セント・フォース カレッジ レッスン風景
楽しいニュースの セント・フォースsprout 自己PR研究所 でもおなじみのセント・フォースは、テレビやラジオで人気の女性フリーアナウンサーが所属する芸能事務所。今年1月から 「セント・フォース カレッジ」を開校し、未来の女性アナウンサーを育成していると聞いて、取材してきました。
事務局長の 青山縁さんにお話を伺いました。
セント・フォースカレッジ 事務局長 青山縁さん
—– セント・フォースカレッジ設立のきっかけから教えていただけますか。
実は、私も宮城テレビでアナウンサーをしていたのですが、出演する側ではなく、裏方として出演者を支えるほうをやってみたいと考えて、スタッフとしてセント・フォースに入りました。
設立前は、私一人で13年以上、セント・フォースやセント・フォーススプラウト(以下、スプラウト)に所属している人限定でアナウンスメントの指導をしてきました。
これから番組のオーディションに出す子や番組出演が決まった子、たとえば、「めざましテレビ」のお天気コーナーの出演が決まって、4月からデビューしますといった子をデビューまでの準備期間中に教育をしています。
—– めざましテレビといえば、岡副麻希さんが頭に浮かびますね。
岡副麻希は、最初は本当に大変でした(笑)
でも、すごい頑張り屋さんで、性格が良くて、心の中に嫌なところが一つもなくて、素直で、人に対して温かく、サービス精神が旺盛な子なんです。そういうところはアナウンサーに向いていると思います。出演したら、きっと視聴者や番組スタッフに愛されるだろうなと感じました。
なので、岡副の元気で無邪気でのびのびとした素直な部分を残したいと思い、あまり厳格にアナウンサー読みを指導せずに、視聴者に情報がきちんと伝わるよう教えました。
一人ずつ、その人の個性に合わせたオーダーメイド授業をしていました。
そうやって指導を続けていたところ、最近は、民放キー局(日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビ)全体で毎年、 10人程度の採用のうち、スプラウトから3、4人がアナウンサーとして採用されるようになってきました。
セント・フォースは、いわゆる「女子アナ」という人の人生をずっとそばで見守って、サポートしてきた会社です。ですから、アナウンサーになりたいと思っている女の子の夢をバックアップしようというのは自然な流れでした。そして、セント・フォースがやるからには、学生時代にレッスンを受け、現場で経験を積み、局アナになったらおしまい、ではなく、その後も幸せなアナウンサー生活を送れるためのベースとなる考え方や心構えをきちんと教えてあげたい。そうすることで、一人でも多くの幸せなアナウンサー人生を送ることのできる人を輩出したいという熱い思いがあって、セント・フォースカレッジを設立しました。
結婚や出産を機にアナウンサーを辞める子もいますが、セント・フォースで培ったコミュニケーション能力や人への気遣いが、視聴者から今度は家族に向けられて、皆うまく家庭を回して幸せに生きています。そういう意味では、女性が幸せな人生を歩むための学びの場でもあるのかもしれません。
テレビで話す意味、目的、何のために、どのように社会とつながっているのかを理解した上でアナウンサーとして始めるのと、単にちょっと人よりも可愛かったからとか、ちょっと人気があるからとか、人にアナウンサーに向いていると言われたからと始めたのでは、その後のアナウンサー人生が大きく変わります。
—– 世間的には、きれいな女性を集めているだけのように思われているようですが、そうではないのですね。
確かにセント・フォースもスプラウトもきれいな子が多いです。でも、でも、きれいというだけでアナウンサー試験に合格したり、売れたりするわけではありません。きれいでもどこの放送局にも受からなかったり、きれいでも大成しなかったりする子もいます。
先程申し上げた、アナウンサーという仕事をきちんと理解しているか、覚悟ができているかということが大きくかかわってくると思います。今まで何百人も教えてきて、それを実感しています。
その上で、状況の先を読んで、先回りして気遣いができる子は採用されやすいですね。
アナウンサーは華やかなイメージがありますし、実際にちやほやされる場面もあるのですが、周りの人がやってくれるからといって人任せにしてしまう子よりも、自分も制作チームの一員だという気持ちを持ってやっている子のほうが局アナでもフリーアナウンサーでもうまくいっています。
—– セント・フォースカレッジ設立の話に戻しますね(笑)
私が一人で教えるのにもマンパワー的にも限界がありますし、きちんと広く教えたいという気持ちもありましたので、社長に提案したところ、「いいね! やろう!」と賛成してもらって、昨年の5月から設立準備を開始しました。
準備期間中にテキストも用意しました。以前、アナウンサーになりたい人向けのワークショップを開催したことがあって、そのときに使ったテキストをベースにバージョンアップさせて、さらに細かく作りこんでいきました。
テキストのたたき台は私が作るのですが、今日レッスン担当の上杉アナウンサーなどの講師陣と何度か会議を開いて、話し合いながら、充実させていきました。
また、アナウンサーの話し方のルールは時代に合わせて少しずつ変わってきていますので、それに合うように改訂も行いました。
そして、今年1月からセント・フォース カレッジはスタートしました。
—– 実際にどんな方からの応募が多いですか?
