今年、インターナショナル部門が 25年目、アジア部門が 20年目という節目を迎えた米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(以下、SSFF & ASIA)は、既存概念からの解放「UNLOCK」をテーマに、これまにで培ってきたフィルムメイカーやサポーターとのネットワーク、コミュニティ、映画祭としての歴史と知見を重んじながら、アフターコロナの新時代の世界を描くプログラム「UNLOCK -飛び込め 新しい世界へ‐」の上映・配信や参加者がNFTで投票できる映像コンテスト、VR映像におけるストーリーテリングを研究するセミナーのほか、世界のクリエイターのアイディアや作品をアセットマネジメントしサポーターやオーディエンスとつなぐプラットフォームのローンチを行いました。
レッドカーペットに登場したゲストのみなさん
①映画祭代表 別所哲也さん ご挨拶
「1999年にスタートして25周年を迎えることができました。
アジア部門は 20周年です。長い月日をメディアのみなさんにも支えていただきました。
海外からもたくさんのフィルムメーカー、監督、大使館の方が集まっていただいています。」
②映画祭アンバサダー LiLiCoさん、映画祭代表 別所哲也さん
③青木源太さん、望月理恵さん(アワードセレモニー MC)
④横浜聡子さん、萩原聖人さん、坂井真紀さん(ライブアクション部門 アジア インターナショナル 審査員)
⑤MEGUMIさん(ライブアクション部門 アジア インターナショナル審査員)、
松永大司さん(ライブアクション部門 ノンフィクション部門審査員)
⑥内田也哉子さん、ダグラス・モントゴメリーさん、山戸結希さん
(ジャパン部門 & スマートフォン映画作品部門supported by Sony’s Xperia 審査員)
⑦EXILE HIROさん、中川龍太郎さん(シネマファイターズ)
⑧稲葉友さん、渡邉こと乃さん(アニメーション部門 審査員)
⑨臼田あさ美さん、八幡貴美さん(『妻の電池切れ』完成発表)
⑩村雨辰剛さん、鳴海唯さん、神保悟志さん、石渡美奈さん ホッピービバレッジ株式会社社長
(ホッピーハッピーアワード『The Izakaya Dialogue』完成発表)
⑪野間省伸さん 株式会社講談社代表取締役社長、受賞者4名:瀬名亮さん、マウリシオ・オサキさん、喜安浩平さん、崎村宙央さん
(講談社シネマクリエイターズラボ)
⑫河瀨直美さん(なら国際映画祭)
⑬藤岡真威人さん、天翔愛さん、天翔天音さん(来場ゲスト)
昨日 6月 26日に明治神宮記念会館で行われたアワードセレモニーでは、8つのアワードの受賞発表・授与が行われました。
国内外から集まった 5,000本以上の中から選ばれた、世界で唯一のジョージ・ルーカスの名を冠したグランプリは、ポーランド在住の日本人女性監督 吉田和泉さんによるアニメーション作品『希望のかけ橋/The Bridge』が獲得しました。
さらに、翌年のアカデミー賞短編部門ノミネート候補となる、ライブアクション部門(インターナショナル、アジア インターナショナル、ジャパン)およびノンフィクション部門、アニメーション部門の各優秀賞およびスマートフォン映画作品部門 supported by Sony’s Xperia、Hoppy Happy Awardも発表となりました。
審査員のコメント:
「極めて短い映像の中で、これほどまで色とりどりな世界を展開できるクリエイターたちに圧倒された。」(審査員:内田也哉子さん)
「今生きているこの空気を愛したくなるような、今を映し出す魅力と意欲に溢れていた。」(審査員:山戸結希さん)
「子どもが印象的に描かれた作品が多く、その子供たちはどれも逞しく、次世代が明るい事を期待させるものだった。その反面、現実社会の問題を痛切に感じさせられる。」(審査員:萩原聖人さん)
各受賞作品含むオフィシャルコンペティションノミネート作品は、7月 10日(月)まで、映画祭オンライン会場グランドシアターにて特別延長配信されています。
映画祭オンライン会場グランドシアター: https://www.shortshortsonline.org/
SSFF & ASIA 2023グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」受賞作品
アニメーション部門 優秀賞 【第96回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『希望のかけ橋』(The Bridge)監督:吉田和泉(Izumi
Yoshida)22:30 / ポーランド / アニメーション / 2022
ポーランドと日本の絆を深めた 1920 年の出来事を映画化。
家族を失い、人生を生き抜くために自立を迫られる孤児の歴史を、10歳の少年の視点から語っている。
