江戸時代から脈々と受け継がれてきた日本の伝統ともいえる屋形船。
36の屋形船事業者が加盟する屋形船東京都協同組合では、従来の宴会といった飲食提供といった形式だけでなく、水上での特別な空間として、新たな楽しみとして AR(拡張現実)※ を使った屋形船ツアーを開始します。
歴史ある屋形船の伝統を守りながらも、時代の変化に柔軟に対応し、これまでに屋形船に接する機会のなかった若い世代に興味を持ってもらえる試みです。
※ ARとは、タブレットやスマートフォン越しに実際にまわりの世界の映像に、ナビゲーションや 3Dデータ、動画などのデジタルコンテンツを付加する技術で、たとえば、ポケモン GOや、SNOWなどが ARの代表的な例です。
屋形船のツアー中に専用アプリを使って外の景色にレンズを向けると、江戸時代の風景や動画が表示されたり、音声も聞くことができ、現代(現実)と江戸時代の非日常空間を体験できます。
今回は、この屋形船ツアーのメディア向けツアーに参加してきましたので、その様子をレポートします。
ゆりさん(旧 山本夏夢さん)
※撮影の時だけマスクを外しています
今回 試乗した屋形船
浅草・浅草寺の近くにある隅田川の船着き場から出発する他、お台場から出発するコースもあります。
60分~90分で、浅草・スカイツリー周辺を巡るコースや、台場・お台場海浜公園周辺を巡るコースがあります。
屋形船東京都協同組合 事務局長 高橋呂美さん
「新型コロナで屋形船は現在もなお非常な痛手を負っていますが、新しい AR技術を使って、今まで屋形船にご縁のなかった人にもぜひ利用していただけたらと思っています。」
ARアプリを開発された株式会社ジーン 曽根俊則さん
「(12月20日現在)まだ公開前のアプリですが、今日は存分にお楽しみいただきたいと思います。」
※クリックすると拡大表示します
まずは、タブレットやスマホでアプリを起動すると、導入音楽が流れて、マップが表示されます。
黄色や赤い色のアイコンが花火を表します。
窓のほうにスマホをかざすと、現実の風景と江戸時代の風景のCGがミックスされた画像が表示されます。
夢中になりすぎて、窓からスマホを落とさないように気を付けましょう(笑)
映像だけでなく、音声も花火の上がる音や三味線の曲なども流れて、江戸時代の雰囲気を味わうことができます。(スマホの動画画面はこの記事の終わりに紹介しています。)
スマホを屋形船の下の方にかざすと、なんと、ウナギやボラが泳いでいる姿も見ることができます。
お台場のツアーでは鮭も登場するそうです。そして、ゲーム感覚で魚をキャッチすることもできます。
景色を保存することもできます。
現実の風景に花火がドーンと音を立てて打ち上がります。
屋形船の船首で、東京スカイツリーと一緒に記念撮影するゆりさん
ARだけでなく、名所スポットとの記念撮影もリアルな屋形船の楽しみの一つです。
今回は、昼間の明るい景色の中でのツアーを体験してきましたが、夜のコースの場合は、以下の動画のようにCGの花火と実際の風景がよくマッチします。
ゆりさんの感想
「アプリは、初めてでもわかりやすくて使いやすかったです。江戸の街並みをもっと見たかったです。屋形船は人生初の乗船だったのですが、とても楽しかったです。普通の船よりも船体が低いので、水面にも近い目線で見ることができるのも新鮮でした。」
最新技術を使った新しい屋形船の楽しみ方、いかがでしたか。
これまでの屋形船のイメージとは一味違った屋形船体験が堪能できます。
来春から本格的にサービスがスタートするのが楽しみですね。
(取材協力: NOFATE株式会社、出演: ゆり、撮影・編集: 森川 創)
関連リンク:
屋形船東京都協同組合
https://www.yakatabune-kumiai.jp/