
僕はみんな嫌ですね。カメラマンさんと呼吸はあるんですが、映っちゃいけないというプレッシャーの中で、タイミングを測るのは結構疲れると思うんですよ。
山も行ったり来たりで本当にすごく大変で、梶原さんなんか最初の方は、山で奥まで行くとその分移動距離が増えるじゃないですか。
だから途中でそれ以上行かいで座るという技を開発していました。
なので、ちょっと考えられないですね(笑)
小池栄子:
チャレンジするんだったらエマの役かな。
田中さんとエマが作る夫婦像が、冒頭と後半の感じ方が違うんですよ。
元々、彼女のお芝居にもファンですけど、やっぱいい女優さんだな。
この夫婦の関係の変化みたいなものが、私にはできないなっていうぐらい素晴らしかったので、ちょっとチャレンジしてみたいのありますね。

宮澤エマさん:
嬉しい!
松山ケンイチさん:
僕もエマさん役のいいです。
小池栄子:
帝国劇場に出たいんでしょ?(笑)

松山ケンイチさん:
そこはやりたいんですけど、2人であの歩いてくるシーンはやってみたいです。
宮澤エマさん:
冒頭でしたり、テンポ感を作るのとかも難しかったです。
三谷さんの脚本は独特で、映像作品ですが舞台のセリフみたいなのであまりリアルにやるとすごくつまらなくなるし、具体的にやりすぎても違うねのですごく難しかったです。
松山ケンイチさん:
パンチパーマの二郎(梶原さん)があの2人の中に入ってくるときのリアクションがすごく好きなんですよね。

- 最後に監督よりメッセージ、そしてもう1つの、エンディングについて見所も含めてご挨拶をお願いします
三谷監督:
1回お話が終わった後に、特別企画として、もう1つのエンジングがあるので、そこも楽しみにしてもらいたいんですが、WOWOWで観ていただいた方にもまた楽しめるという意味で、そういう企画をやらせてもらいました。
実際は、おまけのエンディングが本当のエンディングだったんです。
そのつもりで撮ったんですが、編集をしてるうちに、これはいらないんじゃないかいうことになって、新しく考えたエンディングが、WOWOWで放送されました。
だから、今回上映されて観ていただくのが、本来のエンディングです。
実際は下田で撮ったんですが、設定としては鎌倉の八里が浜という架空の浜辺の物語になっております。
この大画面で見ると、100分間、その不思議な浜辺に、自分がいるような感覚になると思います。
たっぷりこの臨場感を皆さんと味わっていただきたいなという風に思っております。


最後はみなさん太宰ポーズで
■あらすじ
結婚式の帰り道、夫婦で立ち寄った八里ヶ浜を散策していた健作は、突然、時空を超えて有名な心中事件を起こす前の太宰治とその恋人・矢部トミ子に出会う。
未来を知る健作は、彼らの悲劇を止めるべきか葛藤するが、さらにそこに現れたのは待たせていたはずの妻・美代子だった。
健作は、過去と未来の狭間で揺れ動く運命に何を決断するのか…。
■「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」

公開期間:7 月 11 日(金)~ 絶賛公開中!
配給:WOWOW
出演:田中圭、小池栄子、宮澤エマ、梶原善、松山ケンイチ
製作:WOWOW
制作協力:エピスコープ
クレジット:©WOWOW
★三谷幸喜さん、田中圭さん、小池栄子さん、宮澤エマさんによる今だから話せる撮影の裏話や演出へのこだわりなど、ここでしか聞けないエピソード満載の”副音声上映”も公開初日から映画館でお楽しみいただけます。
公式サイト: https://www.wowow.co.jp/film/oidazai/
(取材: 森川 創)