【受賞理由】オリジナルのアニメーションスタイルで繊細に丁寧に紡がれた物語には観る者を引き込む力があり、また未来を憂いがちな今、特に多くの人々に届けたい作品であった。
ライブアクション部門 インターナショナル 優秀賞
【第96回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『テルエルの彼方へ』 (Beyond Teruel) 監督: マニュエル・オモンテ
(Manuel Omonte)スペイン/ 23:00 / ドキュメンタリー 2022
村を出たい羊飼いと過去の足跡を追う若い写真家が、古めかしいワゴン車に乗って共に忘れられた地方の隅々を旅する物語。
【受賞理由】大きなテーマが転がっている中で平坦なところにテーマがあり、ふとした出会いで物語が始まるシンプルな設定に良さがある。
淡々と積み重ねられていく時間の中からきちんと物語が立ち上がってきて、決して多くは語られないが登場人物たちの過去や内面はしっかりと感じることができ、ショートフィルムとしての面白さに長けていた。
ライブアクション部門 インターナショナル 員: 坂井真紀、萩原聖人、横浜聡子
ライブアクション部門 アジア インターナショナル 優秀賞 / 東京都知事賞
【第96回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『スカベンジャー 』(Giddh (The Scavenger)) 監督:マニッシュ・サイニ(Manish Saini)
24:28 / インド / ドラマ / 2022
老人は少しばかりの食べ物を手に入れるため、やむを得ず成功しそうにない方法をとる。飢えは満たされるが、すぐに罪悪感に追われジレンマが生じる。
【受賞理由】美しいビジュアル、その国ならではの映像とユニバーサルなメッセージ性、あらゆる面においてバランスの取れた作品。
決して明るいテーマではないが説得力のある演技とコメディ要素を含んだ演出で世界の人の心を動かす作品に仕上がっている。
ライブアクション部門 アジア インターナショナル 員:アダム・トレル、松永大司、MEGUMI
■オフィシャルコンペティションの応募数と上映数(米国アカデミー賞短編部門ノミネート選考対象部門)
・インターナショナル部門 応募数:2,099作品(97の国と地域) 上映数:34作品
・アジア インターナショナル部門 応募数:539作品(22の国と地域) 上映数:23作品
・ジャパン部門 応募数:243作品 上映数:22作品
■優秀賞賞金:60万円
■公式部門審査員(五十音順/敬称略):インターナショナル部門 坂井真紀、萩原聖人、横浜聡子
アジア インターナショナル部門 松永大司、MEGUMI ジャパン部門 内田也哉子、ダグラス・モントゴメリー、山戸結希
ライブアクション部門 ジャパン 優秀賞 / 東京都知事賞 【第96回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『半透明なふたり』(Seen)監督:浜崎慎治
23:37 / 日本 / ドラマ / 2022
芥川龍之介の短編小説『鼻』をモチーフにしたラブストーリー。
生まれつき鼻が大きくコンプレックスを抱えて生きている男・龍也は、眼帯のひきこもり女・文と出会う。傷を背負った二人はお互い惹かれ合っていく。
【受賞理由】役者2人の繊細な演技がリアルでありながらファンタジーさを表現していて、切なさとユーモアの匙加減が絶妙であった。現代の日本を丁寧に表現しており、世界に向けて発信したい作品。
ライブアクション部門 ジャパン 員: 内田也哉子、ダグラス・モントゴメリー、山戸結希
ノンフィクション部門 優秀賞 【第96回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『宇宙飛行士の心』 (Heart of an Astronaut)監督:ジェニファー・レインズフォード
(Jennifer Rainsford)
14:44 /スウェーデン/ ノンフィクション / 2023
Jennifer Rainsfordによる短編ドキュメンタリー。ある宇宙飛行士の心臓の、地球から宇宙への道のり。
その鼓動、その危機、その強さが、宇宙飛行士の主治医である航空医官ブリジット・ゴダールによって語られる。心臓血管系の、宇宙への□マンチックな旅。
【受賞理由】わすが15分の間に触れたことのない現実と誰もが憧れる夢を体験することが出来るノンフィクションならではの作品力がある。
あまり目にすることのない貴重な記録映像としてだけでなくポジティブなエネルギーと人間の可能性を感じることのできる本作はこの時代に多くの人に届けられるべきショートフィルム。
