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2022.05.24話題・おもしろ

『にほんものストア オンライン日本茶セミナー』が開催されました

新茶の季節に合わせて、今回の『オンライン日本茶セミナー』では、日本茶インストラクター協会専務理事の奥村静二さんから、美味しいお茶の淹れ方、正しい茶葉の保存方法をはじめ、知っているようで知らない日本茶の種類、時期による味わいの違いなど、お茶に関する豆知識について、紹介がありました。

さらに、お茶の生産者として、日本全国で 15名しかいない”茶師十段”の資格を持つ放香堂の酢田恭行さん、星野製茶園の山口真也さんも参加され、それぞれのお茶作りのこだわりの他、産地ごとのお茶の特徴、味わいの違いなどの紹介がありました。

 

【開催概要】

 

■開催日: 2022年 5月 18日(水)
■出席者:

・奥村 静二(NPO法人 日本茶インストラクター協会 専務理事)
・酢田 恭行(放香堂茶師/茶審査技術十段)
・山口真也(星野製茶園専務/茶審査技術十段) ※敬称略
■内 容:
・「にほんもの/にほんものストア」の紹介
・日本茶に関するプレゼンテーション(お茶の種類、お茶のトレンド、
美味しいお茶の淹れ方、正しいお茶の保存方法など)
・放香堂/星野製茶園のご紹介(茶園の歴史、お茶作り、種類、美味しい飲み方の紹介)

 

 

まずは、NPO法人日本茶インストラクター協会専務理事、奥村静二さんによる説明です。
奥村さんは、日本茶インストラクター協会において専務理事の立場として、日本茶文化の継承だけではなく、新たなる茶文化の創造をし、日本茶の普及活動に取り組んでいます。

 

右 奥村静二さん

 

—– そもそも新茶というのはどのようなお茶のことを言うのでしょう?

 

この年に一番最初にとれたお茶です。
秋からずっと養分を蓄えて、4月の初めぐらいから出始めてきます。
新茶というのはまた格別の旨さが凝縮されているお茶ということになります。
新茶のシーズンは、5月の終わりぐらいまでで、一番茶が終わります。
そこからだいたい 45日ぐらい経つと二番茶と言ってまた次の芽が出てきます。

 

—– そもそもお茶というと、緑色の煎茶というものをイメージされる方は多いと思います。どういったものを煎茶と呼ぶのでしょうか?

 

日本でまあ一番飲まれているお茶が煎茶というふうに言われています。
お茶を積んで葉っぱを摘んで蒸して乾燥させて作っていくお茶です。
酸化コースを止めるという作業をしているのが、緑茶って言われるものです。
普通蒸し煎茶、深蒸し煎茶も玉露も作り方自体は同じです。
ほうじ茶もう緑茶の一部です。

完全に発酵させてしまうと赤くなってくるということで、紅茶になります。
途中でその止めると烏龍茶になります。

 

 

※クリックすると拡大表示します

 

—– お茶の種類によって、飲み方、入れ方もさまざまですね。これはどのような違いが主にあるんでしょうか?

 

 

4つのポイントがあります。

あくまでも目安として、自分が今入れているものがどういうふうに入れたかっていうのを覚えておいていただきたいです。
ひとつを変えることで、ずいぶん味も変わってきます。

 

—– 例えば、紅茶とかほうじ茶とかは沸騰したお湯、玉露はぬるいお湯で入れるという方も多いと思います。お湯の温度の違いはどうして生まれるんでしょう?

 

80度を基準として高温であれば、カフェインやカテキンがオーク抽出されやすいです。
それより低いと、その旨味成分であるテアニンとかが感じやすくなります。
お茶っ葉が細かく粉っぽいと抽出しやすいです。

 

 

—– 抽出時間はどのぐらいの目安でしょうか?

 

そのお茶によって違いますが、お煎茶の場合は大体1分半とか1分です。
一人分大体 2g、ティースプーンでは1杯が 2gです。
皆さんのその飲む好みで濃くしたり、もう少しあの苦い方がいいなあと思ったら温度を高くしたり、それではい合わせて調節することが大切です。
最後の一滴まで絞りきると、二煎目もおいしくいただけます。

この香りが決め手になってくると思いますので、普段より若干高く温度をしていただくと、香りがまた上がってきます。

 

—– 保管方法や賞味期限といったのは大体どのぐらいになるんでしょうか?

 

賞味期限自体は袋に表示されていますが、袋自体がすごく良くなってます。
ポイントは開封するときです。
冷蔵庫から出すと、中のお茶も冷えてますから、その冷えている時に開けてしまうと、中のお茶が水滴などの水分を吸ってしまい、どんどん品質が落ちてしまいます。

 

 

実際にお茶を生産している生産者さんを代表して、放香堂の須田康文さんにご登場いただきます。
早くから日本茶を世界に輸出することを手がけていたことと合わせて、まさに、日本の喫茶文化の源流と言えるお店です。

 

右 酢田 恭行さん(放香堂)

 

—– お茶とコーヒー、ぜんぜん違うと思うんですけれども、どういった経緯でコーヒーを出されることになったんでしょうか?