アナウンサーになりたいという一般の大学生が多いです。
学生時代にアナウンサーを目指したものの叶わず、普通に就職したもののもう一度挑戦したいという社会人の方もいらっしゃいます。中には、30歳前後の方で、会社でプレゼンテーションをする機会が多いので応募されたり、女医さんが学会で発表したり、患者さんとコミュニケーションをとるときにうまく話せないという自覚があって応募される方もいます。
「基礎コース」(全6回)は、アナウンサー志望の方でなくても身につけると声の出し方が劇的に変わりますので、信頼感が出てくると思います。
—– セント・フォースカレッジのホームページには、「インタビュー」といった言葉も登場します。どうやって聞き出すかとか、何かコツがあるのですか?
宮城テレビ時代、月曜日から金曜日まで毎日、中継に出て街の方々にインタビューした経験から培ってきたものをベースにしていますが、それに加えて、自分が経験の中から自然と身に付けて無意識にやっていたことを体系化しました。
無意識に行っていたことを生徒に伝えるのが難しくてとても悩みました。心理学やコーチング、相手の心の開き方、ボイストレーニングなど、様々な講座や勉強会に参加して学んだところ、インタビューのときに立つ位置や目線の高さを合わせるとか、相手と同じジェスチャーを行うとか、相手に合わせて声のトーンやテンポを変えるとか、無意識にやっていたことが、理論的にも正しいことがわかって腑に落ちましたし、実践経験のない生徒にも教えられるようになりました。
—– レッスンコースを修了されたあと、どうされる方が多いですか?
まだ開催して間もないのですが、 1期生のアナウンサー志望の大学生の中から何人かをFMサルースの番組「geeup sprout(ジーアップ スプラウト)」や、チャンスがあればテレビでも学生レポーターとして出演させていこうと考えているところです。話の引き出しの多さや言葉の反射神経、頭の回転の速さ、視野の広さのある人が向いていると思います。
話す練習というのは、ゴルフやテニスのようにゴルフ場に行ったり、テニスコートに行ったりしないとトレーニングができないものではなく、「意識」を変えるだけで、おしゃべりをする中でいくらでも日常的にトレーニングができるのです。その意識を変えてもらうというのがすごく大切です。受講中だけ「アエイウエオアオ」と発声練習をするだけでは、アナウンサーとしては成長しないんです。その場に合ったぴったりの言葉を瞬時に取り出して話す、というのは、受講しているときに頑張っただけでできるものではなくて、日常生活の中で意識を変えることが大切だと繰り返して伝えています。
レッスンが終わった帰り道も、スマホを眺めているのではなく、電車から見える風景を言葉にしてみるとか、駅に到着したら「今、中継して!」と言われたら駅の印象を何と表現するのかとか、一口食べたとき、この味をどう表現したら一番伝わるのだろうと考えながら食べるとか、日常生活でぴったりの言葉を探してみようと意識して生活するだけで変わってきます。
これは「アナウンサーあるある」なのですが、アナウンサーは、普通に話している人の鼻濁音が気になったり、道を歩いていて、ここで中継しろと言われたら、何て表現するかなとか、というのを常に心の片隅に置いたりして生活しています(笑)
アナウンサーを目指すのなら、アナウンサーがやっていることを真似て、同じように意識しながら生活してみると近づくのではないかと思います。
レッスン風景
—– どういう人に受講してほしいですか? また、今後の展望は?
