東京ビッグサイトにて、世界最大規模で開催中のアニメイベント「AnimeJapan 2024」。
2日目となる本日 3月24日、クリエイションステージにて、長編アニメーション映画『クラメルカガリ』『クラユカバ』（4月12日2作品同時公開）の塚原重義監督、映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』（5月24日公開）の柴山智隆監督、『劇場版モノノ怪 唐傘』（7月26日公開）の中村健治監督が、スペシャル鼎談を行いました。

 

 

『クラメルカガリ』『クラユカバ』で長編監督デビューを果たした塚原監督。
予告編を観た柴山監督から「世界観が素晴らしい。ただこれだけ面白い世界観だと、どうやってスタッフとイメージの共有をしたのかが気になる」と質問されると「リアルなスタジオが存在しない制作体制を取っており、スタッフが日本全国に散らばっている。オンライン上での作業のやり取りの中で生まれる雑談からイメージの共有ができているのではないか」などと明かしました。

小野賢章さん＆富田美憂さんが主演する『好きでも嫌いなあまのじゃく』の柴山監督。
すでに本編を鑑賞済みという中村監督からは「とにかくツムギちゃんが可愛い！ストーリーは甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガールでストレートな恋のドラマがビリビリ来て凄く良かった」と絶賛されていました。

 

 

人気テレビアニメシリーズ初の映画化『劇場版モノノ怪　唐傘』の中村監督。
特報を観た塚原監督は「もう圧倒的！僕が言葉にしても陳腐にしかならないと思うくらい感想は言えません」と恐縮しつつ「尖った画を採用すると演出の縛りは生まれませんか？」と質問。
これに中村監督は「普通のアニメーションならば自然にあっていい演出や技術について、モノノ怪は禁止事項が多い。だからスタッフのみんなは悩みながら作っています。自分も含めて追い詰めて、その中で制作していきました」とストイックな現場を打ち明けると、塚原監督は「そういう映像だとわかる」と唸っていました。

またオリジナルでアニメーションを作る面白味について聞かれた中村監督は「オリジナルでコンテンツを生み出した先人たちへのリスペクトがめっちゃ上がる！」と笑いつつ「アニメーション制作にはたくさんの人に参加してもらうわけで、オリジナルで作る場合は作品への自信をこちらがきちんとプレゼンしないとスタッフも力を発揮できない。面白さよりも、作り方に毎日悩む」と監督としての心境を吐露しました。

 

 

柴山監督は「原作がある場合は、面白さの担保や指標が既にある所からのスタートになりますが、オリジナルの場合は0から何が面白いのかを見つけながら作る。スタッフとのセッションというライブ感の中で何が最善かを探る制作過程が面白い」と解説しました。

塚原監督は「探る、というのはわかる」と共感を示しながら「オリジナルの場合は何が正解なのかわからないので、コンテが終わった段階で情報を共有して意見を出し合ってコンテを変えていくこともある。そんな作品に磨きをかけていく工程が楽しい」と話しました。

 

コンテ作りの際に意識していることについて柴山監督は「自分から出てくるものだけで作るのは面白くない。才能あるスタッフにアイデアを出してもらってセッションして作るのが好き。遊びのような余白を残すよう、決め決めにならないようにしている」とチームワークの重要性を強調。

アフレコ段階でも周囲の意見を参考にしてコンテを修正するという中村監督も「監督って実は偉い職業ではありません。スタッフなどの周囲からの意見はエンドユーザーの感覚に近いのでありがたいもの。監督にとって制作中に意見をもらったり、修正が出たりするのは嬉しいことなんです」と知られざる本音を漏らしていました。

最後に3名の監督からこれから映画を観る皆さんへのメッセージが贈られ、ステージは終了。

『クラメルカガリ』『クラユカバ』は 4 月 12 日(金)全国劇場にて2 作品同時公開。
映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』は5月24日(金)よりNetflix世界独占配信＆日本劇場公開。
『劇場版モノノ怪 唐傘』は7月26日(金)より全国公開となります。