ノンフィクション部門 員: アダム・トレル、松永大司、MEGUMI
■ノンフィクション 部門 応募数:290作品(59の国と地域) 上映:13作品
■優秀賞賞金:60万円
■審査員:松永大司、MEGUMI
アニメーション部門 優秀賞 【第96回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『希望のかけ橋』(The Bridge)監督:吉田和泉(IzumiYoshida)
22:30 / ポーランド / アニメーション / 2022
ポーランドと日本の絆を深めた1920年の出来事を映画化。 家族を失い、人生を生き抜くために自立を迫られる孤児の歴史を、10歳の少年の視点から語っている。
【受賞理由】台詞に頼らず人形の表情だけでお互いを理解しあっていく様を描く技術は秀逸であった。史実して知られている内容
ではあるが、純粋な作風で描かれているので感情移入がしやすく、ダイレクトに心に響く作品。戦争が起こっている今だからこそ一人でも多くの人に見て欲しい。
アニメーション部門 員 : 稲葉友、渡邉こと乃、杉山知之
■アニメーション部門 応募数 :474作品(53カ国) 上映:23作品
■優秀賞賞金:60万円 ■審査員 (五十音順/敬称略):稲葉友、渡邉こと乃、杉山知之
スマートフォン映画作品部門 supported by Sony‘s Xperia 優秀賞
『たゆたい』(Floating in between)監督:齋藤 汐里(Shiori Saito)
11:49 / 日本 /
ドキュメンタリー / 2023
アーティスティックスイミング、元日本代表。 さらに、世界最高峰のエンターテイメント集団に7年間所属。 半生を華々しい舞台で過ごした杉山 美紗(すぎやま みさ)は、肩書きを手放し、いま、人生の間(あわい)を泳いでいる。
【受賞理由】水中撮影が素晴らしく、小さなスマホ画面で撮られた画を、大きなスクリーンで観たいと大いに感じさせてくれた作品であった。
ドキュメンタリーでありながらも、作りこまれたフィクションのような完成度があり、彼女の人生観にも共感できた。
スマートフォン映画作品部門 supported by Sony’s Xperia 員:
内田也哉子、ダグラス・モントゴメリー、山戸結希
■スマートフォン映画作品部門 supported by Sony 応募数:363作品(53カ国) 上映:16作品
■優秀賞賞金:60万円 ■審査員 (五十音順/敬称略):内田也哉子、ダグラス・モントゴメリー、山戸結希
HOPPY HAPPY AWARD
『私たちは他人です』(Perfect Strangers) 監督:上條 大輔
25:00/ 日本 / ドラマ / 2022
ある日父から「実はお前の母は生きている」と告白された詠は、母を求め新宿へと向かった。だが再会は果たせたものの強引に追い返され、途方に暮れてしまう。
街を彷徨う中で一人の少女と出会った詠は、やがて母の秘密を知る事になる。
ベストアクターアワード(インターナショナル)
『カミーユとコンティさん』(OFF SIDE)監督;Sophie Martin
21:37/ フランス / ドラマ / 2022
カミーユはホームヘルパーとして働くシングルマザー。
重度の言語障害を持つ息子テオを育てるため、一生懸命働いている。
同僚の代わりに出勤することになった彼女は、無口な老人コンティの世話をすることになる。
ベストアクターアワード(アジア インターナショナル)
受賞者:Coralie Ruccier/コラリー・ルシエ
【受賞理由】
圧倒的な演技力で、繊細で愛おしく人間らしいカミーユを見事に演じていた。
『スカベンジャー 』(Giddh (The Scavenger) 監督:マニッシュ・サイニ(Manish Saini)
24:28 / インド / ドラマ / 2022
老人は少しばかりの食べ物を手に入れるため、やむを得ず成功しそうにない方法をとる。飢えは満たされるが、すぐに罪悪感に追われジレンマが
生じる。
受賞者:Sanjay Mishra/サンジャイ・ミシュラー
【受賞理由】
台詞がなくとも細やかな感情表現で作品に説得力を与え、唯一無二の存在感があった。
ベストアクターアワード(ジャパン)
『スイート 』(Sweet) 監督:安井 祥二
24:04 / 日本 / ドラマ / 2023
小学2年生の美羽は、母・みずほの言うとおりに「きちんとした子」になろうとさまざまなルールを守っている。
一方、ピアノの先生・優子は、彼女に自由な表現を促す。2人の間で美羽の心は揺れる。
【受賞理由】
今後の活躍が期待できる素晴らしい演技力で、愛おしく共感せずにはいられない主人公美羽を見事に演じていた。
(情報提供: ショートショート フィルムフェスティバル & アジア PR事務局、レッドカーペット撮影: 森川 創)