アナウンサーを目指している方はもちろん、「伝えたいことがある方」に是非ご受講いただきたいです。アナウンサーを目指すかどうかに関わらず、人間力の底上げをしてあげたいと思っています。
ここに来るとみなさん、明るく前向きにハッピーになっていくみたいです(笑)
地方から東京のセント・フォースカレッジに通ってくださっている方が多く、短期集中コース開催の要望をいただいているので、この春ごろの実施を想定して、基礎コース全6回を土日の週末2日間で行う講座を準備しているところです。
また、セント・フォース関西もありますので、関西での実施もしたいと思っています。
それから、アナウンサーになった人の支えにもなりたいので、ニュース読みや食レポなどに特化した現役アナウンサーが受講できる講座も開きたいです。
将来的には、女性が幸せに自分らしく生きていくためのサポートができる講座ができるといいですね。
講師の 上杉桜子アナウンサーと受講生のみなさん
—– 受講されていた生徒さんに受講のきっかけとやりたいことをお聞きしました。
田村 愛さん:
アナウンサーになりたくてアナウンサースクールをずっと探していたのですが、素敵な女性がいっぱい所属しているセント・フォースでスクールができたと聞いて、私もそんな素敵な女性になりたいと思って、受講しました。
私はフジテレビの宮司愛海アナウンサーにあこがれていて、あんな風に元気なアナウンサーになりたいです。
上田 杏奈さん:
セント・フォースのアナウンサーにあこがれて、このスクールを受けました。
アナウンサーの知識は全然なかったので、1から丁寧に教えていただいて、すごくわかりやすいです。
将来はまだ具体的には決まっていないのですが、明るいアナウンサーになりたいです。
大島 萌佳さん:
大学を卒業する 2021年に絶対にアナウンサーになりたいので、そのために、このセント・フォースカレッジに通おうと思いました。
私は、報道がやりたいと思っていて、自分で調べたり、見たり聞いたりしたものを理解して伝えられるようなアナウンサーになりたいです。
柳川 愛香さん:
私がセント・フォースカレッジを選んだのは話す機会が多い少人数制というところに魅力を感じて選びました。
局アナよりも様々なジャンルにチャレンジできるフリーアナウンサーになってがんばりたいです。具体的には、田中みな実さんのようにバラエティ番組に出演したいです。
—– 本日の講師の上杉桜子アナウンサーにもお聞きしました。
基礎コースについては、もちろんアナウンス技術をしっかりレクチャーしているのですが、アナウンサーの発する言葉には、その人の内面がすごく出るものだと思っています。なので、技術と同時に人としても頭や心といった内面を磨いてもらえるように意識して教えています。
原稿を読むだけがアナウンサーの仕事ではなくて、フリートークとかインタビューとか、そういうときについポロッと普段の自分が出てしまうので、日ごろから目配り、気配り、心配りができる人であってほしいという思いでレッスンをしています。
(完璧なコメントを言い終えた上杉さん、受講生のみなさんに向かって)これがプロよ!(笑) (みなさん大爆笑)
インタビュー、そして、レッスンを取材させていただき、ありがとうございました。
【セント・フォース カレッジ】
◆特徴
- 女性限定・最大8名の少人数制できめ細かく指導
- セント・フォース所属の現役アナウンサーが直接指導
- 番組出演やセント・フォース所属など活躍のチャンスあり 他
◆実施中のコース
- 基礎コース(全6回)
- 上級コース(全6回)
- ブラッシュアップコース 他
(執筆・撮影 森川 創)
関連リンク:
▼セント・フォース カレッジ
https://college.centforce.com/
▼上杉桜子 ツイッター
https://twitter.com/sako_uesugi
▼gee up sprout – FMサルース
www.fm-salus.jp/person_list.htm
▼明るく楽しい FM番組 gee up sprout を取材してきました!