 

 

◆『クラメルカガリ』　
4/12(金)公開

【あらすじ】
零細採掘業者がひしめく炭砿町…通称“箱庭はこにわ”。日々迷宮の如く変化するこの町で地図屋を営む少女ーカガリ。

“箱庭”からの脱却を夢想する幼馴染ーユウヤ。
昨今この町で頻発する不審な”陥没事故”は、次第にふたりの日常を侵食し始めて・・・
果たして、町の命運は、カガリはこの事態を乗り越えられるのか！？
困難の先で、少女は今日”ちょっとだけ”大人になるー

 

【スタッフ】
原作・脚本・監督：塚原重義
シナリオ原案：成田良悟
キャラクター原案：七原しえ
皆川一徳 キツネイロ
作画監督：松田K子 可否
特技監督：maxcaffy
操画監督：アカツキチョータ
美術設定：ぽち
美術監督：大貫賢太郎
音響監督 ：前田茜
音響効果：中野勝博
音響制作：東北新社
音楽：アカツキチョータ
主題歌：オーイシマサヨシ「僕らの箱庭」
プロダクションプロデュース：EOTA
アニメーション制作：チームOneOne
配給：東京テアトル
ツインエンジン
製作：クラガリ映畫協會

 

【キャスト】
カガリ：佐倉綾音 ユウヤ：榊原優希 伊勢屋：大塚剛央 栄和島：細谷佳正 シイナ：森なな子 飴屋：悠木碧

 

 

◆『クラユカバ』
4/12(金)公開

【あらすじ】
「はい、大辻探偵社」紫煙に霞むは淡き夢、街場に煙くは妖しき噂…。今、世間を惑わす”集団失踪”の怪奇に、探偵・荘太郎が対峙する！
目撃者なし、意図も不明。その足取りに必ず現る”不気味な轍”の正体とは…。手がかりを求め、探偵は街の地下領域”クラガリ”へと潜り込む。
そこに驀進する黒鐵の装甲列車と、その指揮官タンネとの邂逅が、探偵の運命を大きく揺れ動かすのであった…！！

 

【スタッフ】
原作・脚本・監督：塚原重義
キャラクターデザイン：皆川一徳
特技監督：maxcaffy
操画監督：アカツキチョータ
美術設定：ぽち

美術監督：大貫賢太郎
音響監督：木村絵里子
音響効果：中野勝博
音響制作：東北新社
音楽：アカツキチョータ
主題歌：チャラン・ポ・ランタン「内緒の唄」
アニメーション制作：チームOneOne
配給：東京テアトル ツインエンジン
製作：クラガリ映畫協會

 

【キャスト】
荘太郎：神田伯山
タンネ：黒沢ともよ
サキ：芹澤優
稲荷坂：坂本頼光
指揮班長：佐藤せつじ
松：狩野翔
トメオミ：西山野園美

 

 

◆『好きでも嫌いなあまのじゃく』
5/24(金)Netflix世界独占配信＆日本劇場公開

 

【ストーリー】
山形県に住む高校1年生の八ッ瀬 柊（やつせ・ひいらぎ）は、「周りと上手に過ごしたい」「人に嫌われたくない」という想いから気づけば頼まれごとを“断れない”性格に。

自ら進んで“誰かのために”を一生懸命にやってみるも、何かが上手くはいかず、親友と呼べる友だちもいない。
いつものように頼まれごとを引き受けて、なんだか上手く行かなかったある夏の日。人間の世界に“母親を探しに来た”という鬼の少女・ツムギに出会う。彼女は自分勝手で、柊とは正反対で——。

 

【キャスト】
小野賢章、富田美憂 ほか

 

【スタッフ】
・監督：柴山智隆
・脚本：柿原優子/柴山智隆
・キャラクターデザイン：横田匡史
・キャラクターデザイン補佐：近岡 直
・色彩設計：田中美穂
・美術監督：稲葉邦彦
・CGディレクター：さいとうつかさ
・撮影監督：町田 啓
・編集：木南涼太
・音楽：窪田ミナ
・音響監督：木村絵理子

