2022年 11月 9日(水)に、メディア向けセミナー『インナーケア最前線!肌のハリは真皮の細胞から作る時代へ ~内側から美肌成分を生み出す「プロテオグリカン」の可能性~』がオンラインにて配信されました。
講演の内容をまとめて紹介します。
■講演① 肌年齢を決めるのは内側のハリ 細胞に働きかけるインナーケアへの注目
登壇者 高瀬聡子先生
美容皮膚科医/ ウォブクリニック中目黒 総院長
老化のペースには個人差があり、1年で0.4歳しか老化しない人もいれば、2.4歳も老化が進んでしまう人もいます。
これは環境要因が7〜8割と言われていて、自分で環境要因をコントロールすることにより、ペースオブエイジング(老化のスピード)をゆっくりにすることができます。
そのためには、細胞の活性化が重要になってきます。
肌のエイジングについてみられる症状で、シワ・たるみ等がありますが、原因は主に皮膚の深いところ(=真皮の細胞)の衰えです。
肌の弾力を生み出しているのは真皮層内の ECM(細胞内マトリクス)であり、その中には美肌を作る成分(プロテオグリカン、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、線維芽細胞、水分子)が含まれています。
しかし、ECMは加齢によって減少してしまうもので、それにより肌内部に隙間ができ、シワ・たるみの原因になってしまいます。
ECMを構成するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンは線維芽細胞により産生されますが、その線維芽細胞も加齢で減少してしまいます。
エイジングケアのトレンドとしては「根本からの解決」
つまり、肌の細胞に直接働きかけて、肌本来の機能をキープすることが大事だと言われています。
細胞に働きかける方法には、スキンケアなど外側から働きかけるものと内側から働きかけるものの 2つがあります。
特に今注目されているのが後者の内側から働きかける「インナーケア」となっています。
睡眠・運動・食事といった基本的な生活習慣のように見えますが、現代の人はここが疎かになっているパターンが多いようです。
特に食事は、細胞を作り出すものでもあるので、どういう栄養を摂っていくかも重要になってきます。
食事だけで補えない部分はサプリメント等を利用して、ECMの産生を高めたりミトコンドリアを活性化させたり…といった方法があります。
また、インナーケアの注目成分・プロテオグリカンを経口摂取することで、肌の弾力を改善することが明らかになっています。
プロテオグリカンは真皮の線維芽細胞を増やすことで ECMを産生すると考えられています。
細胞に働きかける、まさに「根本からの解決」が可能になるのです。
ペースオブエイジングは、老化のペースを自分でコントロールできる点が大切なポイントとなってきます。
自分のなりたい状態を意識して、自分に合ったケアを取捨選択しましょう!
■講演② 美肌成分を生み出す真皮と繊維芽細胞
登壇者 安藤秀哉先生
岡山理科大学 生命科学部 生物科学科 教授/博士(医学)
今、化粧品業界では真皮をターゲットとした美白戦略がトレンドです。
最新の研究により、真皮の線維芽細胞が美白に重要であることが注目され、老化した線維芽細胞を活性化してメラニン生成の抑制因子を放出する研究が進んでいます。
真皮には線維芽細胞の他に、ECM(細胞外マトリクス)が含まれています。
ECMには強靭なコラーゲン、柔軟なエラスチンなど肌の弾力を支える成分が詰まっています。
そしてこれらの成分を生み出すのが、線維芽細胞です。
丈夫でしなやかなハリのある美肌を作るのに、線維芽細胞はとても重要な働きをしています。
また、研究により、プロテオグリカンは線維芽細胞の増殖・細胞外マトリクス産生に大きく関与していることがわかりました。
プロテオグリカンは経口摂取で肌の弾力性を向上させたり、線維芽細胞のコラーゲンやヒアルロン酸の産生促進など、肌に有用な作用を及ぼしています。
線維芽細胞の生理機能にも作用するため、一度に複数の美肌成分を生み出すことができる効率性の面でも期待ができます。
経口摂取後の弾力性向上のメカニズムやそれ以外の有用性など、今後のプロテオグリカンの研究のさらなる発展にも期待したいです。
■講演③ 美肌成分を細胞から生み出す注目成分『プロテオグリカン』について
登壇者 ワイズ里沙氏
一丸ファルコス株式会社 開発部 開発 3課
真皮層は、肌にハリや弾力を与える部分となっています。
プロテオグリカンは真皮層内にコラーゲン・ヒアルロン酸などとともに存在しています。
しかし、それらは加齢とともに減少してしまいます。
プロテオグリカンには、美肌成分を生み出す線維芽細胞の増殖を促進する働きがあります。
効率よく肌のハリを内側から作ってくれる成分、それがプロテオグリカンです。
肌の弾力に与える影響を、弾力度・塑性度の 2つのパラメーターに分け、測定しました。
左側は肌の弾力度に関する測定結果です。
プロテオグリカンを摂取することで、摂取していない人たちに比べて肌の弾力が改善しています。
左の塑性度も改善が見られ、プロテオグリカンの有用性を示しています。
プロテオグリカンは幻の成分と言われ、元々は製造困難で供給が難しいものでした。
そこでファルコスは、廃棄されていた鮭の頭部のサケ鼻軟骨(氷頭)を利用し、プロテオグリカンを抽出精製する技術を開発しました。
この技術を応用して、食品原料「プロテオグリカンF」の工業科に成功し、より安価に供給することができるようになりました。
現在、プロテオグリカンに関する研究は、機能性方面から美肌作用を中心とした美容分野へと進んでいます。
プロテオグリカンは身近なインナーケア商品(美容ドリンク、美容サプリメント、ゼリー飲料)にも含まれているので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
(情報提供:プロテオグリカン素材事務局 編集:R.T.)