 

神戸は、明治維新、最先端のあの文化、あの異文化との接点でした。
お茶に携わっていたからこそ、コーヒーを作ることができたと考えています。
コーヒーは、豆を焙煎しないとだめなんですけれども、この焙煎するというのは、やはりお茶屋にとっては当たり前のことだったんです。
コーヒー豆を焙煎すると言うことができたからこそ、今のコーヒーの原型となるのを日本国内で初めてできたんじゃないかなと考えています。

 

—– お茶作りのこだわりについても伺えますか。

 

新茶というのは、新茶ならではの香りというのをあの楽しめるんではないかなと考えています。
あの地域差もあったりしますが、本当に昔ながらの新茶らしい優しい香り、新芽の若々しい香りが特色と考えています。
焙煎という工程がありますが、その焙煎の度合いを変えて作っています。

 

—– 茶士・十段というのはどういうものでしょうか。

 

お茶を生産する人のことを元々は呼んでいたのですが、焙煎の工程があったり、ブレンドの配合工程があり、そういった技能を持っているものを茶士と最近は呼ぶようになりました。
お茶を触れた質感、香りといったところで、お茶がどのあたりで採れたか、例えば京都宇治でとれたお茶だとか、あのこれは九州地方南の方でとれたお茶だよっていうのを判定したり、品種を、香りを嗅いで当てたりとか、あと取れた時期をあの手触ってあの見極める
ことができます。

 

—– 宇治玉露について説明していただけますでしょうか。

 

非常に、もう今となっては珍しいと言っても差し支えないほど希少なお茶になります。
新芽に黒い布をかぶせて、光合成をできなくして作るお茶です。
かぶせ茶というカテゴリの中でもさらに旨みを凝縮して作るものが玉露です。

 

—– 貴重な玉露、この味の特徴などを教えてください。

 

あの新芽が成長しづらくなり、その最大限と溜まったところで刈り取って作ったのが。
日本茶の中では最高峰と呼ばれている希少価値の高い旨味がたっぷりと含まれたお茶になります。

 

—– お茶をより美味しく入れるための方法やコツを教えていただけますでしょうか?

 

お湯の温度さげて飲むと言うことがすごくあのポイントのあの重要な部分になります。
特にこの宇治玉露につきましては、温度を1°沸騰させたお湯必ずさせて 60度ぐらいまで湯冷ましと言うんですけれども、冷ましていただいて、お茶の葉っぱ 8gから10gほど急須に入れていただいて、それであの先ほどさましたお湯を注いでから 2分程待っていただいて、回し注ぎと呼ばれる少しずつ出していただくというやり方をすると、口の中にふわっと広がる旨みが味わうことができます。

 

—– 今後についての展望をお聞かせください。

 

1200年ぐらい前に日本に伝わったお茶は、当時は薬として伝わってきたと言われています。
急須で入れて飲むようになったのは江戸時代ぐらいからで、飲み方もすごく変化しています。
今は飲むのではなく、スイーツとか、食べるということとか変化しつつあります。
そういった方面でも、チャレンジして行きたいなと思っています。

 

 

—– 続きまして、実際にお茶を生産している生産者さんを代表して、星野製茶園専務 山口真也さんにご登場いただきます。

 

星野製茶園が、ある福岡県八女市星野村は人口 3000人余りの、小さな村ですが、お茶の名産地として古くから知られる地域です。
標高の高い山間部にあるため、寒暖差が、大きいのですが、それがおいしいお茶が生まれる理由なんです。
玉露は 全国でも屈指のし品質を誇ります。
また、独自の試験茶園を設け、さまざまな栽培試験を実施し、品質向上を目指しています。

 

右 山口真也さん

 

—– 八女茶の特徴はどういったところにありますか。

 

玉露の栽培技術を生かしたお茶を作っています。うまみや濃いお茶を作っております。
また、お茶の木は土を選ぶと言われるぐらい、土の種類によって味が変わってきます。
その土を見極めていたり、お茶の品種をいろいろと試験して栽培しています。

 

土のサンプリング

 

—– 細村さんから見た星野製茶園さんのこだわりのポイントを教えてください。

 

お茶にまっすぐあの向き合ってるっていう感じがお茶に出てるんですね。
社員さんたちが、日本茶インストラクターの資格を数多くとっていただいて、30%の合格率なんで、皆さん頑張って頂いています。

 

—– 煎茶と玉露の作り方の違いはどういったところにあるのでしょうか。

 

太陽がさんさんと新芽に当たって、その出た芽を摘んで作るものが煎茶になります。
玉露やかかぶせ茶は、新芽が出たときに遮光して育てます。
旨みを凝縮するために稲わらで日陰を作ります。
稲わらを使うことで、温度を涼しく保ち、湿度を保ちます。
仕上げ加工をしますが、この仕上げ加工によってかなりお茶の品質が変わりますますので、非常に大事なところです。
一年間それを同じ品質で保つっていうことが非常に難しいところです。

 

—– お茶を飲むにあたって入れ方のポイントがあれば教えてください。

 

香りを重視したいのであれば、80度ぐらいのちょっと高めの温度で入れていただくのが良いと思います。
一般的には、60度から 70度位のお湯の温度で入れると旨みの強いお茶になります。
お茶っぱの量もより多めに入れていただくと美味しく飲んで頂けるとと思います。

 

—– 新茶へのこだわりというものはありますでしょうか?

 

新芽の若々しさの香りを重視しますので、火入れの工程を少し抑え目に焙煎します。
フレッシュ感があるふ味わいを楽しんでいただければと思います。

 

—– 最後にこれらのお茶をどのようなシーン、どのように楽しんでいただきたいか教えていただけますでしょうか?

 

お茶はなごみのお時間を演出できるものだと思います。
ご家庭でゆっくりとした時間を作っていただいて、美味しいお茶を飲んでいただきたいなと思います。
日本にはいろいろな産地のお茶がありますので、飲み比べをするのも非常に面白いと思います。

 

—– ありがとうございました。

 

(情報提供:「にほんものストア」PR 事務局、編集: 森川 創)