新型コロナウイルスの影響で歯科医通院を控えているなど、お口や歯の健康が気になっている方も多いのではないでしょうか。
美味しく噛んで食事を楽しむためにも歯を守っていくことは重要です。
でも、歯が何で支えられて噛めるのかをご存知でしょうか?
実は、歯を支えている 歯の土台 をしっかりとケアしていくことが、噛める歯を守っていくことにつながるのです!
歯の土台 と守っていくために気を付けたい生活習慣、ケア方法を紹介します。
噛む力にも影響する「歯の土台」とは…
歯の土台とは、歯ぐきとその奥にある骨(歯槽骨)などの歯周組織で構成されています。
健康な歯の土台は、歯をしっかりと支えているので、歯がグラついたり抜け落ちることなく、食べ物を噛むことができます。
噛む力と歯の土台の状態は密接に関係しているのです。
歯の土台が弱ってしまう主な原因は、歯周病菌による歯周病の進行です。
気づかないうちに歯周病により炎症が広がってしまうことで歯槽骨が弱っていき、歯を支える力が低下してしまうのです。
≪「歯の土台」に悪影響を与える生活習慣チェックリスト≫
歯の土台に悪影響を与える生活習慣について、宝田歯科 院長の宝田恭子先生にお話を伺いました。
「間食やダラダラ飲食は、口内に食べ物のカスが残りやすく、菌の塊(プラーク)ができやすい状態になってしまいます。
同じように晩酌・寝酒や食後のウトウト習慣は、歯磨きがおろそかになり、歯の土台に炎症を起こしてしまう可能性があります。
さらに睡眠中の唾液の減少により、歯の土台に炎症が起きやすい状態になってしまいます。
また、あまり噛まない、野菜をあまり食べない人は、“よく噛む”機会が少なく、歯の土台への刺激が少なくなります。
他にも、長時間のスマホにより、普段から前傾姿勢(猫背)になってしまうと、正しい噛み合わせ位置がズレて、噛む回数が少なくなりがちです。
こうした“よく噛まない”習慣は歯槽骨の新陳代謝が促されずに健康な歯の土台が維持できなくなる恐れがあるので注意が必要です。
他にも睡眠不足は、菌と戦ってくれる血液の白血球の減少を招き、抵抗力を低下させて歯の土台の炎症を悪化させるリスクとなります。
こうした生活習慣はついついやってしまいがちですが、歯の土台を守っていくためにも生活習慣を見直して、毎日の丁寧なケアが重要です」
調査から判明! 早くからケアしておかないと 50代から固い食べ物が噛めなくなる!?
歯の土台が弱ってくると、歯がぐらついたり痛みを感じて固いものを思い切り噛んだりすることができなくなってしまいます。
ライオン株式会社の調査によると 50代になると 3人に 1人にあたる 33.0%の人が「固いものを食べるときに、思わず歯をかばってしまうことがある」と回答しています。
歯の土台を弱らせる主な原因となる歯周病のケアがおろそかになっていると、50代から一気に影響が出てくる傾向があるようです。
一生自分の歯で噛めるようにするためには、できるだけ早めからの対策が重要になります。
今すぐ始められる歯の土台を守る“歯の土台ケア”を紹介
歯の土台のケアには、毎日のハミガキケアと定期的な歯科医院でのクリーニングによる、歯周病菌の繁殖を予防するためのプラークコントロールが重要です。
さらに歯の土台を構成する歯槽骨は、しっかりと噛んで刺激を与えることで新陳代謝が促されるので、実はしっかり噛むことで、歯の土台ケアにつながり噛める歯を守ることができるのです。
毎日のハミガキ習慣に加えて簡単に取り入れられるので、ぜひ取り入れてみてください。
丁寧なハミガキ
歯ぐきマッサージ
歯ぐきと唇の折り返し位置(歯肉頬移行部)と歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭部)を、中心に向かって指でなぞるようにして、マッサージします。
効果:血行が促進されて歯ぐきに必要な酸素や栄養が行き届くようになるとともに、歯ぐき組織に溜まったさまざまな老廃物を落とす働きも期待できます。
※手をきれいに洗ってから行なってください。
穀類すりつぶし食事法
1. かために炊いた白米や玄米1口分を口に入れます。
2. 姿勢を正します。
3. できるだけゆっくり、30回程度すりつぶすようにして噛んで食べます。
(情報提供:歯の土台ケア広報事務局、編集:中嶋 杏樹)