・配給：ツインエンジン・ギグリーボックス
・企画・製作：ツインエンジン
・制作：スタジオコロリド
・スタジオコロリド公式Xアカウント：@studiocolorido ・ハッシュタグ：#好きあま #SUKIAMA
・作品公式HP：https://www.amanojaku-movie.com

 

 

◆『劇場版 モノノ怪』作品情報
7/26(金)全国公開

【キャスト】
薬売り:神谷浩史
アサ:黒沢ともよ カメ:悠木碧 歌山:小山茉美

 

【スタッフ】
監督:中村健治
キャラクターデザイン:永田狐子
アニメーションキャラデザイン・総作画監督:高橋裕一
美術設定:上遠野洋一
美術監督:倉本章 斎藤陽子
色彩設計:辻󠄀田邦夫
ビジュアルディレクター:泉津井陽一
3D 監督:白井賢一
編集:西山茂
音響監督:長崎行男
音楽:岩崎琢
プロデューサー:佐藤公章 須藤雄樹
企画プロデュース:山本幸治
配給:ツインエンジン ギグリーボックス
制作:ツインエンジンEOTA

 

【イントロダクション】
“ナニモノ“か、より生じた抑えられぬ”情念“が“アヤカシ”と交わると「モノノ怪」となる。
モノノ怪がひき起こす”怪異“が人々に襲いかかる時、謎の男”薬売り“が忽然と姿を現す。
この世で唯一、モノノ怪を斬り祓うことができる“退魔の剣”を携え、荒れ狂うモノノ怪の前に一人立ちはだかる。
『モノノ怪』は、2006 年にフジテレビの「ノイタミナ」枠にて異例の高視聴率を記録した『怪~ayakashi~』の一編「化猫」から派生し、2007 年にテレビアニメシリーズとして放送されて以来、根強く愛され続けている作品である。
その『モノノ怪』が 2024 年、大奥を舞台に劇場版として“新生”する。豪華絢爛な世界を絵巻物のように描き、細部まで緻密に、時に大胆に表現した美術や、CG と和紙テクスチャを組み合わせた斬新な手法、膨大なカット数と独自の色遣いにより生み出される唯一無二の映像美など、薬売りのミステリアスな魅力と相まって、 “密度”の濃い世界観に圧倒される。

さらに、個を殺し集団に染まることを強いられる生き辛さ、という現代にも通じる普遍的なテーマ、人間の内面に渦巻く業と願いを描く物語が深い共感を呼ぶ。
誰の心にもモノノ怪の種が根づきかねない混沌としたこの時代に、切なくも強く魂を揺さぶる“救済”の物語が立ち上がる。
シリーズの生みの親である中村健治監督の元に集結した、豪華キャスト・スタッフによる完全新作の劇場映画が、新たなる伝説を刻む。

 

【あらすじ】
大奥とは、男子禁制の“女の園”であり、重要な官僚機構でもある特別な場所。
この地に、新人女中のアサ(黒沢ともよ)とカメ(悠木碧)が足を踏み入れる。
キャリアアップを図る才色兼備のアサ、憧れの大奥に居場所を求めるカメ。
正反対の二人は初日から、集団に染まるための“儀式”に参加させられる。
御年寄の歌山(小山茉美)は、大奥の繁栄と永続を第一に考え女中たちをまとめあげるが、
無表情な顔の裏に何かを隠している。そんな中、少しずつ、彼女たちを覆っていく“何か”。
ついに決定的な悲劇が起こり、薬売り(神谷浩史)はモノノ怪を追って大奥の中心まで進むが、モノノ怪を斬り祓うことができる退魔の剣は「形」「真」「理」の三様が揃わなければ、封印を解き抜くことが叶わない。
薬売りが大奥に隠された恐ろしくも切ない真実に触れるとき、退魔と救済の儀が始まる──。